広報誌

Vol.24 2016年3月発行

第21回全日本フットサル選手権大会東京都決勝大会/小金井市総合体育館、葛飾区総合スポーツセンター体育館他2015年10月10日(土)〜11月29日(日) 40分(プレーイングタイム)主 催:(公財)東京都サッカー協会主 管: 全日本フットサル選手権大会東京都大会実施委員会

フットサルの日本一を決める全日本フットサル選手権大会の東京都大会が行われ、激戦の末に東京都代表4チームが決定。関東大会への出場権を獲得した。

「東京」から日本一を目指して

第21回全日本フットサル選手権大会東京都決勝大会 決勝 写真1

 決勝では関東リーグ所属のゾット早稲田フットサルクラブと、東京都1部リーグ所属ながら次々に上位リーグのチームを破ってきたASVペスカドーラ町田アスピランチがぶつかった。試合は勢いに乗る町田アスピランチが6分(永野雅也)、19分(瀬戸真司)、21分(中村充)、25分(相原拳)と4連続ゴールで大量リードを奪う。関東リーグの“最後の砦”となったゾットも2点を返して意地を見せたが、終わってみれば5-2で町田アスピランチが頂点に立った。町田アスピランチの小川亮監督は「苦しい試合の連続だったが、目に見えて成長していった」と選手たちを讃えた。

第21回全日本フットサル選手権大会東京都決勝大会 3位決定戦 写真1

 準決勝で敗れたチーム同士による3位決定戦は、奇しくも東京都府中市で活動するフトゥーロとファイルフォックス府中による“府中ダービー”となった。2分、フトゥーロ・濱野真吾が鮮やかなループシュートを決めるが、ファイルも10秒後に西川智也が決めて1-1とする。だが、そこから試合は一方的なフトゥーロペースに。4分、キックインから小野寺良輔が打ったシュートがファイル選手に当たってオウンゴール、8分には鎌田純平が交代してすぐのファーストタッチで決めて3点目。後半終了間際の39分には楠川慶のゴールで4-1として、府中ダービーを制した。

第21回全日本フットサル選手権大会東京都決勝大会 準決勝 写真1

 1分、ゾットは「相手GKが前に出ていたので」とGK渡邉博之が自陣からロングシュート。これが決まって先制に成功すると、4分にはカウンターから武内新之介、9分に荒木淳が縦パスに抜け出して、立て続けに得点。3点差とした。追い上げたいフトゥーロは15分、島崎了誌のゴールで1点を返す。ゾット2点リードで迎えた後半、フトゥーロは小野寺良輔のパスに元フットサル日本代表のベテラン・渡辺淳一が合わせて1点差とする。それでも、ゾットは28分にセットプレーから小林秀晃が決めて突き放すと、その後も2点を追加してフトゥーロを振り切った。

第21回全日本フットサル選手権大会東京都決勝大会 準決勝 写真2

 史上最多、全日本選手権で4度の優勝を誇る名門・ファイルフォックス府中と、Fリーグに所属するASVペスカドーラ町田の下部組織アスピランチの一戦はお互いに点を取り合う激しいゲームとなった。6分に町田が瀬戸真司のゴールで先制すれば、すぐにファイルも田辺凌が決める。1-1で折り返した後半、町田は25分に瀬戸がこの日2点目。だが、31分、ファイルは監督兼選手の元フットサル日本代表・吉成圭が決めて追いつく。シーソーゲームはフィジカルが落ちなかった町田が33分、34分に2連続得点を決めて勝負あり。“格上”を下して決勝進出を果たした。

関東大会出場チーム

第35回東京都女子リーグ1部/埼玉県・十文字大学グラウンド 2015年12月19日(土) 80分 主 催:東京都女子サッカー連盟

FC十文字VENTUSが全勝優勝

第35回東京都女子リーグ1部 写真1

第35回東京都女子リーグ1部の最終戦が12月19日に行われ、FC十文字VENTUSが日本女子体育大学に勝利し、全勝優勝を決めた。優勝したFC十文字VENTUS は関東女子リーグ2部の参入戦に挑む。

十文字が3-0で最終戦を飾る

第35回東京都女子リーグ1部 写真20-3で敗れた日本女子体育大学だったが、最後までハードワークをしながら、積極的にゴールを目指していた

 東京都女子1部リーグは4月〜8月の前期、9月〜12月までの後期に分かれて行われる。今季、1部リーグを制したのがFC十文字VENTUS(十文字)だった。
 リーグ最終戦となった12月19日は、十文字大学グラウンドで日本女子体育大学(日女体大)と対戦した。序盤からペースを握ったのは十文字。
 3分、ボランチの村上真帆がDFラインの背後に飛び出してシュートを放てば、11分にも村上がミドルシュートからゴールを脅かす。さらに十文字は石川ちひろがスピードを活かした突破で右サイドを何度も切り崩し、チャンスを作る。だが、今回の試合が4年生にとってのラストゲームとなる日女体大も、GKのファインセーブや体を張ったプレーでゴールを許さない。
 均衡が破れたのは35分、右サイドからのコーナーキックを混戦の中で村上がヘディングで合わせた。クロスバーに当たって落下したボールが、ゴールラインを割ったと判定されて、1-0とリードする。
 後半に入っても十文字の攻勢は変わらない。46分、橋本真優がドリブルでゴール前に切れ込んでいくと、左45度の位置から左足でシュート。このシュートがファーサイドのポストの内側に当たって、ゴールネットを揺らした。
 ゲームを締めくくったのはキャプテンの相良理子。後半終了間際のアディショナルタイム、ペナルティエリアの外側でパスを受けると「ボールが良かったので」と迷わずミドルシュートを放つ。これが決まって3-0。ここまでリーグ戦8試合を戦って全勝。前節の時点で優勝を手中に収めていた十文字が最終戦も勝利を飾った。

第35回東京都女子リーグ1部 写真3

十文字が見据えるクラブの未来

 3-0の快勝で全勝優勝を決めたにも関わらず、試合後の十文字の選手たちの表情からは、満足感が伝わってくることはなかった。その理由をキャプテンの相良に聞くと、返ってきたのは「全日本高校女子サッカー選手権が控えているので」というものだった。
 東京都女子リーグ1部に参戦した「FC十文字VENTUS」には、十文字高校サッカー部のAチームの選手たちが登録、出場している。これは十文字が「FC十文字」としてクラブ活動を行っているため。
 2012年5月、十文字高校(全日本高校選手権3位3回、全日本ユース4位2回、全日本選手権ベスト16)、十文字中学校、十文字学園女子大学の3チームに加え、地域女子クラブチームとして「FC十文字VENTUS」という地域女子クラブチームを立ち上げて、日本サッカー協会︵JFA︶へのクラブ申請を完了した。JFAから認可されたクラブは、同クラブ内のチームであれば、移籍手続きなしで出場することができるようになった。
 石山監督はクラブのビジョンを語る。「学校部活動とも連携し、子どもから社会人までの多世代が参加し、サッカーを愛好する人々が初心者からトップレベルまでそれぞれの志向・レベルに合わせて参加できる、裾野の広いフットボールクラブを育成することが私たちの夢です。将来的にはなでしこリーグへの参入も考えています」。
 東京の名門から、日本を代表するクラブへ。十文字の挑戦は続く。

FC十文字VENTUS / DF2 相良理子

FC十文字VENTUS / DF2 相良理子 写真

 全日本高校女子サッカー選手権が控えているので、チームとして「プレスが来ていても、しっかりとつなぐ」ことをテーマにやろうと思っていました。相手がプレスをかけてきたときに、簡単に蹴ってしまう場面が多かったのは反省点です。

順位チーム名勝点得点失点得失
1FC十文字VENTUS2761259
2日本体育大学女子サッカー部サテライトB2226917
3スフィーダ世田谷FC ユース171275
4FC PAF151012-2
5立川フットボールクラブ131534-19
6小平サッカークラブ91333-20
7フィオーレ武蔵野FC81117-6
8日本女子体大学7816-8
9東京女子体育大学サッカー部51225-13
10SOCIOS FC5720-13