試合レポート


← 前ページ  次ページ →

女 子
第27回さわやか杯東京都少女サッカー大会
2007年12月16日(日) 東京都・調布市関東村D2グラウンド

バディ、5連覇達成!
アルテスタの反撃振り切る

 49チーム、805人の選手が参加した第27回さわやか杯東京都少女サッカー大会。6地域に分けられたブロック予選を勝ち抜き、16チームによる中央大会で決勝まで勝ち上がったのは4連覇中の大本命・バディSCと、チーム創立3年目の渋谷アルテスタだった。
 この2チームはBブロック予選の決勝ですでに対戦済み。このときは1-1でPK戦にもつれ込んだ末、3-2でバディが勝利している。
 強風吹き荒れる中でキックオフした前半、先制したのは風上に立ったバディだった。右からのCKを左利きの籾木結花が、ゴールに向かっていくボールを蹴り込む。ゴール正面でGKがキャッチしようとしたがファンブル。ボールはゴールラインを割った。「ああいう形だったけど、いい時間帯に点を取ることができて、運もあったと思う」(バディ・太田直子コーチ)
 後半、アルテスタはDFに代えてFWを投入。「1点取られるとしたら(アルテスタにとって)風下の前半。風上になる後半は流れが来るはず」(大西岳之監督)と攻撃的な布陣にシフトして勝負に出た。
 しかし、DFラインを高く保って、高い位置からプレスをかけるバディの前に、アルテスタは思うように攻めることができない。追加点こそ許さなかったものの、カウンターから逆に攻め込まれるシーンが目立った。
 バディが前半に挙げた1点を守り切り、第2回から第6回大会で小金井3Kが記録した大会5連覇に並んだ。太田コーチは「みんな、よく戦ったと思います」と選手たちの頑張りを称えた。来年の大会で前人未到の6連覇を達成できるかに注目が集まる。
 惜しくも準優勝となったアルテスタだが、「創立3周年でここまで来れたのは出来過ぎです。去年はブロック予選で敗退していますから。普段男子と一緒にプレーしていることが、この結果につながったのかな、と思います」と大西監督。その言葉通り、試合後の選手たちの表情には、悔しさの中にも充実感が漂っていた。

 
 
準 決 勝
バディSC 2 ( 1-0
1-0
) 0 青梅新町FC

青梅新町の健闘光るも
バディ、貫禄の勝利

 青梅新町が大会4連覇中の”王者“バディを苦しめた。
 9分にMF鳥海由佳のミドルシュートでバディが先制したときには、実力で上回るバディのワンサイドゲームになるかと思われたが、青梅新町のGK中原和美がスーパーセーブを連発。何度もあったピンチをことごとくストップして、追加点を許さない。それでも32分、バディは左サイドからのクロスがFW大久保保萌に渡ると、冷静に決めて2-0と突き放した。
 ロスタイム、青梅新町は松村夏美がゴール正面からシュートを放つもポストに嫌われた。だが、最後まで諦めることなく戦い抜いた姿勢には、試合を見守った父兄や他のチームの選手からたくさんの拍手が起こった。

 
準 決 勝
なかのSC 0 ( 0-0
0-0
PK 4-2
) 0 渋谷アルテスタFC

お互い譲らずPK戦へ
アルテスタが決勝進出

 3トップシステムで攻撃的に戦うなかのと、一人ひとりのテクニックが光るアルテスタの準決勝。
 6分、なかのはMF田嶋みのりがワンツーから抜け出してシュートを放つもGKに止められる。アルテスタのほうも後半開始早々にFW田中光のミドルでゴールを脅かすと、その直後にはMF富岡里穂の決定的なチャンスを迎えるもシュートはポストに当たる。
 どちらも譲らない白熱の攻防は0-0のままPK戦へ。
 1人目が失敗した先攻のなかのは、4人目がアルテスタのGK三木良美に止められて2本目の失敗。これに対してアルテスタはキッカーの4人全員が成功。PK戦を4-2で制して、決勝へと駒を進めた。

 



クラブ
第9回東京都クラブユースサッカーU-17選手権大会
決 勝
2008年2月17日(日) 東京都・夢の島競技場

東京Vが苦しみながらも
三菱養和を下して優勝

「達成度としてはあまりいいゲームではなかった」
 柴田峡監督が決勝戦をそう振り返ったように、東京Vは三菱養和に苦戦を強いられた。
 東京Vの持ち味であるパスワークを寸断したのが三菱養和の厳しいプレッシング。東京Vの攻撃をロングボールによる放り込みと、サイドでのドリブル突破に限定させた。
 プレスでボールを奪ってからの三菱養和の攻撃は、非常にシンプルなもの。ロングボールを素早く前線に送って、スピードのあるFWが裏を狙うというプレーを徹底してやり続けることで、前半はチャンスの数で東京Vを上回った。
 前半45分を0-0で折り返したゲームの均衡が破れたのは後半5分のこと。三菱養和が敵DFのクリアミスから生まれたGKとの2対1という圧倒的優位な状況から、中村謙が冷静にゴールネットを揺らして先制する。
 先に失点を許した東京Vだったが、69分、1本のセットプレーから窮地を脱する。高木善朗が左CKを右足でカーブをかけて直接ゴールを狙う。このボールはクロスバーに嫌われたものの、跳ね返ったところを山越享太郎が押し込み、1-1と試合を振り出しに戻す。
 この同点弾を機に、東京Vは息を吹き返した。「ウチのほうがフィジカルコンディションがよかった。運動量で上回ったから、残り15分はグイグイいけた」と柴田監督が語ったように、前半から激しくプレーした三菱養和の運動量が落ちてくると、東京Vの選手たちは持てる技術を遺憾なく発揮した。
 85分には、高木善朗が粘り強くキープして渡したボールから、真野亮二が勝ち越しゴールを決めて、東京Vが苦しみながらも優勝をつかみ取った。
 また、同日行なわれた3位決定戦では、FC東京U-18が横河武蔵野FCユースに1-0で勝利した。テクニックを生かしたパス回しで終始ゲームを支配したFC東京が、63分の岩渕良太のゴールを守りきった。


 



専門
第17回TAFA会長杯争奪戦兼天皇杯予選
決 勝
2008年2月23日(土) 東京都・駒沢第2球技場

ウェルネス、4連覇も
テクノスの健闘光る

「例年通り、ウェルネスのワンサイドゲームになるかと思ったけど、今年はちょっと違ったね」という専門学校連盟副会長・横山重明の言葉通り、商業や工業など、様々なジャンルの専門学校が一堂に会する中、スポーツの世界で生計を立てていこうという人間が集まるウェルネスは突出した存在。彼らが圧倒的な力の差を見せつけて優勝する。それがこのカテゴリの鉄の掟だったが、総合学院テクノスはその掟を崩すべく、必死の戦いを見せてくれた。
 ゲームの主導権を握っていたのは、常にウェルネスだった。ワンボランチのゲームメーカー・尾上司が左右にパスをさばき、前線も豊富な運動量でフォローして攻めていく。素早いパスワークの前に後手に回ってしまったテクノスは、前半9分に西田健太のPK、さらに27分にはコーナーキックから小林健二に頭で叩き込まれて2-0と、セットプレーから2点のリードを許す。
 ところが試合を決定づける3点目がなかなか決まらない。後半5分の尾上、9分には佐藤孝司がそれぞれチャンスを迎えるが、いずれもGK本南大輔がファインセーブ。さらにシュートはことごとくバーを叩き、ウェルネスにもさすがに攻め疲れが見えてきた。逆に息を吹き返したテクノスは粘り強くプレスをかけ、1発のチャンスを狙う。
 そしてゲーム終了間際、中盤でボールを奪った横小路隆司から平賀幸二郎へ縦パスが渡る。平賀はこれを倒れ込みながらゴール右隅へ決め、なんとこの土壇場で1点を返す。試合はその直後にタイムアップを迎えてしまったが、テクノスの執念が見えたゴールだった。
「追加点を挙げられず、死にかけていた相手を再び生き返らせてしまった。食いついてこられるとウチは甘さが出る。フィニッシュの質を上げるのが課題です」(ウェルネス・佐々木善監督)
 4連覇を達成したウェルネスは、専門学校の代表として、大学勢と天皇杯予選を戦っていくことになる。今日与えられた課題が生かされることを期待したい。


 



 topics  ◆
 
全国大会における東京都チームの活躍を紹介します。

《フットサル》
ティファールカップ2007
第4回全日本女子フットサル選手権大会
ファン・レディース3連覇!
昨年11月2日〜4日に、東京都・駒沢体育館で開催された第4回全日本女子フットサル選手権大会では、大会2連覇中の東京都のチーム、ファン・レディースが、安定した戦いぶりで勝ち進み3連覇を達成した。

《フットサル》
バーモントカップ
第17回全日本少年フットサル大会
激闘制して東京Vジュニア優勝
1月4〜6日の3日間、東京都・駒沢体育館で行われた第17回全日本少年フットサル大会。決勝に進出した東京都代表の東京ヴェルディ1969ジュニアが、津ラピドFCにPK戦の末に競り勝ち、全国の頂点に立った。

《大学》
第56回全日本大学サッカー選手権大会
早稲田大学、昨年の雪辱果たす!
第56回全日本大学サッカー選手権大会の決勝が、1月13日、東京都・国立競技場で行われた。昨年の決勝で駒沢大学に1-6で完敗した早稲田大学が、法政大学に2-0で勝利して、13年ぶり11度目の優勝を果たした。

《女子》
第29回全日本女子サッカー選手権大会
日テレ・ベレーザ、2年ぶりV
1月1日、東京都・国立競技場にて行われた第29回全日本女子サッカー選手権大会の決勝は、連覇を狙うTASAKIペルーレとなでしこリーグ覇者の日テレ・ベレーザが激突。終始ゲームの主導権を握った日テレ・ベレーザが2-0で勝利。2年ぶり8度目の優勝を飾った。

 

 
 



← 前ページ  次ページ →