広報誌

Vol.22 2015年3月発行

第93回全国高校サッカー選手権大会 東京都Aブロック 決勝/東京都・味の素フィールド西が丘 2014年11月15日

試合を決めた立ち上がりの3分間

第93回全国高校サッカー選手権大会 東京都Aブロック 決勝 写真1都立三鷹(白)のDF傳川祐真が粘り強く相手に食らいつく

都立三鷹が3点リードを守り切る

 試合が動いたのは、キックオフの笛からわずか1分2秒のこと。都立三鷹・河内健哉がフリーキックのこぼれ球を蹴り込んだ。その1分後にはゴール前の混戦状態からボランチの堀田将弘が、GKが飛び出してがら空きになったゴールへ落ち着いてシュート。あっという間にリードを2点に広げる。
 2点リードされた堀越は気持ちを切り替えて攻撃を仕掛けていくものの、都立三鷹のDFラインがしっかりとブロックを作って跳ね返していく。すると31分、堀越の縦パスをカットした都立三鷹DF安田航がボールを持ち上がってミドルシュートを放つ。これがゴールネットに吸い込まれ、決定的な3点目。3-0という大差がついて前半の40分を折り返した。
 堀越に待望のゴールが生まれたのは50分のこと。DFラインの背後に送ったボールを、新井真汰が胸で落とすと、途中出場の1年生・小磯雄大が強烈なシュートをゴール右隅に突き刺した。
 後半は堀越がボールを支配し、何度もゴールチャンスを作り出す。だが、都立三鷹はGKとDFラインを中心とした粘り強いディフェンスで追加点を許さない。前半のリードを守り切った都立三鷹が3-1で勝利して、全国の舞台への切符をつかみとった。
 「今日はワンチャンスをモノにしてくれて、神懸かり的なところもあったと思う」と都立三鷹を率いる佐々木雅規監督が笑顔を見せたように、立ち上がりの2ゴールが最大の勝因となった。一方、敗れた堀越の佐藤実監督は「早い段階に2失点してしまって、ちょっと浮き足立ってしまった」と試合の入り方を悔やんだ。
 1カ月半後の全国大会で都立三鷹は駒沢陸上競技場で行われた開幕戦に登場。優勝候補筆頭の東福岡にも持ち味の粘り強いプレーで対抗したものの、0-2で敗れて勝利を挙げることはできなかった

第93回全国高校サッカー選手権大会 東京都Aブロック 決勝

第93回全国高校サッカー選手権大会 東京都Bブロック 決勝/東京都・味の素フィールド西が丘 2014年11月15日

國學院久我山が2年連続全国へ

第93回全国高校サッカー選手権大会 東京都Bブロック 決勝 写真17分に先制点を決めた國學院久我山(白)のMF鈴木遥太郎

注目のカードを制した國學院久我山の〝堅守〞

 Bブロックの決勝は2年連続の全国出場がかかる國學院久我山と、T1リーグを優勝した実践学園という注目のカードとなった。
 先制ゴールは7分、國學院久我山。右サイドバックの鴻巣良真がドリブルで中に切れ込んでスルーパスを出すと、DFラインの背後に飛び出した鈴木遥太郎がワンタッチでシュート。DFの攻撃参加とボランチの飛び出しという「良い形」(李済華監督)から1点をリードする。
 ビハインドを背負った実践学園だったが、チームの強みである連動したパス回しから、相手ゴールへ幾度となくボールを運んでいった。だが「久我山のディフェンスが堅かった」(野口幸司コーチ)というように、ゴールネットを揺らすまでには至らず。
 後半、國學院久我山が2点目を決める。右サイドからドリブルで切れ込んだ飯原健斗が左足でシュートを放つと、美しい放物線を描いてゴールイン。実践学院の猛攻を凌いだ國學院久我山が2-0で勝利して、2年連続の全国大会出場を果たした。
 國學院久我山サッカー部のスローガンは「美しく勝て」だ。しかし、準決勝、決勝では攻め込まれる時間のほうが長かった。李監督は「DFラインに良い選手がいるので、堅く守って、少ないチャンスを決める戦い方に自然となっていった。今年のチームそのままのようなゲームだったと思う」と決勝を振り返った。
 試合後、実践学園の野口コーチは目を真っ赤にしながら「よく成長してくれた。感謝しかありません。今年の彼らの努力が出たと思います」と堂々と戦った選手たちを称えた。
 國學院久我山は1回戦で沖縄県代表の前原に1-0、2回戦では宮崎県代表の日章学園にPK勝ちでベスト8進出。準々決勝で京都府代表の京都橘にPK戦の末に敗れたものの、今年のチームの持ち味である堅守を全国の舞台でも十分にアピールした。

第93回全国高校サッカー選手権大会 東京都Bブロック 決勝

PUMA CUP 2015 第20回全日本フットサル選手権大会 東京都大会/東京都・小金井市総合体育館 2014年11月24日(40分・延長10分・PK戦)

関東大会の切符をかけた熱き戦い

PUMA CUP 2015 第20回全日本フットサル選手権大会 東京都大会 写真1

最後の1枠はリガーレ東京がつかむ

 フットサルの日本一を決める「PUMA CUP2015 第20回全日本フットサル選手権大会」の東京都大会が開催された。この大会で3位以内に入ったチームは関東大会に出場できる。11月24日、東京都・小金井市総合体育館では準決勝に勝ち上がった4チームによる〝絶対に負けられない戦い〞が繰り広げられた。
 準決勝の第1試合では〝下克上〞が起こった。東京都1部リーグのASVペスカドーラ町田アスピランチが、関東1部リーグのリガーレ東京に5-2で勝利したのだ。
 「関東の相手に自信を持ってやれていた」と岡山孝介監督が振り返れば、キャプテンの服部慎悟「自分たちは走るチーム。がむしゃらに戦えたのが勝因だと思う」と胸を張った。
 準決勝の第2試合ではフウガドールすみだバッファローズ(東京都2部リーグ)が小金井ジュール(東京都1部リーグ)との点の取り合いを制し、初の関東大会出場を決めた。
 勝利の立役者となったのが2ゴールを決めた神尾佳祐だ。コーチ役も務めるベテランFPは「勝負を決めるのはちょっとしたところ。決勝点もキックインを素早くリスタートして一瞬の隙を突けた」と笑顔を見せた。
 3位決定戦に先駆けて行われた決勝は町田アスピランチvsすみだバッファローズというFリーグの下部組織対決となった。すみだバッファローズが柳澤里木のゴールで先制するが、町田アスピランチも武藤大樹の強烈なシュートで追いつく。両者譲らず勝負の行方はPK戦にもつれ込んだ。PK戦を2-1で勝利したのは、すみだバッファローズ。東京都2部リーグでプレーするチームが激戦区・東京の頂点に立った。
 最後の出場枠をかけた3位決定戦に回ったのはリガーレ東京と小金井ジュール。試合はいきなり動く。開始から1分30秒、リガーレは右サイドから中に切れ込んだ碓井孝一郎のパスをゴール前で松浦英が詰めて先制する。しかし、ジュールは10分、稲葉友祐が決めて1-1に。その後はリガーレがボールを回して何度もチャンスを作るが、ジュールGKの好セーブもあって決めることができない。
 後半はお互いにゴールが決まらずに重苦しい展開となったが、この状況を打開したのはリガーレだった。1点目の起点となった碓井が右サイドのキックインから中央へパス。そこに走り込んだ永谷知里が右足を振り抜くと、豪快にゴールに突き刺さった。最後はジュールが猛反撃を見せたが、リガーレが体を張って守り切り、最後の1枠を勝ち取った。リガーレのキャプテン・松浦英は感極まった表情で語った。
 「昨年も準決勝まで勝ち上がったけど、3位以内に入れなくて、本当に悔しかった。今年は同じ思いをしないようにみんなで頑張ってきた。関東大会は1発勝負。自分たちより格上のチームもあるけど、下克上を狙って、全国大会に行きたい」

PUMA CUP 2015 第20回全日本フットサル選手権大会 東京都大会Fリーグ下部組織対決を制したフウガドールすみだバッファローズ

大会結果
優 勝フウガドールすみだバッファローズ
準優勝ASVペスカドーラ町田アスピランチ
第3位リガーレ東京
第4位小金井ジュール