広報誌
Vol.21 2014年9月発行
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第8回区市町サッカー選手権大会 決勝-/東京都・北区赤羽スポーツの森公園競技場 2014年8月10日
赤羽FCが「死闘」 を制する
東京ナンバーワンに輝いた北区代表の赤羽FC
延長でも決まらずPK戦の末に決着
北区赤羽の森スポーツ公園競技場で開催された「第8回区市町サッカー選手権大会」の決勝は、"死闘"と呼ぶのにふさわしい試合となった。
優勝の瞬間、ピッチに歓喜の輪ができた
決勝のカードは調布市代表の調布ラジェミアFCと北区代表の赤羽FC。調布ラジェミアFCは調布市の社会人チームの中から選抜された選手で構成され、この大会では上位の常連となっている。一方の赤羽FCは北区のチームによる代表決定トーナメントで勝ち上がり、初出場でここまで勝ち上がってきた。
前半は個々の技術で上回る調布ラジェミアFCが一方的に押し込む展開となった。攻撃の起点となったのは10番の岩見裕介だ。Fリーグのステラミーゴいわて花巻で活躍した経験を持つレフティは、広い視野と正確なキックを活かして効果的にボールを配球。立ち上がりから決定的なチャンスを迎えた。
だが、「前半はボールを持って支配できたし、1対1になったチャンスもあったけど、そこで決められなかった」と岩見が悔やんだように、自分たちの時間帯でゴールを挙げることができない。赤羽FCにとって防戦一方になることは予想通りだったという。「前半にどれだけ耐えられるかだと話していました。0点に抑えて後半に点をとるのがゲームプランでした」(鈴木隆之監督)。
激しく天気が変わる中での試合となった
その言葉通り、赤羽FCは後半になると前半とは打って変わって積極的なプレーを見せる。高い位置からプレスをかけて、ボールを奪ったら素早く前に運んでいく。だが、調布ラジェミアFCのGK太田亮のファインセーブもあってゴールは決まらない。後半になると調布ラジェ東京都・北区赤羽スポーツの森公園競技場 2014年8月10日赤羽FCが「死闘」 を制する第8回区市町サッカー選手権大会 決勝ミアFCはエースの岩見にボールを集めて、ドリブルからのシュートを狙っていく。だが、赤羽FCの必死のディフェンスに阻まれてしまう。
70分を戦って0-0だった試合は、延長戦へ突入するが、ここでもゴールは生まれず。東京ナンバーワンをかけた決勝の行方はPK戦に委ねられることになった。PK戦では6人目まで全員成功するという珍しい展開に。そして7人目、先行の調布ラジェミアFCのキッカー岩見徹が失敗したのに対し、後攻の赤羽FCは豊島雄太が成功。お互いが限界まで戦った試合に終止符が打たれた。
勝利の瞬間、赤羽FCの選手たちはピッチ上で喜びを爆発させた。東京の各区市町リーグに参加するチームの頂点を決める大会で、初出場・初優勝を達成したことは快挙といっていい。鈴木監督は「本当は70分間で決めたかった」と苦笑いしながらも、「北区リーグで年間を通して安定した戦いができたことが、この結果につながった」と優勝の要因を語った。
平成26年度全国高等学校総合体育大会サッカー競技女子/東京都・駒沢オリンピック公園総合運動場他 2014年8月2〜6日(70分・35分ハーフ)
地元開催で優勝ならず
3連覇を達成した兵庫県の日ノ本学園高校
高校生たちの〝真夏の戦い
「平成26年度全国総合体育大会」のサッカー競技(女子)が東京都で開催された。東京からは十文字高校と都立飛鳥高校が出場した。
都立飛鳥の1回戦の相手は2連覇中の"王者"日ノ本学園。実は、都立飛鳥は1月に行われた全日本高校女子サッカー選手大会の2回戦で、日ノ本学園に0-10というスコアで敗れている。実力的には明らかに格上だったが、金澤真吾監督は「高い位置からプレスをかけよう」と果敢に立ち向かうことを選択する。2分には村岡真実がフリーキックから、7分には尾崎緋菜のクロスをゴール前で沼田咲がヘディングで合わせて、日ノ本学園を慌てさせた。前半はスコアレスで終えて、後半に望みをつなぐ。
十文字高校は2回戦で湘南学院高校に敗れた
都立飛鳥にピンチが訪れたのは後半の立ち上がりの36分。開始早々にペナルティエリア内でファウルをしてしまい、PKを与えてしまったのだ。しかし、日ノ本学園の池尻茉由が放ったシュートをGK松尾知律が完全に読み切ってストップ。これで流れを引き寄せるかと思われたが、金澤監督が「PKを止めて、これで行けるかなと思ったところでやられた」というように、PKストップから2分後、ロングボールで裏を取られて失点してしまう。都立飛鳥は最後まで全力を出したものの、日ノ本学園ゴールを破ることはできず、惜しくも1回戦敗退となった。
十文字高校は1回戦で強豪・神村学園高校に2-1で競り勝って2回戦へ駒を進めた。今大会の十文字はスタメン11人中7人が1年生。2年生が1人もいないという特徴的なメンバー編成で臨んだ。「2年生に何人か怪我人が出たので」と石山隆之監督は説明するが、1回戦では源間葉月、村上真帆と1年生2人がゴールを挙げるなど大活躍。3年生のキャプテン熊谷汐華も「1年生が伸びている」とチームに自信を見せた。
都立飛鳥高校は昨年の優勝校に果敢に戦った
しかし、2回戦の湘南学院高校戦では思わぬ落とし穴が待っていた。前半からボールを支配し、ゲームを優位に運んでいたにも関わらず、前半23分にコーナーキックから先制点を決められると、その5分後には中盤でボールを奪われてカウンターから2失点目。前半だけで2点のビハインドを背負ってしまったのだ。
後半、石山監督は2人を同時に交代させて反撃に出る。ようやくゴールが決まったのは、試合終了まで残り10分となった60分。エースの佐藤美月が右寄りの位置から放ったシュートがゴールネットを揺らした。その後も十文字高校は何度もチャンスを作り出す。だが67分、海老沢桃子のシュートは無情にもポストに嫌われてしまう。「後半の1点があと5分でも早ければ……。トーナメントは1発勝負。これがサッカーです」。石山監督は肩を落とした。それでも、「1年生がすごく頑張ってくれた。彼女たちの成長がますます楽しみになった」と気持ちを切り替えていた。
最終順位 | |
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優 勝 | 日ノ本学園高校(兵庫県) |
準優勝 | 京都精華女子高校(京都府) |
第3位 | 作陽高校(岡山県) |
湘南学院高校(神奈川県) |
8月3日、駒沢オリンピック公園総合運動場で行われた2回戦・日ノ本学園高校と藤枝順心学園高校の試合を皇太子ご一家が観戦された。
皇太子さま、雅子さまのご夫妻そろっての高校総体観戦は12年ぶりのことで、 長女の愛子さまがご観戦されたのは初めて。
皇太子ご一家は大会関係者に笑顔で挨拶され、観客席から真剣な表情で高校年代のトップレベルの試合を見守った。
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