試合レポート

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Tリーグ(U-18) T1・T2入替戦
東京都・東京朝鮮中高級学校 2012年12月27日
東海大学付属高輪台高校 1-0 早稲田実業高校


決勝点を挙げた東海大学付属高輪台高校の伊藤竜之介(右)

東海大学付属高輪台高校が入れ替え戦を制する

2013年度のT1リーグ枠を争うT1・T2リーグ入替戦が2012年12月27日、東京朝鮮中高級学校グラウンドで行われた。

T1リーグ8位とT2リーグ総合3位による試合は、序盤から白のユニフォーム、東海大付属高輪台のペースで進む。前線の選手がポジションチェンジを繰り返し、次々とチャンスを作りゴールへと迫っていった。

12分には、ペナルティーエリア内で荒川真作が倒されPKのチャンスを得る。だが、これを荒川が自ら蹴るが枠を外してしまい、先制することができない。

試合が動いたのは63分のこと。豊富な運動量で攻撃の起点になっていた東海大付属高輪台・荒川の浮き球のパスに反応し、DFラインの背後に抜け出した伊藤竜之介が、飛び出してきたGKの頭上を越す鮮やかなループシュートを決めて先制する。

1点を追いかける早稲田実業はキープ力のある野田絋暉にボールを集めて反撃に転じる。シュートまでつながりゴールを狙うも、あと一歩のところで点に結びつけることができずタイムアップ。この結果、東海大付属高輪台のT1昇格と、早稲田実業のT2降格が決まった。

T1昇格を果たした東海大付属高輪台・川島純一監督は「入替戦は今回で3回目だったので、3度目の正直で決められて本当に良かった。1部でもウチのスタイルで攻め続けたい」と語った。






関東ユース(U-15)リーグ参入戦
埼玉県・熊谷スポーツ文化公園 2012年12月8日・9日
ワセダクラブ フォルツァ'02 1-0 エスペランサジュニアユース


参入戦を勝ち抜いたフォルツァ'02は悲願の関東リーグ昇格をつかんだ

綿密なスカウティングで5年越しの関東昇格

12月8、9日、関東ユース(U-15)リーグ参入戦が行われ、東京からは関東チャレンジリーグを勝ち上がったワセダクラブ フォルツァ'02が出場した。フォルツァ'02は5年前にも参入戦に進んだものの、そのときは涙を呑んでいる。

「今年こそはという思いはありました。前回は1回戦で相手の特徴がわからないままやられてしまったので、同じことを繰り返さないよう、今回は参入戦が決まった時点で山梨県まで見に行ってスカウティングをして臨みました」(鈴木泰徳コーチ)。

1回戦の相手は山梨県のフォルトナSC。ここで負ければ1年間積み上げてきたものが水の泡になる――。そんな緊張感の中で臨んだ初戦を1-0で勝利。あと1回勝てば関東昇格というところまでこぎつけた。

「1回戦の試合は午前中で終わるので、他のチームは解散したんですが、私たちは東伏見のグラウンドに戻って(2回戦で当たる)神奈川のチームのビデオを全員で見て、戦術練習を3時間ぐらいやりました」

スカウティングの結果、2回戦の対戦相手・エスペランサジュニアユースは、高い個人技を持ち、縦に早いチームだということがわかった。「熱くなってラフプレーをする場面も見られたので、『相手の挑発に乗らないようにしよう』という話もしました」

フタを開けてみれば試合は予想通りの展開となった。フォルツァ'02が前半に先制すると、焦りから熱くなったエスペランサが前半のうちに退場者を出したのだ。1人少なくなったエスペランサに対し、フォルツァ'02、チーム一丸となって最後まで冷静に戦い、勝利を収めた。

見事、参入戦を勝ち抜いたフォルツァ'02は、来年度からは関東2部リーグという新たな舞台で戦うことになる。鈴木コーチは1年目の目標に「残留」を挙げた。「関東のチームはどこも強いので、まずはレベルに慣れながら、そして1部昇格を狙っていきたいと思います」。





第32回東京都女子サッカーリーグ 1部リーグ
神奈川県・慶應義塾大学グラウンド 2012年12月9日
ソシオスFC 3-0 慶應義塾体育会ソッカー部女子

枠内シュート3本でソシオスが3得点勝利

東京都女子1部リーグは全10チームで行われ、総当たり1回戦で優勝を決める。12月9日、無敗で1位の慶應義塾ソッカー部女子は、2位のソシオスFCとの第8節に臨んだ。慶應義塾が勝てば最終節を待たずに優勝が決まる。ホームである慶應義塾大学グラウンドには、OBや関係者も応援にかけつけた。

慶應義塾の強みは7試合で40得点を挙げた爆発的な得点力だ。豊富な運動量と正確な技術を武器に、ここまでは他を圧倒して勝利してきた。そんな強力な相手に対して、ソシオスの小林晃監督は勝つ術を見つけ出していた。


好天に恵まれたピッチで熱戦が繰り広げられた

「慶應義塾の強さはわかっていたので、自分たちは相手の弱いところを突いていこうとしました」。

小林監督の狙いは、「優勝がかかっていたこともあって、ちょっと硬さがあった」(岩崎陸監督)相手に見事にはまる。5分、相手のDFラインでのパスを高い位置からプレスをかけて奪うと、相手が戻ってくる前にMF安久遥がロングシュート。鮮やかな放物線を描いたボールはGKの頭の上を超えてゴールネットを揺らした。


慶應義塾の石原愛海は何度も好機を演出した

その後は、慶應義塾は10番の石原愛海のアイデア溢れるプレーを起点に何度もゴールに迫っていくが、ソシオスの集中した守りを崩せない。16分には、味方からパスを受けた石原がDFを背負ったままダイレクトでスルーパス。裏に飛び出したボランチの原志帆がGKとの1対1を迎えるが、シュートは止められてしまう。

守りを固めていたソシオスの2本目のシュートは23分、1点目を決めた安久がまたしてもペナルティーエリアの外から左足で狙う。強烈なシュートはGKに当たりながらゴールイン。ソシオスが2点をリードし、前半を折り返した。


3-0の快勝にソシオスFCの選手はガッツポーズ

後半、慶應義塾は前半以上に積極的にゴールを狙っていく。しかし、ソシオスの守護神・末永雅子の好守に遭ってことごとく決まらない。ゴールが決まったのは76分、ソシオスの安久が、ドリブルでDFをかわしてペナルティーエリアの外から左足を振り抜く。地を這うようなグラウンダーのシュートが、慶應義塾のゴールに突き刺さって3点目。

岩崎監督が「今日はソシオスさんの日でしたね」と脱帽するように、ことごとくシュートが外れた慶應義塾と、ことごとく決まったソシオスの差が、3-0というスコアに表れる形となった。ソシオスの小林監督は「優勝のチャンスはまだ残っている。奇跡を起こすためにも勝ちたかったのでうれしい」と話した。

慶應義塾は最終節で引き分け以下だとソシオスに優勝を譲るという状況に追い込まれたが、最終節でスフィーダ世田谷FCユースに2-1で勝利し、優勝を決めた。

慶應義塾は東京都リーグ王者として1月19日から行なわれた関東リーグの入替戦に臨み、2回戦で東京国際大学に敗れ、関東リーグ昇格とはならなかった。


ソシオス
FC 監督 小林晃

この段階では(最終節の1節前)優勝の可能性が残っていたので、今日の試合に勝って(首位の)慶應義塾にプレッシャーをかけたいと思っていました。慶応義塾が攻撃的なチームだということはスカウティングでわかっていたので、守備ブロックを作ってカウンターをするという作戦でしたが、良い時間帯に点を取ることができました。今日は枠内シュートが3本しか打てませんでしたが、これでも勝てるのがサッカーの面白さですよね。

慶應義塾体育会ソッカー部女子
監督 岩崎陸

この試合に勝てば優勝を決められるという状況でしたが、ちょっと硬くなってしまいましたね。相手は負けが許されない状況で、カウンターを狙ってきましたが、それにはまってしまいました。今年のチームはDFラインに若い選手が多いのですが、ちょっとナーバスになっていたのかもしれません。優勝して関東リーグの入替戦に出場し、昇格することを目標に1年間やってきたので、次の試合は何としても勝ちたいですね。



東京都女子サッカーリーグ 1部リーグ
順位 チーム名 勝点 得点 失点 得失点差
慶應義塾体育会ソッカ―部女子 24 42 8 34
ソシオス FC 24 25 7 18
小平サッカークラブ 20 25 7 18
スフィーダ世田谷FCユース 13 22 14 8
立川フットボールクラブ 13 18 18 0
日本女子体育大学 11 26 16 10
東京女子体育大学サッカー部 11 12 17 -5
フィオーレ武蔵野FC 5 7 32 -25
小金井サッカークラブ 5 5 32 -27
10 FC駒沢女子 3 7 38 -31




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