広報誌
Vol.20 2014年3月発行
第15回東京都クラブユースサッカーU-17選手権大会 決勝/東京都・味の素フィールド西が丘 2014年2月12日(90分・45分ハーフ)
FC東京U-18 3 - 2 三菱養和SCユース
「日本一」を目標に掲げるFC東京U-18が初めての大会となる“新人戦”を制した
FC東京U-18が初タイトル3点リードを逃げ切る
2月11日、味の素フィールド西が丘で第15回東京都クラブユースサッカーU-17選手権大会の決勝が行なわれた。
東京ヴェルディユースとのライバル対決を制して3年ぶりに勝ち上がってきたFC東京U-18、高円宮杯プレミアリーグEASTに所属する全国レベルの強さを誇る街クラブ・三菱養和SCユース。ともに全国大会での優勝を見据えるクラブ同士の、高校2年生年代になってからの初めての大会は、期待通りの熱戦となった。
FC東京U-18は今年1月から佐藤一樹新監督が就任。「全員攻撃全員守備」をチームの基本コンセプトとして、FC東京の伝統であるハードワークを打ち出している。立ち上がりからFC東京U-18は、三菱養和SCユースに対し、出足の速さとゴールに向かっていくプレーで主導権を握った。
先制ゴールが生まれたのは11分。右サイドでボールを持った渡辺龍が中へ切れ込むと、強烈なシュートを放つ。これがニアサイドに突き刺さり、FC東京U-18が先制に成功した。三菱養和SCユースは相手の勢いに飲み込まれ、本来の持ち味であるピッチを広く使ったサイド攻撃を出すことができない。
前半終了間際の41分、ゴールネットを揺らしたのは、またしてもFC東京U-18。右サイドのコーナーキックを長澤皓祐がファーサイドへ蹴り込むと、高い打点でセンターバックの大西拓真が叩き込む。FC東京U-18が2点リードして前半を折り返す。
さらに、62分には途中出場の佐藤亮が大西からの縦パスに反応し、鮮やかなトラップから決めて3-0。これで勝負ありかと思われたが、そうではなかった。佐藤監督が「三菱養和さんの強さを感じました」と語ったように、3点ビハインドを背負ったところから三菱養和SCユースが怒濤の反撃を開始する。
75分、サイドからのクロスを最後は伊藤駿が落ち着いて決めて1点を返す。その後も諦めずにゴールを狙った三菱養和SCユースの猛攻が実ったのは87分のこと。多田大河の落としたボールを、ディサロ燦シルヴァーノが右足で打ち抜く。1点差に追い上げた三菱養和SCユースのラストチャンスは試合終了間際、右からのフリーキックを多田がヘディングでとらえる。だが、これはFC東京U-18のGK山口康平が間一髪で弾き出す。FC東京U-18が3-2で逃げ切り、"新人戦"を制した。
「まだまだ手探りなので、自分たちのサッカーを表現できたとはいえない。だけど、勝つことでチームの一体感を得られると思うし、トライしていける」と佐藤監督は手応えを感じた様子だった。
三菱養和SCユースは3点ビハインドから、あと一歩のところまで追い上げたが及ばず
COACH'S INTERVIEW
FC東京U-18 監督 佐藤一樹
高校2年生になって初めての大会だったので、勝つことにこだわるというよりは、一人ひとりが躍動してくれればいいと思っていました。チームとしては全員攻撃・全員守備で、攻守において主導権を握る戦いをしていきたいと考えていました。三菱養和SCユースの最後まであきらめない姿勢から学ぶことはたくさんありました。最後はひっくり返されてもおかしくありませんでした。チームの一体感は勝つことで得られるものが大きいと思うので、ブレずにトライしていきたい。
東京都シニアサッカーリーグ(TSL)O-50 カテゴリー1/東京都・トヨタ府中スポーツセンター 2013年11月4日(60分・30分ハーフ)
トヨペットシニア 1 - 1 高麗SC50
新旧・日本一チーム対決は白熱の攻防の末にドロー
2013年度の「第12回全国シニア(50歳以上)サッカー大会」で優勝したトヨペットシニア。3年前に同大会で日本一になっている高麗サッカークラブ50。東京都シニアサッカーリーグ(O-50カテゴリー)の1・2位同士による最終戦は、高麗サッカークラブ50・成炳優監督が「間違いなく全国レベル」というように質の高い試合になった。
トヨペットシニアは、ここまでのリーグ戦8試合を全勝で突っ走ってきた。1試合平均4点以上となる33ゴールを叩き出し、失点はわずかに4。その最大の要因となったのがボールポゼッションだ。高い技術をベースに、複数の選手がパスコースを作って、ボールを回しながら何度も攻め込んでいく。「攻撃は最大の防御」という言葉を体現する戦いぶりで、全勝優勝まであと一歩と迫った。
全勝優勝に待ったをかけるのはO-40、O-50の両カテゴリーを制したシニア界の名門チーム、高麗SC50だ。メンバーの高齢化によってかつてのように圧倒的な強さとはいかないものの、闘志を前面に押し出すプレースタイルは健在。首位のトヨペットシニアとは得失点差で大きく開いているが、この試合で11点差以上をつけて勝利すれば優勝となる。
立ち上がりからトヨペットシニアが小気味良いパスワークで左右に揺さぶり何度もゴールに迫っていく。先制したのは33分、トヨペットシニア。ゴール前でファウルを受けて獲得したペナルティキックを、大田武彦が冷静に決めた。
だが、高麗SC50も食い下がる。51分、フリーキックから李英俊がヘディング。GKが弾いたこぼれ球を水澤則一が押し込んだ。「全勝で優勝を決めたかった」(中野茂監督)というトヨペットシニアは、最後までゴールを狙い続けるが、高麗SC50も体を張って対抗。60分間、休むことなく繰り広げられた熱戦は1-1の引き分けという結果に終わった。
COACH'S INTERVIEW
トヨペットシニア 監督 中野 茂
シュートチャンスはありましたが、なかなか良い形で打たせてもらえませんでした。全勝で優勝を決めたかったので悔しいですね。2013年度は全国大会で優勝することができました。ここ3年ぐらいはディフェンスを中心にチームができています。真ん中のラインがしっかりしているから、全体が流動的に動くことができています。また、私たちは0-40と0-50が一緒に練習しています。お互いに刺激し合うことが、良い効果になっていると思います。
優勝したトヨペットシニア
COACH'S INTERVIEW
高麗サッカークラブ50 監督 成 炳優
今日の試合は全国レベルのゲームだったと思います。お互いにパスをつなぐのがスタイルですが、今日はトヨペットさんのキープ率が高くて何度も崩されました。近年はメンバーが高齢化してきて、今年に関しては怪我人がすごく多くて苦しみました。よく2位になれたな、というが本音ですね。今の平均年齢は57歳ぐらいです。数年後には0-50から0-60カテゴリーに上がることになります。それまでにもう1回タイトルを獲りたでいですね。
2位の高麗サッカークラブ50
【東京都シニアサッカーリーグ(TSL)O-50 カテゴリー1
順位 | チーム名 | 勝点 | 勝ち | 引分 | 負け | 得点 | 失点 | 得失点 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | トヨペットシニア | 25 | 8 | 0 | 1 | 34 | 5 | 29 |
2 | 高麗サッカークラブ50 | 22 | 7 | 1 | 1 | 19 | 10 | 9 |
3 | 渋谷区FCミドル50 | 15 | 4 | 2 | 3 | 11 | 10 | 1 |
4 | セレクシオン・トキオFC | 14 | 4 | 3 | 2 | 11 | 8 | 3 |
5 | EDOMON'S | 13 | 4 | 4 | 1 | 16 | 15 | 1 |
6 | 四十雀クラブ東京50 | 13 | 4 | 4 | 1 | 10 | 16 | -6 |
7 | 東京北区シニアFC50 | 10 | 3 | 5 | 1 | 10 | 10 | 0 |
8 | ミタカイーグルス | 9 | 3 | 6 | 0 | 12 | 15 | -3 |
9 | 新宿FCマエストロス50 | 6 | 1 | 5 | 3 | 8 | 14 | -6 |
10 | Re Born FC | 1 | 0 | 8 | 1 | 7 | 35 | -28 |
TOPICS
全国大会における東京都チームの活躍を紹介します。
優勝:日テレ・メニーナ
- JOCジュニアオリンピックカップ 第17回 全日本女子ユースサッカー選手権大会
- 1月3〜7日、大阪・J-GREEN堺で行なわれた、U-22年代の女子クラブチームナンバーワンを決める同大会。3連覇中の日テレ・メニーナは、決勝でも浦和レッズ・レディースユースを4-0と寄せ付けず大会史上初の4連覇を達成。4試合で46得点1失点という圧倒的な成績を残した。
優勝:東京レキオスBS/第3位:ボンファムBS
- 第8回全国ビーチサッカー大会
- 2013年10月18〜20日の3日間、沖縄県宜野湾市のトロピカルビーチで行なわれた「第8回全国ビーチサッカー大会」。16チームが参加した同大会で、東京から出場した東京レキオスBSが優勝してビーチサッカー日本一に輝く。また、ボンファムBSが第3位入賞を果たした。
準優勝:国士舘大学
- 第62回全日本大学サッカー選手権大会
- 大学日本一を決する「第62回全日本大学サッカー選手権大会」が2013年12月14〜25日に開催。決勝は改築前最後となる国立競技場で行なわれ、関東第4代表の国士舘大学が優勝を目指したが、大阪体育大学に敗れて準優勝。
準優勝:カフリンガボーイズ東久留米/第3位:フォレスト アネックス
- 第10回全日本女子フットサル選手権大会
- 2013年11月2〜4日、北九州市で行なわれた女子フットサルの日本一決定戦「第10回全日本女子フットサル選手権大会」。東京のカフリンガボーイズ東久留米が準優勝、フォレスト アネックスが第3位と健闘を見せた。
準優勝:東京スポーツ・レクリエーション専門学校
- 全国専門学校総合体育大会第23回全国専門学校サッカー選手権大会
- 2013年10月7〜12日、北海道札幌市で開催された専門学校の全国大会で、東京スポーツ・レクリエーション専門学校が決勝に進出。関西代表の履正社医療スポーツ専門学校に敗れ、惜しくも準優勝に終わった。
第3位:三菱養和SC巣鴨ジュニアユース
- 高円宮杯第25回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会
- 大阪・J-GREEN堺で2013年12月22〜28日に行なわれた15歳以下の日本一決定戦「高円宮杯第25回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会」。関東代表として出場した三菱養和SC巣鴨ジュニアユースは準決勝で大宮アルディージャジュニアユースに敗れたが3位入賞を果たした。
第3位: 東京蹴球団
- 第20回全国クラブチームサッカー選手権大会
- 日本サッカー協会に登録されている第1種のクラブチームによる「第20回全国クラブチームサッカー選手権大会」が、2013年11月2〜5日に岐阜県を舞台に開催され、東京・昭島市を拠点に活動する東京蹴球団が3位に入った。