試合レポート

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第41回全国自治体職員サッカー選手権大会 東京都予選会 決勝
東京都・清瀬内山運動公園サッカー場 2012年6月16日
杉並区役所 1-0 世田谷区役所


11年ぶりの“復帰”で即優勝という快挙を果たした杉並区役所

杉並区役所が復帰後、即優勝!


球際の争いでは激しいプレーが繰り広げられた

今大会では大きな異変が起こった。東京都の自治体職員カテゴリーで圧倒的な強さを誇る東京消防庁が準決勝で敗退したのだ。それだけでも十分なサプライズだが、さらに関係者を驚かせたのが、東京消防庁に勝ったのが2001年以来、実に11年ぶりに大会に出場した杉並区役所ということだった。

「大会前の目標はベスト4でした。『東京消防庁と戦うところまで行こう』と」。キャプテンの十亀倫行が語る通り、無欲で臨んだ杉並区役所はPK戦の末に東京消防庁に勝利して決勝に進出。決勝戦では杉並区役所と世田谷区役所の“特別区ダービー”が実現した。

杉並区役所のストロングポイントは決勝まで初戦のPKによる1失点のみに抑えた鉄壁の守備だ。センターバックの十亀を中心とした3バックは安定感抜群で、さらに前線から全員がハードワークができるため、簡単には崩れない。それは、破壊的な得点力を誇る東京消防庁が1点も取れなかったことからもわかるだろう。


杉並区役所キャプテンの十亀倫行

世田谷区役所は、キャプテンの金子智生が「僕たちはフィジカルが特別に強いわけでも、スピードがあるわけでもないので、ボールをしっかりつなごうと話している」というように、DFラインからパスをつないで組み立てていくポゼッションサッカーを信条とする。

両チームのサッカースタイル通り、試合は世田谷区役所がボールを支配し、杉並区役所がそれを守るという展開となった。しかし、雨が降ってスリッピーになったピッチではパスの精度が微妙に落ちるため、ミスが多発して思うようにつながらない。

決定的なチャンスの少ない試合は、前半を0-0で折り返す。後半に入っても大きく流れは変わらずこう着状態が続く。均衡を打ち破ったのは、杉並区役所の十亀だった。「本来はセンターバックなんですけど、点がほしいときは上がっていく」という“杉並の切り札”が、試合終了間際に強烈なミドルシュートを突き刺した。


雨が降ってスリッピーなピッチでの戦いとなった

東京消防庁に勝って満足することなく、チーム全体が自信をつけて決勝に臨んだ杉並区役所が、自治体職員カテゴリー復帰・即優勝という快挙を達成した。

両チームは8月1日〜8日まで大阪府のJ-GREEN堺で開催された全国大会に出場。杉並区役所は1回戦で宮崎市役所に、世田谷区役所は2回戦で優勝した藤枝市役所に敗れた。



世田谷区役所は終始押し気味に試合を進めたが1点に泣いた


 
 interview

杉並区役所 DF 十亀倫行

決勝戦では僕たちと同じ特別区の世田谷さんが相手ということで気合いが入りました。ずっと0-0で苦しい試合になりましたが、最後のところで走り勝てた。普段は杉並区リーグに出ているので、そこで試合経験を積んでいるのが大きかったと思います。この優勝でちょっとでも杉並区の名前が広まればうれしいです。全国大会では一つでも上を目指したいと思います。





第30回東京都大学サッカー連盟 1・2部春季対抗戦 最終節
埼玉県・武蔵大学朝霞キャンパスグラウンド 2012年7月1日
明治学院大学 1-0 武蔵大学


気持ちの改革が勝利につながった明治学院大学

明治学院が勝利して優勝に望みつなぐ

1・2部春季対抗戦の最終節では1位の玉川大学を2位の明治学院大学が追いかける展開。優勝の可能性を残している明治学院大学としては、勝利して望みをつなげたい。序盤から明治学院大学はキープ力のあるFW冨嵜翔太のポストプレー、ボランチ富阪豊のパスを起点にして、サイドの若林佑東、山本竜己が攻撃を仕掛けていく。武蔵大学は突破力のある仲原拓磨がサイドからドリブルを仕掛けてチャンスを作り出す。


前半33分、秋山拓が左足でフリーキックを決める

試合が動いたのは33分、ドリブルで右サイドから切れ込んだ山本が倒されフリーキックのチャンスを得ると、キッカーは秋山拓。左足で丁寧に蹴ったボールは壁を越えゴール右へ吸い込まれる。前半は1-0で明治学院大学がリードで折り返す。

後半は序盤から武蔵大学が押し込む展開が続く。75分、右サイドから高木宏次朗が中にドリブルで仕掛けてスルーパス。そのボールに抜け出した福田岬がスライディングしながらシュートするも、これは素早く飛び出したGK小林拓矢に止められてしまう。同点の最大のチャンスだったが、これを生かしきれない。

「出来としては正直相手のほうが良かったと思う」と小野浩二ヘッドコーチが振り返るように、明治学院大学にとって決して楽な試合ではなかったものの、集中したプレーで虎の子の1点を守り切り、最終節を勝利という形で締めくくった。



武蔵大学は前半の1失点に泣いた

 
 interview

明治学院大学 小野浩二 ヘッドコーチ

技術的に高い選手が多いので、ある程度は自由にやらせています。ただ、技術のある選手はディフェンス面や気持ちの面で弱いところがありました。社会に出ていく上で、自分の好きなことさえろくに頑張れなければ、どこの世界に行っても通用しないぞと言い続けてきましたが、今日のゲームはそれがちょっと実りつつあるのかなと思いました。





第30回東京都大学サッカー連盟 1・2部春季対抗戦 最終節
埼玉県・武蔵大学朝霞キャンパスグラウンド 2012年7月1日
玉川大学 2-0 日大商学部


リーグ戦形式の1・2部春季対抗戦を制した玉川大学

“我慢のサッカー”で玉川大学が頂点に立つ

この試合、引き分け以上で優勝が決まる玉川大学は立ち上がりから高い位置でボールを奪い、そこからピッチを広く使い攻撃を仕掛けていく。

先制点は15分、中央でボールを受けた玉川大学の西室歩紀からのパスを左サイドに流れて受けたトップ下の市村竜太がロングシュート。「狙っていたけど、たまたまいいコースに行った」(市村)と言うように、ボールは前に出ていたGKの頭上を抜く形で決まった。

1点を追いかける日大商学部は、カウンターから長いボールを縦に入れるが、玉川大学のセンターバック・松原利樹を中心とする粘り強い守備に阻まれ、効果的な攻撃につなげられない。


88分、玉川大学・今野鷹輔がダメ押しの2点目

後半、玉川大学は前半から見せていたチームの狙いの一つでもある、DFラインとGKの間のスペースを狙った攻撃で日大商学部のゴールを襲う。一方、日大商学部は斎藤瑞樹や後半途中出場の須田亮がサイドの突破からチャンスを作りシュートまで持ち込む。

一進一退の攻防が繰り広げられた中、試合に終止符を打ったのは玉川大学の今野鷹輔。試合終了間際の88分、右サイドの中島祐樹からのパスを中央で確実に合わせ貴重な追加点を奪って、2-0。

優勝した玉川大学の山田信幸監督は「今回はたまたま優勝したけど、1部では上位には入れていない。秋のリーグ戦で上位に食い込みたい」と気を引き締めた。



積極的に攻めた日大商学部だったが無得点に終わる

 
 interview

玉川大学 山田信幸 監督

試合前に引き分け以上で優勝とは聞いていましたが、選手たちには「今までと同じようにやろう」と話していました。良い時間に先制点を取れたのが大きかったですね。ウチはうまい選手がいるわけではありませんが、チーム全員でまとまってやれるのがストロングポイント。それを今大会、全試合を通じてできたことが優勝の要因だと思います。





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