委員会インフォメーション


 委員会解体新書:審判委員会編
日本最多の審判員を束ねる

各委員会の目的や活動概要、今後の課題など組織としてのあり方を掘り下げる「委員会解体新書」。 第3回は日本最大数の審判員を束ねる審判委員会。 Jリーグのアセッサーでもある山田委員長に話を聞いた。





審判委員会の役割とは……

 2万1860人――。これは東京都サッカー協会に登録する、サッカー、フットサルの審判員全体の人数である。日本全体での審判員が約20万人だから、全国の10分の1が東京都協会で登録されていることになる。この大所帯を束ねている審判委員会には、どのような機関があり、どのような事業を行っているのだろうか。

【総務部】

 総務部は全体の事業の監視役です。一般の会社と同様の役割だと思ってもらえばいいでしょう。審判委員会は審判員たちから集めた登録費によって運営しています。審判の登録システムは日本では東京が最初に始めました。昔は審判委員会の運営費がなく、ハガキを出すこともできなかった。そこで審判を登録制にして運営費を負担してもらうことにしたのがスタートです。登録費は東京都協会に収められ、委員会は事業計画を立てて東京都協会に予算請求をする形で運用します。

【登録部】

 審判員の新規登録・更新・移籍、資格講習会の企画・運営に関する業務を行うのが登録部です。東京が他県と異なるのは、3級以上の審判員が他県から転入する場合は講習会の参加を義務づけていること。講習会で人柄やスキルが割り当てをするのにふさわしいかどうかを確認する目的があります。

【指導部】

 審判講習会(2級、3級、4級)やトレーニングセンター(トレセン)の事業をメインに行っているのが指導部です。最大の目的は審判員の指導育成・強化、若手審判員の発掘・育成。これらに関してはあらかじめ年間スケジュールを出して、出席率を高めるようにしています。講習会にはFIFAのレフェリーインストラクターを独自に呼ぶこともあります。トレセンはカテゴリー別にほぼ毎週行っています。

【競技部】

 東京都協会より依頼を受けた各種大会などへ審判員を割り当て(派遣)する業務を行っているのが、競技部です。審判委員会では年間に約2000試合、延べ約4000人の審判員を派遣しています。各種大会のレベルや審判員のスケジュールを考慮して割り当てをしますが、Jリーグでも笛を吹く1級審判員が中学生のカテゴリーを担当することもあります。

【インストラクター部】

 審判委員会には現在65人の審判の指導者である審判アセッサー(インストラクター)がいます。インストラクター部の仕事は、このアセッサーの試合への割り当てを行う他、講習会や研修会の企画・運営などの業務です。指導者も教えるだけでなく、常に学んでいくことが大事ですので、年2回の参加を義務づけています。講習会には外部の講師を招くこともあります。

【出版部】

 審判委員会の広報誌「ハーフタイム」の発行に関する業務を行います。

【渉外部】

 審判員同士の各種交流会などに関しての業務を行います。

【フットサル部】

 フットサル審判員の指導育成・強化を目的に、審判講習会や研修会の企画・運営を行います。業務内容は11人制と変わりません。

 山田正委員長は審判委員会の最大の課題として「指導者(インストラクター)のレベルアップ」を挙げた。審判員の数が増加し、若くてやる気のある者も出てきている中で、彼らを教える指導者にも新しい知識が求められる。審判委員会では、これからも外部の指導者などを積極的に招くなどして、指導者、そして審判員のレベルアップに取り組んでいくという。選手たちには、ゲームを支える審判員たちの努力にも目を向けてもらいたい。




PROFILE


東京都サッカー協会
審判委員会
委員長

山田 正