第62回 国民体育大会 関東ブロック大会 サッカー競技
|
少年男子、2年ぶりに全国の舞台へ |
「第62回 国民体育大会 関東ブロック大会 サッカー競技」が8月11〜13日に成年男子、女子、8月21・22日に少年男子が埼玉県で行われた。一昨年は総合優勝に輝いたが、昨年は一転して全種別で関東大会敗退。雪辱を誓って臨んだ今年は、3種別の中で少年男子が出場権を獲得、9月30〜10月4日に行われる「秋田わか杉国体 サッカー競技」に出場する。なお、女子は出場権を獲得したものの一部選手の参加資格不備によって辞退した。
|
 |
 |
|
成年男子
|
2007年8月11日(土)〜13日(月) 埼玉県・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場 他
|

泥臭くチームとして戦い最後まで千葉を脅かす
初戦の相手は、メンバー15人中14人がJFLのジェフリザーブズに所属する千葉。同クラブ所属ということで連係面にも不安のない千葉は、キックオフ直後からワンタッチ・ツータッチの速いパスワークで中盤を圧倒した。
押される展開となった前半5分、東京はペナルティーエリア内で千葉FW渡邉健雄の足を引っかけてPKを与えてしまう。「シンプルにボールを動かして失点をしないように。前半を1-0で終える」(東京・嶺岸浩二監督)というプランで臨んだ東京にとっては大誤算。さらにその後も豊富な運動量を誇る千葉に対して追加点を許し、前半を0-2で折り返す。
後半、「ウチにマラドーナのような選手はいない。みんなで泥臭く戦うチーム」と言うキャプテン・川村亮介の言葉通り、東京の全員反撃が始まった。川村率いる東京DFの必死の守りは千葉をシュートまで持ち込ませず、ボランチの河内智史を基点とした東京のカウンターアタックが牙をむく。
後半27分、東京は自陣で奪ったボールを素早く展開し、FW鶴岡学がドリブルで右サイドへ切り込んでクロス。これを途中出場のFW内山淳一がニアサイドで合わせて1-2と迫る。遅すぎる追撃弾にも見えたが、まだ東京は諦めない。32分には河内が判断良くキーパースローをインターセプトしてクロス。これを前線に上がっていたDF岩間耕平がボレーで狙うが、ボールは惜しくもGKの正面を突く。延長戦も見え始めたところだったが、試合はここでタイムアップの笛を迎えた。「今年は核となる選手がいない」(嶺岸監督)という東京だったが、チームとして最後まで可能性を見せてくれた。
|
 |
|
◆
interview |
 
成年男子
DF
川村亮介
国体はこれで5回目です。他チームの選手とコミュニケーションを取れるのが選抜の良いところ。ひとつ上のJFLでプレーする選手が相手だったが、その中でできることをやれたと思う。
|
|
女 子
|
2007年8月11日(土)〜13日(月) 埼玉県・越谷しらこばと運動公園 他
|

悪夢の連続失点…… 千葉へのリベンジならず
1回戦で栃木に5-1で快勝した東京は、千葉とのゲームに臨んだ。千葉は昨年の関東ブロック大会で敗れている相手。そのときとは東京も千葉もメンバーはほとんど変わっていない。東京にとっては絶好の「リベンジ」のチャンスとなった。
立ち上がりから積極的にプレーする東京は、8分、右サイド・斎藤有里からのクロスをFW吉川紗代が頭で合わせて幸先良く先制する。しかし15分、千葉の要注意選手である清水由香に、カウンターから同点ゴールを決められてしまう。
一進一退の展開で迎えた53分、勝ち越し点を決めたのは東京だった。海老沢有香のパスから斎藤が抜け出し、GKとの1対1を決めて2-1。
グッと勝利を引き寄せたかに見えたが、その5分後、千葉のMF大澤江梨子に特大のロングシュートを決められまたも同点に。「2点目をやられてから、チーム全体の流れが悪くなって、ドドドッと3点目を入れられてしまった」とキャプテンの山本りさが振り返るように、それから4分後の62分、右からのクロス気味のボールをGKがキャッチしきれず、痛恨の3点目を献上してしまった。1年前の雪辱を果たすことはできなかった。
敗れはしたものの、東京の奥山靖彦監督は「ボールを大事にプレーするというやり方は間違っていない」と手応えを口にした。実際に東京の2ゴールはどちらもクロス、スルーパスから決まった狙い通りの形から生まれている。
この翌日、東京は神奈川との最後の椅子をかけての出場決定戦に3-0で勝利し、「秋田わか杉国体」への出場権を獲得した。
※一部選手の参加資格不備により出場辞退
|
 |
|
◆
interview |
 
女子
DF
山本りさ
流れがこっちとあっちとで行き来したようなゲーム展開でした。いいところで決めきれなかったのと、失点後に落ち込んでしまって、立ち直るまで時間がかかってしまったのが敗因です。
|
|
少年男子
|
2007年8月21日(火)・22日(水) 埼玉県・埼玉スタジアム2002第2グラウンド 他
|

東京から息吹きつつある魅力溢れる個人の力
昨年、神奈川と埼玉の両チームに敗れて国体の出場権を逃がしている少年男子。東京のキャプテン、DFの高橋拓也は早生まれにより昨年の悔しい敗退を経験している選手だ。この日は埼玉へのリベンジを果たすべく、序盤からアグレッシブな戦いでゲームに入った。
「前線からボールを追い、高い位置でボールを奪って攻める」(田中康嗣監督)という作戦通り、東京は素早いプレスを仕掛けていく。前半15分、DFの動きを読んでボールを奪ったFW重松健太郎が、右サイドから縦に持ち込んで中央へ折り返す。このボールをFW山口潤が軽く合わせて東京が先制ゴール。その後は19分の埼玉・原口元気、28分の東京・高木俊幸と、両チーム共にDFの処理ミスを突いて得点。前半は2-1の東京リードで折り返す。司令塔の原口を中心としたパスワークが特徴の埼玉に対し、東京はピチピチした個人の力が冴え渡るサッカーを展開した。
後半に入っても東京の勢いは止まらない。3分には相手CKのカウンターからPKを獲得。これをMF玉城峻吾が決めて3-1。その6分後には埼玉にPKを与えてしまうが、GKの原田祐輔がビッグセーブ。これで流れを引き戻し、終盤にさらに1点を追加した東京が埼玉を下した。
「攻撃も守備も、流れの中で選手たちの判断に任せた。システマチックにやりすぎると、駆け引きの意識がなくなってしまう」(田中監督)という言葉が印象に残る。アジアカップの敗戦以降、個の力を育てることが重要視されている日本サッカーだが、その新しい成長の息吹きを、今日の東京チームの中に確かに感じることができた。
|
 |
|
◆
interview |
 
少年男子
FW
重松健太郎
前線から追っていくことができました。持ち味はキープ力と前を向いてシュートを打つこと。今日はどんどん走って、暑さに負けないようにしました。これぐらいの運動量なら平気です。
|
|