試合レポート


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大学
平成19年度 第31回 東京都大学サッカー1・2部春季対抗戦
決 勝
2007年7月1日(日) 千葉県・東京大学柏の葉キャンパスグラウンド

関東復帰を目指す日本大学
5ゴール大勝で春の王者に!

 この春季対抗戦の役割は、昇格・降格のかかった”本番“である秋季リーグ戦に向けての実戦機会。春の対抗戦でチームの課題を洗い出し、夏の合宿で課題に取り組み、そして秋のリーグ戦を迎える、というのが大学サッカーの1年のサイクルだ。
 決勝で國學院大学に5-1と大差をつけて、春の王者になったのは日本大学だった。彼らは昨季まで1つ上のカテゴリーである、関東2部リーグで戦っていたチーム。降格して東京都1部リーグで戦う今季は、1年での「関東2部復帰」を至上命題に掲げている。
 日本大学の先制点は7分、FW壽透が獲得したPKのチャンスを、キャプテンの北村仁が落ち着いて右スミに決めた。その後も日本大学は右から左へ、左から右へと、ダイナミックなサイドチェンジを使いながら、國學院大学のサイドの裏のスペースを突いていく。
 31分、FW壽透が、ゴール正面のミドルレンジから、豪快に右足を振り抜き2点目をゲット。35分には、「オフサイドかなとも思ったが……」と國學院大学・赤松康郎監督がいうぐらいの微妙なタイミングで抜け出した北村を、たまらずDFが引っかけてしまい、今日2本目のPKが日本大学に与えられる。これを北村が1本目と同じコースに決めて3点差として前半を終了した。
 後半もゲームは日本大学ペースで進む。57分に右MFの竹内聡が、右サイドでFW坂本貴紀とのワンツーからペナルティエリア内に侵入してゴールを決めると、60分にまたも竹内が北村からのパスを左足で叩き込み、勝利を決定づける5点目。國學院大学は66分にCKから1点を返したものの、まさに「完敗。1枚も2枚も相手が上」(赤松監督)という内容だった。
 日本大学にとっては4点差の快勝だったが、大森淳也コーチは「実力的にはそんなに差はないと思います。相手がどうこうより、自分たちのサッカーができるかがテーマでしたが、まだまだミスが多い。これからです」と語った。
 優勝した日本大学、準優勝した國學院大学のどちらにとっても、9月に始まる秋季リーグ戦で結果を出すためには、これからの夏が勝負になる。

 



大学
平成19年度 第31回 東京都大学サッカー3・4部春季対抗戦
決 勝
2007年7月1日(日) 千葉県・東京大学柏の葉キャンパスグラウンド

GKの活躍と選手交代で
劣勢のゲームをモノに!

 1・2部の決勝に引き続き、3・4部の決勝が行われた。こちらは5-1と大差がついた前の試合とは打って変わり、後半終了間際に生まれたゴールが唯一の得点となった。
 前半、一方的に攻め立てたのは東京工業大学だった。1トップのFW小野寺祐貴の背後から、MFが次々と飛び出して来るアグレッシブなサッカーで、いくつもビッグチャンスを作った。
 まずは6分、ボランチ・河野志由仁が右から上げたボールに、左MFの池田吉亮がファーサイドで合わせる。しかし、これはゴールならず。9分には右サイドバックの内山拓応がオーバーラップして出したスルーパスに、もう1人のボランチ・日比野紘大が反応してGKと1対1のチャンスを迎える。だが、シュートはGKにストップされてしまう。
 その後も東京工業大学は攻撃の手を緩めず、41分にはペナルティーエリア右角からフリーで小野寺がシュートを放つが、これも首都大学GK藤井量平が弾き出す。「前半を0で抑えられたことが大きかった」と首都大学東京・大貫仁監督がいうように、守護神・藤井の気迫溢れるセービングがなかったら、前半で試合が決まっていた可能性は高かっただろう。
 だが、気温30度を超える猛暑の下では、体力の消耗も早くなる。特に東京工業大学は人数をかけて攻めるスタイルだけになおさらである。すると、前半は守勢に回っていた首都大学東京が、後半は主導権を握る展開となった。
 54分、DFのクリアミスを拾った首都大学東京のFW小菅崇裕がシュート。疲れの見える東京工業大学のDFラインがズルズルと下がり始めたのを見逃さず、73分には松浦貴広が右から中へ切れ込み左足で狙うが、これはGKが左手1本でブロック。
 この試合最初で最後のゴールが生まれたのは83分だった。途中出場の長崎祐士が右から折り返したボールを、ファーサイドで待っていたDF早川健士が左足で合わせて、ゴールネットを揺らした。
 後半、首都大学東京は69分、72分、84分とフレッシュな選手を次々と投入した。逆に東京工業大学が切ったカードは後半開始時の1枚のみ。積極的な選手交代もゲームを決めた一因だったのではないだろうか。

 



地区
第1回 東京都区市町サッカー選手権大会
2007年8月5日(日) 東京都・北区立北運動公園
 
決 勝

7月1日〜8月5日、「第1回 東京都区市町サッカー選手権大会」が行われた。初代王者に輝いたのは、世田谷区代表のラ・セレクシオーネ世田谷。チームにとっては結成から1年2カ月での初タイトルとなった。

 

大会を勝ち進むごとに「個」から「チーム」へ

 第1回大会の優勝は世田谷区代表のラ・セレクシオーネ世田谷(以下世田谷)だった。世田谷区協会が中心となり昨年5月に立ち上げられたばかりのチームで、大会終了後の小倉功副委員長の総評では「まだ個人の力に頼っている印象を受けた」とも言われたが、多摩市代表の北貝取パードレFC(以下北貝取)を相手に3得点、完封と見事な勝利を飾った。
 前半21分、ゴール左寄りからのFK。根本真樹が壁横を狙って、低く速いボールで右下のスミを狙う。GKの手をかすめたボールがゴールネットに絡まった。 中村義昭監督が「11人と11人でマッチアップすれば、負けない選手が集まっている」と自信をのぞかせる彼らは、7月1日から始まったこの大会で勝ち進むごとに「チームになってきた」(中村監督)という。後半はカウンターから67分に小牧明彦、76分に佐々木千尋が決めて突き放しに成功。チーム立ち上げ以来、初めてのタイトルを手にした。
 一方の北貝取・増田和久監督は「今日はリズムに乗れなかった。ディフェンスが後手、後手に回ってしまった」と語った。1回戦は3-0、準々決勝も3-0、準決勝で3-2と全試合(2回戦は不戦勝)で3点以上を挙げた得点力を発揮できなかったことが悔やまれる。
 世田谷の中村監督は勝因を「俺らは世田谷を代表するチームなんだ、という誇りが芽生えてきたこと」だと分析する。今大会で得た連帯感と誇りは、これからのチームにとって大きな財産になるだろう。


  


 
3位決定戦

NERIMA FCが逆転で3位決定戦制す

 決勝に先立って行われた練馬区代表のNERIMA FCと青梅市代表の氷川FCによる3位決定戦も、激しいゲームとなった。
 前半終了間際の39分、氷川FCの藤野純一が、ペナルティーエリア右で1対1の勝負を仕掛け、敵を抜ききらないうちにクロス、これを三富健司が左足で流し込んで先制する。
 しかし、後半は一転して追いかけるNERIMA FCのペースに。53分、右からのクロスに、安田亮が頭で合わせて同点に追いつくと、61分には、斉藤竜也が右から蹴ったFKがそのままゴールイン。
 後方からFWへのロングボールをどんどん放り込んでいく、シンプルなサッカーで、NERIMA FCが3位の座を勝ち取った。

 
小倉地区連盟副委員長インタビュー


東京都地区サッカー連盟
副委員長
小倉 功


「現在の状況を打破するために」

 今大会の参加資格には「東京都協会に加盟登録している、各区市町連盟(協会)に加入している単独チームの大会とする」、「他チームでJFA(日本サッカー協会)登録している選手は、本大会の選手登録はできない」と明記してあります。どうしてそのようなレギュレーションにしたのかご説明します。

 これまで地区連盟では「東京都地区対抗サッカー大会」を26年に渡って開催してきましたが、ほとんどの地区が選抜チームで出場していました。しかし、普段は別々でプレーしている選抜チームでは、JFA登録が必要な東京都カップ(天皇杯東京都予選)などに出場することはできません。そこで今回より参加資格を新たにして、各区市町のチャンピオンチームによって行われる「区市町選手権大会」に切り替えたわけです。
 チャンピオンチームの選定に関しては、各区市町に委ねています。リーグ戦でもカップ戦でもどちらでも構いません。しかし、1位チームがすでにJFA登録をしている場合は、2位チームが出場することになります。
 シニア連盟のJFA登録数は日本一ですが、社会人に関してはJFA未加盟チーム数は2500にも上ります。この状況を何とか打破していきたい。この大会はそのための意識づけといえるものです。
 今後は各区市町連盟が協力し合って、JFA登録を行うためにバックアップをしていくことが大事になってくると思います。

 


社会人
2007年度(第14回) 全国クラブチームアマチュアサッカー選手権 東京大会
決 勝
2007年7月29日 東京都・駒沢補助競技場

5月27日〜7月29日、「2007年(第14回) 全国クラブチームアマチュアサッカー選手権 東京大会」が行われた。決勝で上布田蹴球団を2-1で下した CERVEZA MAS O MENOS FC は、9月22日から神奈川県で開催される関東大会へ出場する。

 


セットプレーから2得点
敵の追い上げ食い止める

 今大会にはリーグ戦の日程の関係上、1部所属のチームは参加していない。2部以下のクラブチームによるトーナメントで、初優勝を成し遂げたのがCERVEZA MAS O MENOS FC(以下セルベッサ)だった。
 創設24年という伝統あるクラブは、2005年度に2部リーグで優勝して念願の1部昇格を果たしたものの(2部は3ブロックで行われ、1位チームが自動昇格)、初挑戦の1部では2勝4分7敗で14チーム中13位に終わり、1シーズンでの降格を余儀なくされた。
 一方の上布田蹴球団は4部から3部へ昇格を果たしたばかりの勢いのあるチーム。選手の年齢構成も19才〜23才と非常に若い。
 開始2分、幸先良く先制したのはセルベッサだった。左サイド深くからペナルティーエリア内へ送り込まれたFKを、タッチライン際で飛永琢磨が折り返し、中央で待っていた古河裕次がボレーで決めた。
 その5分後、またもセルベッサがセットプレーから追加点を奪う。CKのボールをファーサイドで味方と敵が競り合い、ゴール中央にこぼれたところをDF横関浩一が素早く触ってゴールネットを揺らした。


  


 あっという間に2点をリードされた上布田蹴球団は、エース・天野雄一が果敢にミドルシュートを狙っていくが、なかなか攻撃の糸口を見つけられない。
 しかし28分、前半終了2分前のところで、上布田蹴球団が1点を返す。後半は追いかける上布田蹴球団が「前半のお返し」とばかりに積極的に攻め込んだが、フィニッシュのところで精度を欠き同点弾には至らない。
 終盤にはお互いにヒートアップする場面も見られ、合計4枚のイエローカードが飛び交った熱戦は、2-1のスコアのままタイムアップ。
 優勝したセルベッサは9月22日から神奈川県で行われる、関東大会に出場する。


 
interview


CERVEZA MAS O MENOS FC
監督
田中 剛

優勝することができてとても嬉しいです。昨年初めて1部に昇格したのですが、1年で降格してしまった。僕自身も選手もショックだっただけに、今回のタイトルは絶対にほしかったんです。関東大会は厳しい戦いになると思いますが、東京都の代表として恥ずかしくない戦いをしたいと思います。




 topics  ◆
 
全国大会における東京都チームの活躍を紹介します。

《少年》
第31回全日本少年サッカー大会
東京Vジュニア、8年ぶり3度目の優勝
8月4日〜11日、東京都・西が丘サッカー場などで第31回全日本少年サッカー大会決勝大会が行われ、東京ヴェルディ1969ジュニアが8年ぶり3回目の優勝に輝いた。鹿島アントラーズジュニアとの決勝は前後半40分間でゴールが決まらず延長戦にもつれ込んだが、41分に秋田翼、43分に高木大輔がゴールを奪い、2-0で勝利した。


《自治体》
第37回全国自治体職員サッカー
選手権大会
東京消防庁、2年連続準優勝
7月27日〜8月1日、山形県・山形県総合運動公園陸上競技場などで第37回全国自治体職員サッカー選手権大会が行われた。昨年準優勝の東京消防庁は順当に勝ち進み、最大のライバル・藤枝市役所との決勝に挑んだ。東京消防庁は前半から積極的に戦ったものの、延長戦でゴールを許して0-1で惜敗。2年連続の準優勝に終わった。


《クラブユース》
adidas CUP 2007 第22回 日本クラブユースサッカー選手権(U-15)大会
東京Vジュニアユース、準優勝
8月10日〜19日、福島県・Jヴィレッジでadidas CUP 2007 第22回 日本クラブユースサッカー選手権(U-15)大会が行われた。東京ヴェルディ1969ジュニアユースは爆発的な攻撃力を武器に決勝まで勝ち上がり、京都サンガF.C.U15と対戦。惜しくも準優勝に終わったものの、個人技を前面に押し出したサッカーは大会を通じて際立っていた。

 

 
 



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