試合レポート


← 前ページ  次ページ →

第47回東京都中学校総合体育大会 兼 第61回東京都中学校サッカー選手権大会
決 勝
2008年7月30日 東京都・駒沢第二球技場


足を止めずにつかんだ正真正銘の優勝

「関東大会出場は昨日で決まっていたけど、決勝も勝って絶対に優勝しようといっていたので嬉しい」。
 優勝した東京朝鮮のキャプテン、オン・ソンテが顔をほころばせる。東村山四を3-0で下した東京朝鮮が、2年連続優勝を達成した。
 東京朝鮮は特別な気持ちでこの大会に臨んでいた。昨年度の優勝は、新人大会と春季大会に連続優勝を果たした暁星が規定により都大会を免除され、関東大会の出場を決めていた中でのもの。当時2年生だった現在の中心選手たちの胸の中には「自分たちが本当のいちばんだと証明したい」という気持ちがあった。
 試合が動いたのは後半だった。後半15分、左サイドからFWオン・ソンテが2人の間を突破してシュート。これはGKに弾かれたが、こぼれたところをカン・キソンが押し込み先制する。追加点は後半26分。途中出場のチョン・シギョンが左から打ったシュートのこぼれ球に、誰よりも早くパク・スンヒョが反応した。
 2-0となっても攻撃の手を緩めない東京朝鮮は、ロスタイムにカン・キソンのこの日2点目のゴールでダメ押し。この得点も味方のシュートのこぼれ球をつめたもので、東京朝鮮の3点は全てが同じ形から生まれている。
「前半はゴール前に走り込む味方が少なかったので、前半が終わったときに『もっと走ろう』と話し合った」(オン・ソンテ)東京朝鮮は、猛暑の中で最後まで足を止めずに走った。それは「絶対に優勝するんだ」という強い気持ちの表れでもあった。
 敗れたとはいえ、東村山四の健闘も称えられるべきだろう。昨年は地区予選で敗れたが、今年は都大会出場を果たすと、爆発的な攻撃力を武器に「関東大会への壁」を乗り越えた。だが、優勝には手が届かなかった。優秀選手に選出されたFW武田正晴など2年生たちには、先輩たちの悔しさを受け継いでもらいたい。
 両チームは8月8日からの第39回関東中学校サッカー大会に出場したが、全国大会出場権獲得はならなかった。

 



第12回東京-ソウル親善サッカー定期戦
2008年8月26〜28日 ソウル特別市・木洞運動場


貴重な経験を積んだ
12度目の東京-ソウル

 1996年より開催されている、東京都と韓国・ソウル特別市の友好親善を図ることを目的とする「東京-ソウル親善サッカー定期戦」。年毎に開催地を交互に入れ替えて行われており、12回目となる今年度は、ソウル特別市・木洞運動場にて試合が行われた。
 東京都U-15選抜は、東京トレセンU-15の活動から選手を選抜してチームを結成し、ソウル中学校選抜チームと2試合対戦。また、東京都U-18選抜は9月に高円宮杯を控える東京ヴェルディユースが単独チームとして参加、第27回ソウル特別市長旗杯優勝チームの強豪、ソウル彦南高等学校と2試合対戦した。
 U-15の第一戦は4-0で勝利を収めた。東京は人もボールも良く動き、序盤から主導権を握っていたが、後半途中からは暑さからか足が止まり、何度かピンチを迎えた。70分間、どれだけ自分たちのサッカーを継続して行えるかが課題となった。第2戦では、2点を先行されたが3-2で逆転勝利した。本チームは来年度の国体少年男子(U-16)にも繋がっており、別のチームの選手と組み、海外の選手と戦い、勝つという経験を積めたことは、チームの基礎作りに良い機会となった。
 U-18は第1戦で3-2の逆転勝利を収めた。第2戦では、韓国代表としてこれ以上負けられないという強い意志を持った彦南高等学校がペースを握り、東京ゴールに終始襲いかかる。先制ゴールを奪われるが、同点に追いつき1-1で試合終了。この2試合、両チーム合わせて第1戦は3名、第2戦は4名の退場者が出てしまったが、日韓の代表として両チームのプライドと勝利への執念を感じることができた。また、U-18からは、ここいちばんでの精神力の強さを伺うことができた。
 また、選手団はソウル特別市サッカー協会より滞在期間中、非常に手厚いおもてなしを受けた。食事では韓国料理が振る舞われ、また、中日(なかび)の27日には統一展望台とソウル特別市中心部を観光して韓国の歴史・文化を体験し、サッカー以外の面でも貴重な経験を得ることができた。
 今回の経験が、選手達の今後の活躍に繋がることを期待したい。

 
 



第6回東京都フットサルカップ 兼 第14回全日本フットサル選手権大会東京都大会
予選リーグ
2008年8月9日、23日
東京都・立川市泉市民体育館、府中市立総合体育館、東久留米スポーツセンター


目指せ! 全国大会
東京都予選スタート

 フットサルの日本一を決めるカップ戦、全日本フットサル選手権大会の東京都予選が始まっている。
 ”激戦区“東京の予選は参加チーム数も多いため、何段階にも分けてチームを絞り込むという仕組み。
 第1段階が5月5、6日に東京都リーグの3部、オープンに所属するチームによって行われた東京都フットサルチャレンジ(東京都フットサルカップ予選)。ここを勝ち上がれば、次は東京都大会の予選リーグ(東京都フットサルカップの予選リーグも兼ねる)。東京都1部リーグの12チーム、2部リーグの12チーム、専門学校連盟主催大会の上位3チームと共に東京都大会1次ラウンドの出場権をかけて戦う。

 4チーム×9グループによって行われた8月9、23日の予選リーグでは、1位の9チームと、2位の中のワイルドカード6チームが東京都大会の1次ラウンドへ進出する(出場チームは左表の通り)。
 今年度からの大きな変更点は、これまで東京都大会1次ラウンドの出場枠が与えられていた専門学校連盟のチームが、一つ前のフットサル連盟の予選リーグから参加すること。これには1次ラウンドの実力格差を減らすという狙いがある。
「これまでグループ4チームの中に専門学校枠のチームが入ったときに、フットサルを本格的にやっているチームとの実力差が大きく、大差で敗れることがありました。そのグループのチームは得失点差で有利になるため、ワイルドカードの勝ち上がりに影響してしまう。だから、専門学校の上位チームはまず予選リーグを戦って、そこである程度耐えられたチームが東京都大会に出場する形に変えようと」(東京都フットサル連盟・松村栄寿幹事長)
 東京都大会1次ラウンドは、予選リーグを突破した16チームによる、4チーム×4グループの総当り戦。2次ラウンドからは、関東リーグ所属チームが参戦し、8チームのトーナメント戦によって行われ、上位3チームが関東大会への出場権を得る。
 8月23日に終了した関東リーグの結果を受け、2部リーグのゾット、1部リーグの府中アスレティックFC、フトゥーロの3チームの参戦が決定した。1部リーグに所属する他3チームは、関東大会からのシード権を獲得している。
 昨年度の関東大会ではファイルフォックス、フトゥーロ、シャークスと全国大会出場3チーム全てが東京のチームで占められた。8チームで構成される関東リーグ1部にも最多の5チームを送り込んでいるように、東京のフットサルレベルは依然として日本トップクラスといっていい。しかし、松村幹事長は現状に満足していないという。
「東京は一時期、関東近県、日本全国の中でもレベルが高いという認識はあったけど、近年の地域チャンピオンズリーグや全国選抜大会などの成績を踏まえると、地域格差が縮まってきているのは確か。今年度の関東2部参入戦では2チームとも敗れています。東京が伸び悩んでいるというよりも、他県が伸びているという言い方が正しいかもしれませんが、東京都のチームよりも他県のほうがひたむきさがある。技術面だけでなくそういうところも磨いていかなければ」。
 これまで日本のフットサルを引っ張ってきた東京都には、さらに高みを目指していってもらいたい。

 


熱戦展開中! 女子リーグ

 現在、1部8チーム、2部8チームで行われている東京都女子フットサルリーグ。東京は女子リーグの先駆け的存在で、女子の日本一を決める全日本女子フットサル選手権大会でも4大会連続で東京のチームが優勝を飾っている。松村幹事長は女子の現状を次のように語る。「女子のレベルは格段に上がっているし、急激に広がりを見せている。東京は現在2部制で行っているが、男子にオープンリーグがあるように、女子にもそういったものを模索していきたい。競技志向ではなく、女子フットサルの窓口になるようなリーグを作って、そこから上を目指すチームが出てくるのが理想的ですね」。

 



第30回全日本女子サッカー選手権大会東京都予選
決 勝
2008年8月3日 東京都・自治大学校グラウンド
 


終始ゲームを支配した FC PAFが東京一に

 全日本女子サッカー選手権大会東京都予選の決勝は8月3日、自治大学校グラウンドで行われた。関東大会に出場できるのは、優勝した1チームのみ。前回大会3位のFC PAFと2位の小平SCによる決勝は、張り詰めた緊張感の中で始まった。
「最初から全力でいこう」。
 FC PAFを率いる大住良之監督が出した指示は”先手必勝“だった。6分、ボランチの滝沢薫がバイタルエリアでボールを受けると、ドリブルで切り込みDF2人をかわしてシュート。これが決まってFC PAFが幸先良く先制点をゲットした。
 ゲームの主導権を握ったのは中盤の構成力で上回るFC PAFのほうだった。トップ下の河角多恵子、ダブルボランチの滝沢、山下良美は運動量豊富。また、右の山田綾、左の柳史恵も積極的に攻め上がり、小平SCを押し込んでいく。中盤からのパスをアグレッシブに動き回る2トップが引き出し、何度となくチャンスを作った。
 35分、鋭いチェイシングでボールをカットしたFW石黒也美が左サイドからドリブルで持ち込みシュートを打つが、これはニアサイドのポストに弾かれる。39分には、ショートコーナーから河角が左足シュート。これも惜しくもバーに当たり、前半はこのまま1-0で折り返す。
 エンドが変わった後半、FC PAFに待望の追加点が生まれる。49分、交代出場したFW林田晴菜がゴール前でファウルをもらう。このFKを玉垣有紀が右足で力一杯蹴り込むと、GKは一歩も反応できず。2-0と突き放す。その3分後、2点目を”アシスト“した林田が今度は自らゴールを決める。右からのアーリークロスに小さな体を投げ出すと、ボールはファーサイドのネットに絡まり、決定的な3点目。
 3点差となった後も小平SCはFWへのロングボールを中心に最後まで試合を諦めずに戦ったが、最優秀選手に選ばれたGK吉田絵里子を中心としたFC PAFの堅守を崩すことはできず。3-0で勝利したFC PAFが、第19回大会以来2度目の優勝に輝いた。
 全日本女子サッカー選手権大会の関東予選は、関東リーグの8チーム+都県優勝8チームの16チームのトーナメント戦によって10月に行われる。東京都1部リーグのFC PAFにとって関東リーグのチームは”格上“で厳しい戦いが予想されるが、東京都代表として全国大会出場を果たしてもらいたい。

 




 topics  ◆
 
全国大会における東京都チームの活躍を紹介します。

《クラブユース》
adidas cup 2008
第32回日本クラブユース選手権(U-18)
FC東京U-18、7年ぶり優勝!
7月26日から8月3日にかけて開催された第32回日本クラブユース選手権(U-18)。 準々決勝までは福島県・Jヴィレッジで、準決勝、決勝が神奈川県・ニッパツ三ツ沢球技場で行われた。 準決勝ではFC東京U-18と東京ヴェルディユースの”東京ダービー“が実現。 この試合を2-0で制したFC東京が、柏レイソルU-18との決勝に臨んだ。 前半は0-0で折り返したが、63分に柏に退場者が出ると試合の流れはFC東京に傾く。 72分、ショートコーナーのリターンパスを受けた三田啓貴が、ドリブルでペナルティーエリア内に切り込み左足でシュートを打つと、ゴールネットが揺れた。 1-0でFC東京が接戦を制して、7年ぶりの栄冠に輝いた。 なお、大会MVPはFC東京の三田、得点王は6得点でFC東京の重松健太郎(他1名)が受賞した。

《自治体》
第38回全国自治体職員サッカー選手権大会
東京消防庁、3年連続の準優勝
7月26日から7月30日にかけて、島根県・出雲市の5会場で開催された第38回全国自治体職員選手権。 東京都代表として東京消防庁と世田谷区役所が出場した。 32チームによるトーナメント戦で行われたこの大会。 世田谷区役所は2回戦で惜しくも敗退したが、2年連続準優勝中の東京消防庁は鍛え上げられた体力と連帯感を武器に、1回戦でいわき市役所に3-0、2回戦で宮崎県庁に5-1、準々決勝で松山市役所に4-0、準決勝で山口市役所に6-0と圧倒的な強さで勝ち上がっていく。 決勝の相手は、昨年の決勝で敗れた藤枝市役所。 東京消防庁の面々は”リベンジ“を誓って戦ったが、連戦の疲労の影響もあり、本来の力を出し切ることができず0-4で敗れた。 3年連続準優勝となった東京消防庁には来年こそ優勝を成し遂げてもらいたい。


 
 



← 前ページ  次ページ →