試合レポート

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第67回国民体育大会 関東ブロック大会


埼玉との激戦を制して本大会出場を決めた少年男子


成年男子と女子は本大会に勝ち上がることができず





 成年男子 東京都・駒沢陸上競技場、駒沢補助競技場 2012年8月18・19日
 3年ぶりに本大会出場を逃す
 

「PKの場面に関して、何を言っても判定は変わりません。それよりも点を取れなかったところが勝てなかった原因です」

漆間信吾監督は悔しそうな表情を浮かべて語った。

成年男子カテゴリーは8チームの中から2チームしか出場できない狭き門だ。本大会に進むには、2試合を勝たなければならない。東京は初戦で山梨に3-2で競り勝ち、栃木との代表決定戦に臨んだ。

0-0で迎えた後半、東京に立て続けにチャンスが訪れた。53分、左サイドの小島暢明からのクロスをゴール前で朴世訓が左足でボレーシュート。その2分後には、DFラインの裏に飛び出した山下真太郎が素晴らしいコントロールからシュートを放ったが、どちらもGKの攻守に阻まれた。


最後の最後までゴールを目指したが……

サッカーでは、決定的なチャンスを外した後はピンチが訪れることが多い。すると63分、自陣ペナルティエリア内で栃木の選手を止めようとしたプレーがPKを与えてしまう。この1点が決勝点となって、成年男子は3年ぶりに本大会出場を逃した。

「来年の『スポーツ際東京2013(東京国体)』につなげるためにも何としても本大会に連れて行きたかったですが……。この敗戦をしっかりと分析して、来年につなげていきたい」(漆間監督)


 
 interview

FW 山下真太郎

個人的には3年ぶりの国体選抜です。前回出たときは本大会に行けなかったので、リベンジの気持ちがありました。後半のチャンスの場面はトラップからシュートまで狙い通りだったんですけど……あそこを決めるのが自分の役割なので、それができなくて責任を感じています。



 女子 東京都・味の素フィールド西が丘、赤羽スポーツの森公園競技場
2012年8月18・19日
 本来のサッカーをさせてもらえず
 


平均年齢20歳と若いチームで臨んだ。

3年ぶりの本大会出場を目指す女子は、中野進治監督が新たに就任し、「ボールを大事にするサッカー」をコンセプトに、4月からチームを作ってきた。国体5年目となるキャプテンの田中麻里菜が「チームの雰囲気は今まで一番良い」というように、上々の仕上がりで関東大会に臨んだ。

初戦の埼玉戦では3-0で勝利、千葉との代表決定戦に勝ち上がったが、「相手のレベルがワンランク上がって、プレッシャーも速かったので、焦って縦に急ぎ過ぎてしまっていた」(田中麻里菜)というように、本来のサッカーをさせてもらえない。

「前半は向こうのディフェンスに苦しめられたので、ハーフタイムには『怖がらずにやろう』と話した。後半はウチのリズムになってきたけど、点が取れなかった」(中野監督)。

炎天下の中での試合は両チームともに70分で得点が生まれず、延長戦に突入。73分、東京は右サイド・千葉望愛からのクロスに山本摩也が合わせるビッグチャンスを迎えたが決められない。すると延長後半、1本のロングパスから千葉FWに抜け出され、痛恨の失点を喫してしまう。0-1で敗れて、本大会出場という目標は叶わなかった。

“本番”となる1年後の「スポーツ祭東京2013(東京国体)」に向けて、どれだけチーム力を高められるか期待したい。


 
 interview

DF 田中麻里菜

本大会に行って来年の東京国体のシミュレーションをしたかったですし、今回は「本大会に行きたい」という気持ちをみんなが持っていて、バックアップのメンバーも含めて一つにまとまっていた。それだけに悔しいです。相手は単独チームで来ることもあるので、コンビネーション面をもっと上げていくことが課題です。



 少年男子 東京都・夢の島競技場、駒沢第二球技場 2012年8月18・19日
 3年連続で本大会出場を果たす
 

「ベンチはハラハラでしたけど、8点も入ったので、見ている人は面白かったんじゃないですか」

秋庭武彦監督が苦笑交じりに語ったコメント通り、本大会出場をかけて戦った東京と埼玉の試合は稀に見る壮絶な打ち合いとなった。


自慢の攻撃力で打ち合いを制した

前半からサイド攻撃やセットプレーから何度もチャンスを作り出した東京の先制点は15分、相馬勇紀のコーナーキックを下田悠哉がヘディングで突き刺した。

1度は追いつかれたものの、東京は59分、ディサロ燦シルヴァーノのゴールで勝ち越し。だが、試合終了間際にまたしても埼玉に追いつかれ、勝負の行方は延長戦へともつれ込む。

「勝てると思っていた中で追いつかれて、そこからどれぐらい切り替えてやれるのかがポイントだと思っていた」(秋庭監督)

東京が“底力”を見せたのは2-3とされた延長後半からのこと。84分、 ジョーカー的存在の直江健太郎のゴールで3-3の同点とすると、その2分後にはキャプテンの平野佑一がフリーキックの場面で「相手は退場者が出て9人になっていたので壁が詰まり切っていなかった」ところを見事なコントロールで通し4-3。

スイッチが入った東京の勢いは止まらない。最後は直江がこの日2点目のゴールを決めて、激闘を締めくくった。

 


 
 interview

MF 平野佑一

埼玉のメンバーが以前U-16リーグで対戦したときからガラリと変わっていたので、どういう戦い方をしてくるのか不安だったけど、自分たちの力をしっかり出せば勝てると思っていました。フリーキックのところは自分のプレーで何とかしたかったので、決めることができて良かった。





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