試合レポート

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第46回関東社会人サッカー大会
埼玉県・東松山サッカー場 2012年11月10日
青梅フットボールクラブ 3-2 フットボールクラブ真岡21

エース岩田の3発で鬼門の初戦を突破!

関東社会人サッカー大会は、関東8都県の社会人リーグ優勝チームなど全16チームが関東リーグ入りを争うトーナメント大会だ。今年度は埼玉県で開催され、東京都からは青梅フットボールクラブ、早稲田ユナイテッド、三菱商事サッカー同好会の3チームが出場した。

東京都社会人1部リーグ1位の青梅FCは、フットボールクラブ真岡21との初戦に臨んだ。「相手の蹴るサッカーに最初は慣れなかった」とキャプテンの福井佑太が語ったように、青梅FCはロングボールを放り込んでくる相手の前に、本来のつなぐサッカーをさせてもらえず苦しんだ。

13分、ロングボールにDF福田寛が懸命に足を伸ばすが届かず、裏に飛び出した高橋正稔にループシュートを決められ、先制されてしまう。「ボールを支配しながらも先に失点してしまうのは、リーグ戦から通してのウチの悪い癖。そこが出てしまった」(北原由監督)。


国体選抜メンバーでもあるFW岩田朗が3得点

それでも16分、ペナルティーエリア内をドリブルで仕掛けた平松翔が倒されて得たPKを、エースの岩田朗が決める。試合が振り出しに戻ったのも束の間、23分には再び失点。真岡21の中川孝に一瞬の隙を突かれてリードを奪われてしまった。

チームのピンチを救ったのは、またしても岩田だった。「後ろの状況が見えていなかったんですけど、相手の逆を突けた」(岩田)。40分、左サイドから強引に突破した吉田幸史のパスを受けた岩田が、振り向き様に中に切れ込み1人をかわすと、2人目のDFも股抜きでかわしてシュート。鮮やかに2人を抜き去った岩田のファインゴールによって、同点に追いついて前半を終えた。

ハーフタイム、北原監督から「我慢してやるしかない。初戦から良い試合はできない」と声をかけられた青梅FCの選手たちは、気持ちを切り替えて臨んだ。

66分、左サイドに流れたボランチの坂本隆が中央へ鋭いパスを送る。このパスを岩田がワンタッチでDFをかわして、そのままシュートを放つ。「自分の得意なフェイントがうまくはまったので、シュートも落ち着いて打てた」。これがゴールネットを揺らし、青梅FCがついに勝ち越した。


東京都1部リーグ1位の青梅フットボールクラブ

後半、青梅FCはチーム全体で素早くプレスをかけて相手を封じ込め、安定した試合運びを見せた。3-2のままでタイムアップ。エース岩田のハットトリックで1回戦を突破した。

「とりあえずよかったなということです。今日はもうちょっと楽な試合になるかなと思っていたんですが……。やっぱり関東はそういう訳にはいかないなと」。福井の言葉を裏付けるように、東京都代表の早稲田ユナイテッド、三菱商事サッカー同好会と東京のチームが初戦敗退してしまった。

青梅FCは2回戦、茨城県1位の鹿島さわやかに4-3で勝利したが、準決勝の埼玉1位・坂戸シティーとの対決は岩田のゴールで先制するも、逆転されて1-2で惜しくも敗退。関東リーグ昇格という目標を果たすことはできなかった。それでも関東リーグ昇格がなくなった中で戦った3位決定戦では、埼玉3位のアルドール狭山相手に2-1で競り勝ち、見事3位入賞を果たした。



INTERVIEW

青梅フットボールクラブ
MF 7 福井佑太

ここにきてウチのチームのコンディションが上がり切っていなかったのが苦戦の要因かなと思います。あとは、グラウンド状態と風の影響でバランスを崩してしまうところがあった。

ただ、今年で一番ぐらいの強い気持ちを持っていたので、コンディションの悪さを気持ちでカバーできたのが今日の試合だったと思います。

青梅フットボールクラブ
監督 北原由

まずは勝てたことにホッとしています。攻守の切り替えや、中盤での失い方が悪いので、相手にスペースを与えてしまう課題がなかなか改善できなかった。もう2、3点取られてもおかしくなかったと思います。攻撃面ではもっと裏を突いていきたかったが、岩田頼みになってしまった。2回戦以降はもっと良くなると思う。





第31回東京都専門学校秋季サッカー大会 1部 決勝
東京都・駒沢補助競技場 2012年10月23日
東京YMCA社会体育・保育専門学校 5-5(PK5-3) 日本ウェルネススポーツ専門学校

“乱打戦”を制してYMCAが7年ぶりV

「全国大会に出られないので、有終の美を飾ろうと話していたので、本当にうれしい」

東京YMCA社会体育・保育専門学校の大石祥寛監督は激闘の興奮が冷めやらぬ表情で優勝の喜びを語った。日本ウェルネススポーツ専門学校と東京YMCAによる決勝は、40分ハーフの前後半で5-5という激しい打ち合いになった。

先手を取ったのは日本ウェルネスだ。専門学校サッカー界において、長らく絶対王者として君臨してきた赤の軍団は、前半で試合を決めようと猛攻撃を仕掛けていく。


優勝の東京YMCA社会体育・保育専門学校

すると15分、堤貴博がペナルティーエリア内で倒されPKを獲得し、キャプテンの北口清司が落ち着いて決めた。さらに2分後にはFW川口雄太が左からのクロスをうまく合わせて2点目、21分にはスルーパスからFW山﨑凌がゴールネットを揺らして3点目を入れた。

3-0---。もはや、勝敗は決したかと思われた。しかし、東京YMCAはあきらめてはいなかった。

「全国大会の東京都予選で同じように0-3になって、そのときは気持ちが落ちてやられてしまった。もう1回みんなで気持ちを入れ直そうと話しました」(伊藤講平)

東京YMCAの気持ちを支えていたのは、予選リーグで日本ウェルネスに勝利したことによる自信だった。3点差から立ち上がった東京YMCAは28分に野本侑輝、37分に西尾和也と連続ゴールで1点差まで詰め寄る。


準優勝の日本ウェルネススポーツ専門学校

「今年のチームはスタミナがないので、リードしていても追いつかれることが多い」という日本ウェルネス・佐々木善監督の言葉は現実になってしまう。後半、一度は同点にされながら勝ち越したが、試合終了間際に東京YMCAの坂本に3点目を決められ4-4。日本ウェルネスは3点差のリードを守り切ることができなかった。延長戦では両者が1点ずつを取り合い、勝負の行方はPK戦に持ち込まれた。

PK戦では日本ウェルネスの1人目が失敗したのに対して、東京YMCAは5人全員が成功。3点差というピンチを乗り越え、東京YMCAが勝利をもぎ取った。春の大会では日本工学院八王子専門学校が優勝し、秋の大会で東京YMCAが優勝。日本ウェルネスの1強状態だった専門学校サッカーが新たな時代を迎えていることを感じさせる結果となった。




INTERVIEW

東京YMCA社会体育・保育専門学校
GK 1 伊藤講平

本当にうれしいですね。専門学校で優勝したのは初めてなので、ちょっと感極まってしまいました。0-3になったときは、正直厳しいなとは思いましたけど、「もう1回気持ちを入れ直そう」と全員が一つになることができた。ウェルネスには予選リーグで勝っていたので、それも僕たちにとっては大きな支えになりました。


INTERVIEW

日本ウェルネススポーツ専門学校
DF 4 北口清司

立ち上がりでポンポンと入ったとき、チーム内に「勝てる」という油断が出て来てしまったのが敗因だと思います。今年のチームの課題はスタミナがないこと。体力が落ちていくと、集中力が切れてしまって、やられてしまうという傾向があったのですが改善できなかったのが悔しいです。まだ全国大会もあるので頑張りたい。



COLUMN

専門学校サッカーの“今”

秋季大会は1部が8チーム、2部が11チームの合計19チームで行いました。少子化の影響もあって参加チーム数は近年横ばい状態にあるのが現状です。

専門学校は2年単位のところが多いので、勢力図は短いスパンで変わっていきます。今大会の結果からもわかるように、学校間の実力差は拮抗しており、いわば“戦国時代”に突入しているといえるでしょう。

どこにでも優勝のチャンスが出てきた分、各チームのモチベーションはこれまで以上に高まることが予想されます。各チームには高いところに目標を置いて、優勝を目指してチーム作りに励んでもらいたいと思っています。

(東京都専門学校サッカー連盟 事務局長 安村 道照)





第12回東京都秋期シニアサッカー選手権大会 O-40 決勝
東京都・舎人公園陸上競技場 2012年12月9日
渋谷区FCミドル40 2-1 東京ベイFC

渋谷区FCが初優勝!強豪・東京ベイを下す

12月9日、東京都秋期シニアサッカー選手権大会のO-40(40歳以上)の決勝が舎人競技場で行われた。12チームが出場した今大会。決勝に勝ち上がったのは、渋谷区FCミドル40と東京ベイFCだった。


悲願の優勝を果たした渋谷区FCミドル40

渋谷区FCミドル40は渋谷区で活動しており、今回が初めての決勝トーナメント進出となった。準決勝で「これまで一度も勝ったことがなかった」(山崎義幸)、強豪・東京北区シニアFC40を1-1のPK戦の末に下して、勢いに乗っている。

東京ベイFCは東京都大田区などを中心に活動しているクラブチームのシニアカテゴリーとして3年前に設立された。「強くてうまくてフェアなチーム」をモットーに掲げており、シニアの日本一を決める日本マスターズ東京予選会で2連覇を果たしている。

先制したのは24分、押され気味だった東京ベイFCだった。ペナルティーエリア内に侵入したボランチの芦澤敏之が、ゴール左隅に落ち着いてシュートを流し込んだ。25分ハーフの前半終了間際、良い時間でゴールが生まれた。


年齢を感じさせないプレーが繰り広げられた

だが、「初めから、『1点取られても落ち着いてやろう』と話していた」(山崎)という渋谷区FCミドル40はあわてなかった。失点からわずか1分後、右サイドのスペースを突いて、最後は簔口浩明がゴールネットを揺らし、瞬く間に同点に追いついた。

1-1の同点で折り返した後半は、東京ベイFCが主導権を握った。「Jリーグ開幕前の日本サッカーリーグでプレーしていたメンバーでやっている」(大貫啓一)という言葉通り、しっかりとボールをつなぐサッカーからは確かな技術が感じられた。

一方、「ウチは上手じゃない選手の集まり」(山崎)という渋谷区FCミドルは、一人一人が身体を張ったプレーで対抗。球際で激しく身体をぶつけるなど東京ベイFCに決定的なチャンスを作らせない。

1-1のまま迎えた後半のアディショナルタイム、スーパーゴールが生まれる。渋谷区FCミドル40の熊倉豊がゴールまで30メートルのところからイチかバチかのロングシュート。これがGKの頭上を越えてゴールに吸い込まれ、渋谷区FCミドル40に初優勝をもたらした。

「本当にうれしいです。最後まで自分たちらしい粘り強いサッカーができました」

タイムアップの瞬間、優勝の喜びを全身で表した渋谷区FCミドル40の姿はサッカー少年そのものだった。







・TOPICS

全国大会における東京都チームの活躍を紹介します。

FC KOREAが初の日本一

第48回全国社会人サッカー選手権大会

2012年10月12日〜17日に行われた「第48回全国社会人サッカー選手権大会」。味の素スタジアムで行われた決勝戦には関東代表のFC KOREAが勝ち上がり、延長戦の末に福島ユナイテッドFCを下して、初の日本一に輝いた。


早稲田大学が5年ぶり12回目V

第61回全日本大学サッカー選手権大会

大学生の日本一を決める“インカレ”こと「全日本大学サッカー選手権大会」。2012年12月19日から2013年1月6日まで行われた同大会で、関東代表の早稲田大学は福岡大学との決勝戦に3-1で競り勝ち、5年ぶり12回目の頂点に立った。


東京ヴェルディユースが無敗優勝

高円宮杯U-18サッカーリーグ プレミアリーグ EAST

全国の高校生年代の強豪チームが東西に分かれて行われる通年のリーグ戦「高円宮杯U-18サッカーリーグ プレミアリーグ」。イーストリーグでは東京ヴェルディユースが18試合のリーグ戦を14勝4分で乗り切り、無敗優勝を達成した。


日テレ・メニーナがユース日本一

JOCジュニアオリンピックカップ第16回全日本女子ユースサッカー選手権大会

1月4日から7日までJグリーン堺で開催された同大会。日テレ・ベレーザの下部組織、日テレ・メニーナは決勝戦でジェフユナイテッド市原・千葉レディースU-18と激突。前後半に2点ずつを入れ4-1で快勝して見事日本一になった。


ファンFCレディースが女王に輝く

JOCジュニアオリンピックカップ第16回全日本女子ユースサッカー選手権大会

福岡県・北九州市立総合体育館で開催された「第9回全日本女子フットサル選手権大会」。最多優勝回数を誇る関東代表のファンFCレディースコムヴィークスは、決勝戦でバルドラール浦安ラス・ボニータスを4-2で下し、3年ぶり6回目の優勝を果たした。


東京アルテミスSCが日本一

第24回全国レディースサッカー大会

30歳以上の女子選手によって構成されたチームによって争われる全国大会「全国レディースサッカー大会」。第24回大会で優勝した東京アルテミスSCは、1次リーグを1位で通過すると、準決勝、決勝を1-0で競り勝って頂点に立った。


FCビクトリー青梅がV

第24回全国レディースサッカー大会〈レディース・エイト(40歳以上)オープン大会〉

J-STEPで開催された40歳以上の女性による「全国レディースサッカー大会」。8人制サッカーのルールで行われた同大会では、関東代表のFCビクトリー青梅が後半に2点を決めてLFC TOYOTAを下して優勝を飾った。

 


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