試合レポート


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第54回東京都中学校サッカー新人大会
2010年12月11日 東京都・駒沢第二球技場
 


新人大会を制した暁星中学校。テンポの速いサッカーで5ゴールを挙げた

暁星が5ゴールで大勝  明桜は下克上ならず

 快晴に恵まれた12月11日、駒沢第ニ球技場で、第54回東京都中学校サッカー新人大会の決勝戦が行われた。同日に行われた準決勝に勝利し、決勝に勝ち上がったのは東京トップクラスの実力校である暁星中学校と、初めての決勝進出となる明桜中学校だった。暁星が順当に勝利するのか、それとも明桜がジャイアントキリングを起こすのか――そこが試合の焦点となった。
「自分たちから動き出せ! こんなのサッカーじゃないぞ!」。試合開始直後、暁星の荒木弘監督の大きな声がピッチに響き渡った。2試合目による疲労の影響と、優勝が懸かった試合で緊張したことで、立ち上がりは体の重さが目立った。しかし、この激で暁星の選手たちは目を覚ます。
  10分、ゴール前でボールを受けたFW山下隼平が鋭いドリブルで2人をかわすと、最後はGKまでかわして、先制点を挙げた。
  この先制ゴール以降、暁星は、「素早くゴールに向かっていく」(荒木監督)、自分たちらしさを発揮していく。特筆すべきは10番の宮川大史だ。前線で起点となってボールを収めて、高い技術でチャンスを作った。その宮川のCKを起点に、25分、小林大輔が追加点を挙げて2―0。立ち上がりは良くなかったものの、2点リードを奪って前半の25分間を折り返した。
  40分、エースの宮川が自ら決める。西川大樹からの縦パスをペナルティーエリア内で受けると、右足一閃。豪快なシュートで3点目を挙げると、その3分後には正確なワンタッチパスで有田將人のゴールをお膳立て。後半ロスタイムには利き足ではない左足でシュートを決めて試合を締めくくった。
  新チームになって初めての大会で優勝した暁星・荒木監督は「今年は例年に比べてチームの仕上がりが早い。そのことが優勝という結果につながったと思う。身体能力や技術面ではクラブにはかなわないが、真面目にやり切れる子が揃っているのが良さだと思っている。今年はT1リーグにも出られるので、レベルの高い相手と戦いながらチームを作っていきたい」と先を見据えて語った。
  一方、決勝戦では暁星に完敗してしまった明桜だったが、その表情には充実感が漂っていた。「ウチにはスター選手や、選抜に入っている子は1人もいません。よくここまで勝ち上がれたなという気持ちです。暁星さんのようなチームと、決勝という緊張感のある舞台で戦えたことは非常に良い経験になりました」と菅野秀一監督は収穫の大きさを強調した。
  5―0という大差がついた決勝戦だったが、両チーム共に収穫と課題を手にした点で、大きな意味のある試合だったと言えるだろう。新チームとなって幸先の良いスタートを切った2チームが、これからも成長していくことを期待したい。

 
準優勝の明桜中学校。チームワークと粘り強いディフェンスで躍進した
 
 
interview

宮川 大史(暁星中学校)
「気を引き締めてやったのが良かった」

 優勝できて素直にうれしいです。チームが代わって11月から短い間だったけど、気を引き締めてやったことが良かったと思います。チームの戦い方を統一したり、周りと息を合わせることを重視してきました。今日はやりたいことはある程度できましたが、もっとできると思うので頑張りたい。チームとしての目標は春季大会に出て関東大会に出ること、そして全国大会に出ることです。憧れの選手は暁星の先輩の前田遼一選手です。
   
山中 貴博(明桜中学校)
「個人の技術や判断に差がある」

 最後までみんなで頑張ってやれてよかったです。暁星は個人の技術や判断がすごい。そういうところに差があるなと感じました。決勝まで上がれたのは良かったですが、今日の出来には全然満足していません。5失点してしまったわけですし、ゴールキックも良いボールを蹴ることができなかったので、もっともっとうまくなれるように練習していきたい。このチームの良さはみんな仲が良くて、まとまっているところです。

第42回東京都大学サッカー連盟新人大会
2010年12月23日 東京都・大井ふ頭中央海浜公園
 


2点差をひっくり返して勝利した東京経済大学

東京経済大学が 2点差を逆転し優勝
東京都大学リーグ所属のチームの1・2年生(新2・3年生)が出場する新人大会。決勝に勝ち上がったのは立教大学と東京経済大学。両チームのメンバー表に目を落とすと「58」、「61」、「55」、「52」などの大きな数字が目立つ。大きな数字――出場機会の少なかった選手たちはこのチャンスで大いにアピールしたいところだろう。
  試合が動いたのは開始早々の4分、立教大学のDF山崎翼がコーナーキックからこぼれたボールを決めて先制する。その後両チームとも素早いプレッシャーからボールを奪いサイド攻撃を展開するが、なかなかシュートまで持ち込めない。
  均衡した流れを打破したのは東京経済大学だった。22分、左サイドから田中大の蹴ったフリーキックをキャプテンの岩井陸が頭で押し込み同点にする。その勢いのまま再三突破を見せていた東京経済大学、MF豊田雅樹がサイドから中央に切れ込みシュート。これは惜しくも外れる。対する立教大学も2トップの奥津直也と及川慧竜を中心に攻撃を仕掛けるが、なかなかフィニッシュまでつなぐことができない。
  東京経済大学は得点につながった場面とほぼ同じ位置でのフリーキック。久保怜の蹴ったボールに島宗孝志がヘッドで合わせるが、これもゴールを外して得点にはならず。徐々にシュートまで持ち込めるようになった東京経済大学だが、立教大学の固い守りの前に得点できない。
  そんな中、立教大学がチャンスを迎える。左サイドから及川があげたクロスを奥津がボレーで狙うがキーパーがファインセーブ。しかし、なおもピンチは続き、与えたコーナーキックから岸寛大の上げたボールに奥津が右足を振り抜き勝ち越しに成功。先制点と同じ形でゴールを奪った。
  このまま前半を終わらせたい立教大学だったが、40分、これまで右サイドの突破から幾度となくチャンスを作っていた高瀬雄大が2枚目のイエローカードをもらい退場してしまう。立教大学はリードこそしているものの、10人という1人少ない数的不利な状況で後半を戦うことになった。
  後半開始から数的有利に立った東京経済大学が怒濤の攻めを見せる。ピッチを広く使い、大きなサイドチェンジからチャンスを作っていく。しかし52分、立教大学は前掛かりになったDFラインの裏に岸が蹴ったロングボールにいち早く反応した奥津がDFを振り切り、抜け出してGKとの1対1を冷静に決めて3―1。またしても岸のアシストから2点目を奥津が奪った。
  しかし、数的不利な状況は変わらない。2点リードになり守備的になる立教大学に東京経済大学が襲いかかる。
  58分、プレスキッカーも務める右サイドバックの久保が山口将吾とのパス交換から抜け出しクロス、そのボールを豊田が決めて1点差。
  攻撃の手を緩めない東京経済大学は、疲れの見え始めた赤生悠馬に変わって梅澤駿を投入。その梅澤がいきなり結果を出す。梅澤の突破を起点にこぼれ球を千須和剛平が決めて3―3。ついに試合は振り出しに戻る。
  その後も東京経済大学は次々とチャンスを作り出す。そして72分、中央での細かいパス回しから途中出場・佐伯友也のパスを豊田が決めてついに逆転した。東京経済大学は残り5分で退場者を出しながら、4―3で試合をクローズし、”新人王”に輝いた。
 
豊田雅樹は2ゴールを挙げた
同点弾を決めた岩井陸は主将としてチームをまとめる 立教大学は前半の退場が痛手に
 
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「メンタルの強さを見せてくれた」
東京経済大学 監督(今大会のみ) 坂根久和
このチームは学生主体のチームで、監督がいないのでキャプテンを中心に活動しています。普段は選手として練習していますが、今大会は監督に専念しました。今大会は一つ上の世代を上回ることを目標にやってきました。昨年は日本大学に負けてベスト16でしたが、今年はベスト16で日本大学に勝ったことで勢いに乗れたと思います。
去年は個性的な選手がいましたが、今年はずば抜けた選手はいないのでチーム一丸で戦っています。今日の試合は今大会初めて先制点を取られて苦しい展開でしたが、逆境のなかで選手が成長しているように思えましたね。離されてもあきらめずに選手がメンタルの強さを見せてくれました。
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「大変だけど勝つと喜びも2倍」
東京経済大学 DF 岩井 陸
今大会で初めて先制されました。失点もオウンゴールの1点だけだったので正直焦りました。でも前半のうちに同点に追いついて、ここからという気持ちになれました。自分も失点にからんでしまったので、同じ手を食わないように集中しました。このチームになって初めて大量得点で勝った試合だったのでちょっと驚いています(笑)。
キャプテンとして監督がいない分、出場選手や、練習メニューを決めてチームを動かさないといけません。同じプレーヤーにいろいろいわれるのは嫌だと思うけど、みんなついてきてくれました。大変だけど勝つと喜びも2倍。今大会はほとんど初めて大会に出場した選手ばかりでしたが、勝てて良かったです。
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第17回きさらぎ杯 東京都少女サッカー大会
2011年3月5日 東京都・調布市西町サッカー場
 
澄み渡った青空の下で少女たちがボールを追いかける

常勝軍団バディが 大逆転で3連覇達成!
 2011年3月5日、東京都の少女チームによる新人戦「第17回きさらぎ杯 東京都少女サッカー大会 presented by 四谷大塚」の最終日が調布市西町サッカー場で開催された。17回目を数える今大会は例年3月に開催され、新シーズンを迎える各チームにとって貴重な実践の場となっている。
  6ブロックに分かれての地域予選は12月から1月にかけて行われ、勝ち上がった16チームが本大会へ。本大会では4チームずつによる総当たりのグループリーグを行う。そして、グループリーグの1位・2位のチームが順位トーナメントで最終順位を争うという長丁場の大会である。
  最終日、優勝を争う1位トーナメントに勝ち残ったのは青梅新町フットボールクラブ、バディフットボールクラブホワイト、南大沢フットボールクラブ、東加平キッカーズ女子の4チーム。準決勝では、バディFCホワイトが青梅新町FCを1¦0で、もう一方は南大沢FCが東加平キッカーズをPK戦の末に下して、決勝戦へと駒を進めた。
  バディvs南大沢は本年度少女選手権大会決勝戦(12月)で当たったカードである。そのときはどちらにもゴールが生まれずPK戦となり、バディFCが南大沢FCに勝利している。バディFCにとっては連覇が、南大沢FCにとってはリベンジがかかった、特別な試合となった。
  決勝戦、先制パンチを見舞ったのは南大沢FCだった。9分、4年生DF小鑓美以紗がペナルティーエリアの外から思い切り良く右足を振り抜くとGKの手をかすめてゴールネットを揺らす。それからわずか2分後、チームの中心選手の渋谷菜月がスルーパスに抜け出し、1対1を冷静に決めて2¦0。前年度王者を南大沢FCが追いつめた。
  しかし、ここからが女子サッカー界にその名をとどろかすバディFCの本領発揮だった。前線からボールを激しく追いかけまわし、ボールを奪うと同時にゴールに向かって素早く攻める。
  13分、ゴール前の混戦で春山沙音が打ったシュートがほかの選手に当たって1点を返す。15分ハーフを折り返した24分、ペナルティーエリアの外から千葉祈理が打ったインステップシュートが豪快にゴールに突き刺さり、2¦2。
  バディFCの勢いは止まらない。5分ハーフの延長3分、左サイドからドリブルした中原藍が打ったシュートがゴール右隅に決まって3¦2。2点のビハインドと一時はがけっぷちに追い詰められたバディFCだったが、チーム全員が気持ちを一つにした結果、逆転勝利で(チームとして)3大会連続優勝を勝ち取った。
  表彰式で原田洋安委員長が「手に汗を握る試合」と表現した通り、お互いの技術と気持ちがぶつかり合った、素晴らしい決勝戦だった。
 
優勝したのはバディフットボールクラブホワイト
 
優勝監督インタビュー
バディフットボールクラブホワイト 太田直子監督
---優勝おめでとうございます。
「ありがとうございます。今大会はバディフットボールクラブからホワイトとブルーに分けて2チームで出ていました。どちらかに上手な選手や上級生を固めるという分け方ではなく、5年生、4年生、3年生をバランスよく分けたので、優勝するのは難しいかなと思っていましたが、選手たちがよく頑張ってくれました」
---2点を先行される苦しい展開でしたが、見事な逆転勝ちでした。
「私たちは強いと言われていますが、実際にはそこまでの差はないと思います。でも、前の学年で優勝したりすると自分たちも強いのかなと錯覚することもあります。それが点を取られたりすることで目が覚めて、自分にできることを精いっぱい出そうとしたことがこの結果につながったのかなと思います」
¦¦今大会の収穫はどんなものでしょう?
「選手たちが大会を通じて大人になってくれたことですね。特に5年生の子たちは、最初は下級生のミスに対して文句を言うこともありましたが、試合を通じて味方のミスをカバーしようという気持ちが芽生えて、前向きな態度ができるようになったことは大きな収穫だと思います。」
---新しいシーズンの目標は?
「子供たちの目標がチームの目標なので、そのために何をしなければいけないのかをみんなで確認して、やっていきたいと思います」
 
第89回全国高校サッカー選手権大会 東京都大会A・Bブロック
2010年11月13日 東京都・西が丘サッカー場
 

"我慢比べ"を制した 3年生軍団のまとまり

 高校サッカー選手権、Aブロックの決勝は3年連続で全国出場を果たしている名門・帝京高校と初出場を目指す駒澤大学高校が激突した。バックスタンドが帝京の黄色と駒澤大高の赤にきれいに二分された中、運命の試合がキックオフされた。
  立ち上がりを制したのは帝京だった。1年生にして堂々とスタメンに名を連ねたDF知念将太、FW大野耀平の大柄な2人が両ゴール前で大きな存在感を放つ。開始からしばらくの時間は、帝京のパワーを持ったプレーを、駒澤大高が受け止める構図になった。
  しかし、駒澤大高は帝京の圧力に屈しなかった。スタメン全員が3年生のチームにとって最大の武器はチームワーク。前半は帝京に危ない場面を作られながらも、キャプテンの大畠一馬を中心としたディフェンスでゴールを許さない。
  フィジカルの帝京か、チームワークの駒澤大高か──。
  スコアレスで前半を折り返したゲームは、後半に入ると大野祥司監督が「我慢比べだと思っていた」というように膠着状態に。駒澤大高も黒木海人のセットプレーを起点に何度かチャンスを作るが決められない。55分、ゴール正面から須貝暁の放ったシュートは枠の上。その1分後にもクロスボールを高平将史がゴール至近距離で合わせたもののGKに止められる。
  PK決着が頭をよぎり始めた、試合終了間際の79分。駒澤大高はペナルティーエリア内で黒木が引っ掛けられてPKを獲得する。高校選手権の出場権を左右する「運命のPK」を蹴るのはキャプテンの大畠。チーム全員の思いを背負ったPKを大畠が冷静に決めて、1─0。その後の帝京のパワープレーを全員で耐え抜き、駒澤大高が憧れの国立に立つ権利を手にした。
「帝京を倒して全国に行くのが夢だったので実現できてうれしい」。
  就任13年目の大野監督が感慨深げに話したが、夢はすぐには終わらなかった。全国大会で開幕戦に出場した駒澤大高は名門・大津高校を撃破すると、2回戦でも星稜高校にPK勝ちでベスト16に進出した。〝駒澤旋風〟は3回戦で山梨学院大学付属高校に敗れて止まったが、全国の舞台に確かな足跡を残した。
 
駒澤大高が試合終了間際のPKで帝京を下した
 
チーム全員で守り切って つかんだ全国への切符
 
第2試合で行われたBブロックの決勝は非常に興味深いカードとなった。
  3年前、都立三鷹高校を率いて全国高校選手権に出場しベスト8に導いた山下正人監督が率いる都立駒場高校。2年前、爆発的な攻撃力を武器に同じく全国8強まで勝ち上がった國學院久我山高校。日が落ちかけてきたものの、西が丘サッカー場には熱戦が展開される予感が漂っていた。
  李済華監督が率いる國學院久我山の最大の魅力は個々の高い技術に裏打ちされたアイデア溢れるプレーである。前半の立ち上がりから2トップの原之園卓也、宮崎準也が個人技を前面に押し出してグイグイと都立駒場ゴールに迫っていく。
  だが、先制点は都立駒場だった。山下監督が「あんなにきれいに決まるとは思ってなかった」と驚いたゴールが生まれたのは13分。MFの菅佑也がゴール前に顔を出してクサビのパスを受けると、菅からの落としを後ろから上がってきた秋葉俊之介が低く抑えたシュート。これが鮮やかにゴールネットに突き刺さった。
  その後、都立駒場は山下監督が「早い時間のゴールなので、どうしても守りに入ってしまった。ハーフタイムに2、3点入れて来いと言ったんですが……」と話したように、潜在的に気持ちが受け身に回り、相手に攻められる時間が長くなってしまう。
  後半になると1点を追いかける國學院久我山の攻撃が加速。中盤を飛ばして前線のFWやサイドにパスを出して、突破力に優れた選手たちが積極的に仕掛けていく。だが、都立駒場のキャプテン原玄が「守りっぱなしでしたけど、自分たちらしく守ることができた。技術は自分たちよりも全然上なので、気合いと根性で守った」と語ったように、虎の子の1点をチーム全員で守り切って勝利した。
  本大会では3年前の〝都立旋風〟の再現が期待された都立駒場だったが、初戦で優勝候補の滝川第二高校と当たって、1─6という大敗に終わった。優勝候補を相手に最後まであきらめずに戦った姿は、見ている人たちに訴えるものがあった。今回の〝都立の星〟は記録ではなく記憶に刻まれるチームだったと言えるだろう。
 
“虎の子の1点”を守って都立駒場が全国へ
 
 
第12回東京都自治体職員サッカー連盟フットサル大会
2011年1月16日 東京都・小金井市総合体育館
 
決勝レポート

ゴールラッシュで 東京消防庁B、優勝!

 1月16日、小金井市総合体育館で第12回東京都自治体職員サッカー連盟フットサル大会が行われた。この大会は、東京都自治体サッカー連盟の加盟チームによる「冬のイベント」で、年に1回のフットサル大会でもある。東京都の各地域の自治体職員が一堂に介してプレーする貴重な交流の場ともなっている。今大会の決勝戦は、試合を重ねるごとにチームの完成度を上げて行ったCグループ1位・板橋区役所と、2チームに分かれて出場したEグループ1位・東京消防庁Bという実力チーム同士の対戦となった。
  試合は開始わずか5秒、2人のディフェンスに囲まれながらも、小林大陽が粘り強くシュートを打つと、これがゴール左隅に決まって東京消防庁Bが先制する。板橋区役所は佐々木涼を中心に素早いパス回しで攻め込むもブロックを崩すことができない。5分、ペナルティーエリアの手前から請園隆生のミドルシュートがゴールネットを揺らし、東京消防庁Bが2点目をゲット。その後も川津知世がキックインからのボールをうまく合わせて、3―0で前半を折り返す。
  後半開始直後には前半同様に小林が相手の意表を突くロングシュートを沈めて、試合の行方を決定的にする。それでも、板橋区役所は勝利を目指してプレー。12分、佐々木が1点を返して1―4。高橋紘幸、佐藤将太、進藤直樹の3人のコンビネーションからゴールを狙うが東京消防庁Bの素早いプレスにつかまり、シュートチャンスを逃してしまう。試合終了間際に板橋区役所は平塚博明が2本連続でシュートを放ったが、これは相手GK大山昌久の好セーブに遭って決められず。
  前半、後半と1試合を通じて安定した戦いを見せた東京消防庁Bが4―1というスコアで板橋区役所を下して優勝を手にした。今大会の最終結果は優勝:東京消防庁B、準優勝:板橋区役所、第3位:東京消防庁A、第4位:渋谷区役所となった。
 
自治体連盟の頂点に立った東京消防庁B
 
決勝は4-1で東京消防庁Bが勝利 準決勝では東京消防庁ダービーが実現
 
優勝選手インタビュー

東京消防庁B 小林大陽

――大会の感想は?
「同僚の東京消防庁Aとの準決勝で、PK戦の末に苦しみながら勝てたことがうれしい。普段は11人制でプレーすることが多いので、フットサルの大きさに慣れるのが大変でした。フットサルは人数が少ないので、一人ひとりの責任が11人制以上に大きいと感じました」
――チームの活動状況は?
「部員は約40人。東京都社会人リーグ2部に所属しています。練習は週2〜3回やっています。今後の目標は東京都社会人チャンピオンシップで2次ラウンドに勝ち上がり、全国社会人サッカー大会に出場することです」
――今後の目標は?
「まずは東京都社会人チャンピオンシップ一次戦においてブロック優勝し二次戦へ進むこと。さらには全国自治体サッカー大会で、昨年準優勝の借りを返し優勝したいです」

 
運営担当者インタビュー

京都自治体職員サッカー連盟・幹事 高橋広明

――自治体サッカーの現状、活動状況は?
「試合の勝ち負けだけでなく、他の地域・職員などとの情報交換、選抜チームなどでの対戦を重ねることによる、市区町村間の交流などを図っています」
――大会の意義は?
「春と秋の大会はトーナメント制のためチームによっては試合数が限られていたが、リーグ戦を行うことによって試合数を増やすことができました。また、春と秋の間に行うことでブランクを減らすことができます。さらに試合を重ねることによって、選手間も顔見知りを増やす機会が増えました」
――自治体連盟の目指す方向は?
「自治体サッカーの理念であるように、今まで以上に市区町村間での親睦をより深めていきたいです。また、魅力的な大会、活動を行うことで、加盟チーム数を増やし、もっと職場間でフットサル・サッカーをすることができるような環境を整えたいです」

 
女子選手インタビュー

東京消防庁B 岩井菜苗
――大会の感想は?
「初めてこの大会に参加しました。いいプレーをたくさん見ることもでき、実際に自分も試合に出てプレーすることができて良かったです」
――普段の活動状況は?
「一つのチームではなくいろいろなチームに混ざってサッカーをすることが多いです。職場には女子のチームがないので、もっと輪が広がっていけばと思います」

東京消防庁A 小林奈央
――大会の感想は?
「自治体大会に参加したのは初めてでしたが、
スピード、ボールへの執着心、熱いプレーをたくさん見ることができて良かったです。自分も、もっとスピードについていけるように、普段からモチベーションを上げ練習していきたいと感じました。それから、大会を通して知り合った他の職員さんたちの普段の仕事の様子も見てみたいなと思いました」
――今後の目標は?
「所属チーム(女子フットサルのバルドラール浦安ラス・ボニータス)がここ何年か、全日本選手権準優勝とあと一歩、結果がでていないので、今年は全日本のタイトルを必ず獲りたいです」
――大会の感想は?
「自治体大会に参加したのは初めてでしたが、
スピード、ボールへの執着心、熱いプレーをたくさん見ることができて良かったです。自分も、もっとスピードについていけるように、普段からモチベーションを上げ練習していきたいと感じました。それから、大会を通して知り合った他の職員さんたちの普段の仕事の様子も見てみたいなと思いました」
――今後の目標は?
「所属チーム(女子フットサルのバルドラール浦安ラス・ボニータス)がここ何年か、全日本選手権準優勝とあと一歩、結果がでていないので、今年は全日本のタイトルを必ず獲りたいです」

 
小林さん(左)と岩井さん(右)
 
 
TOPICS
 
全国大会における東京都チームの活躍を紹介します。
 
《フットサル》
バーモントカップ第20回全日本少年フットサル大会
優勝:東京ヴェルディ
1月4〜6日、駒沢体育館、駒沢屋内球技場で開催された、小学生年代によるフットサル大会「バーモントカップ第20回全日本少年フットサル大会」。高い個人技を武器に勝ち上がった東京ヴェルディは、決勝戦で千葉県代表のマルバ浦安fc U-12と対戦。先制しながらも一度はリードされたが、その後2点を追加して逆転に成功して逃げ切り、ジュニア年代のフットサル日本一に輝いた。
《女子》
第19回全日本大学女子サッカー選手権大会
優勝:早稲田大学
1月5日、「第19回全日本大学女子サッカー選手権大会」の決勝が国立競技場で行われ、前年度優勝の早稲田大学が武蔵丘短期大学を4-1で下して、大会2連覇を果たした。関東第一代表として出場した早稲田大学は、予選リーグ(3試合)では引き分けが一つ、1点差勝利が一つと苦しんだが、決勝トーナメント以降はチームの歯車が噛み合い、準決勝6得点、決勝4得点と攻撃力が爆発した。
《女子》
JOCジュニアオリンピックカップ
第14回全日本女子ユース(U-18)サッカー選手権大会

優勝:日テレ・メニーナ
高校生年代の女子チームによる全国大会の「JOCジュニアオリンピックカップ 第14回全日本女子ユース(U-18)サッカー選手権大会」が1次ラウンド1月3〜8日、熊本県民総合運動公園(KKウィング)で開催された。18歳以下のユースチームの選手で構成された日テレ・メニーナは、グループリーグを3連勝で勝ち上がると、準決勝で日ノ本学園高等学校を3-1、決勝で藤枝順心高等学校で1-0で勝利して優勝を飾った。
《女子》
第22回全国レディースサッカー大会〈レディース・エイト(40歳以上)オープン大会〉
優勝:FCチャリオ
2010年11月21〜23日、清水ナショナルトレーニングセンター(J-STEP)で、「第22回全国レディースサッカー大会」が行われた。この大会は40歳以上の女性によって構成されたチームによる大会で、生涯スポーツとしてのレディースサッカーの浸透・発展を目的としたもの。FCチャリオは、グループリーグを1位で通過し、1位トーナメントで準々決勝と決勝をともにPK戦で勝利して、見事に優勝を果たした。

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