平成21年度 住友信託東京カップ 第21回東京都5年生サッカー中央大会決勝リーグ
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2009年11月29日 東京都・府中市少年サッカー場
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ヴェルディが4連覇達成 各地で熱戦繰り広げられる
11月29日、「第21回住友信託東京カップ中央大会」の決勝リーグが行われた。この大会は小学5年生による大会で、626チームが参加した各地区の予選を勝ち抜いた48チームが中央大会に出場した。
この大会は昨年度より11人制・20分ハーフから8人制・15分3ピリオドへと大会方式が変わった。小学低学年では浸透している8人制サッカーだが、5年生では珍しい。それでも、「8人制はゴール前の攻防が増えて、ボールに触る機会を増え、プレーに関わる機会が増える」(東京都少年サッカー連盟・高山清委員長)と5年生大会でも導入することに踏み切った。
また、これまでは予選リーグ+決勝トーナメントで優勝を決めていたが、今回から予選リーグ+決勝トーナメント+上位4チームによる決勝リーグという方式になった。大会日数は昨年までの3日間から4日間に増えたが、「1試合でも多くの試合を経験してほしい」と高山委員長は笑顔を見せる。
5年生から中学1年生(10歳から12歳)までの期間は〝ゴールデンエイジ〟とも呼ばれるように、ボールコントロールのスキルなどが最も発達しやすい時期である。そういった重要な時期に8人制サッカーでたくさんボールに触れて、たくさんの試合数を経験することは大きい。
8人制となって2回目の今大会では1試合あたりのゴール数が昨年度の3.27点から3.63点に伸びた。ポジションにとらわれずに、どんな選手でも積極的にシュートを狙っていくプレーが今大会では数多く見られたが、そのことが得点数アップにつながっているのは間違いないだろう。
大会講評でも「昨年度より全員攻撃・全員守備の意識を感じられるチームが多くなった」という言葉があった。その中でも、優勝したヴェルディは一人ひとりの技術の高さに加えて、ボールを持っていない選手の動き出しもよく、それが他のチームとの「差」になっていた。
21年目を迎えて、東京都の少年サッカーチームにとって一つの目標となっている「住友信託東京カップ」。22年目となる来年度も熱い戦いが見られることを期待したい。
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優勝
ヴェルディジュニア |

個人のスキルアップに役立つ
決勝リーグで3連勝、見事“4連覇”を達成したヴェルディジュニア。
8人制大会だった今大会には「個人のスキルアップ」を目的に掲げて臨んだという。
長田道泰監督が「8人制サッカーではボールに触る回数が必然的に増えるし、1対1の局面が多く訪れる。
そういった経験を11人制にフィードバックできればと思っています」と語るように、個々の能力の向上に手応えを感じた様子。
このチームについては「僕たちがいわなくても自分たちで盛り上げることができる。
子供たちが中心にいるチームだと思います」と長田道泰監督。
選手同士がお互いに声をかけて助け合ってプレーできるのも優勝の要因だった。
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2位
JACPA東京FC |

大きな課題が見つかった
第10回、13回、17回と過去3度優勝した伝統あるチームのJACPA(ジャクパ)東京FC。
小平を拠点に活動するサッカースクールが母体となっており、今大会に出場したジュニアは各地域のスクールの選抜チームという位置づけだという。
「8人制には8人制の醍醐味があります。攻守の切り替えを早くしなければいけないし、ゲーム展開がスピーディーになる」と野口光彦監督。
野口監督が「ボールをカットした後のファーストパスがつながる確率が低い。
ヴェルディはほとんどつながる。それが今後の大きな課題です」と語るように、強いチームと戦うことでチームの課題が明確に見えたのは大きな収穫だろう。
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3位
横河武蔵野FCジュニア |

8人制でもサッカーはサッカー
昨年行われた全日本少年サッカー大会に出場し、“全国3位”になって大きな話題を集めた横河武蔵野FCジュニア。
ジュニアカテゴリーを率いる戸田智史監督は8人制サッカーについて、
「8人制でもサッカーはサッカーですから、戦い方を変えるということはありません。
サッカーではいろいろな状況が起こるので、それに対応する技術を身につけることが大事です」とチームの育成方針を語った。
横河武蔵野FCはジュニア→ジュニアユース→ユースと上がっていった選手が活躍して各カテゴリーで結果を出している。
今回出場した5年生チームの中からも、そんな先輩に続く選手が出てくるはずだ。
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4位
三菱養和SC巣鴨ジュニア |

1対1での駆け引きを学べる
Jリーグや日本代表に出身選手が数多くいるように、個性を伸ばす育成に定評のある三菱養和SC。
今回のチームはスクール生の中から選ばれたメンバーたちだったが、決勝リーグでは本来の力を出し切ることができず。
それでも、2連敗で迎えたJACPA東京との最終戦で、点を取られても諦めずに追いつき、引き分けに持ち込んで意地を見せた。
「8人制は人数が少ないので1対1の場面が自然と多くなる。ボールがあるところ、ないところでの駆け引きを学んでほしい」と益子亘彦監督。
三菱養和では個の力を伸ばすために、ジュニア年代では8人制サッカーを積極的に取り入れていく予定だという。
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