365日中360日サッカー
――中村選手がサッカーを始めた府ロク少年団はどういうチームなのですか。
中村 府中第六小学校のグラウンドで活動しているクラブです。僕が始めたのは小学校1年生の時。僕の小学校にはサッカー少年団がなかったので、住んでいる小金井市から自転車で20分ぐらいかけて通ってました。府六小の子もいるんですけど、府中市の近辺から集まってきている感じで、僕の時は15、6人ぐらいいました。
――府ロクは澤穂希選手(日テレ・ベレーザ/日本女子代表)など名選手を輩出していますが、何か特別な練習法があるのでしょうか。
中村 どうだろう? 僕が行く前から府ロクは有名だったから、普通にみんな上手かったですし。特別なことをするというよりは、基礎練習が多かったかな。
――1週間のうち、どれぐらいサッカーをしていたんでしょう?
中村 府ロクは週6回の練習でしたけど、それ以外の日は自分の小学校で友達と集まってボールを蹴ったりしていました。だから、毎日。小学生の時は本当にサッカー漬けだったと思います。大げさかもしれないけど、365日中360日はサッカーをしていたと思う。土日は毎週試合でしたし、1日5試合なんていうこともありましたから。
――1日5試合!
中村 そう(笑)。大会のトーナメントで負けたら、他の負けたチームと交流試合をしたりして。とにかくサッカーをするのが楽しくて楽しくてしょうがなかった。当時はそういう意識はありませんでしたけど、小学校は一番上手くなる世代だから、あの頃が今に生きているのかな、とは思います。
――それ以外に府ロクでの思い出を教えてもらえますか。
中村 府ロクはサッカーで遠征に行った時は対戦相手の選手の家にホームステイするんです。2人1組ぐらいになって。逆に遠征してきたチームの選手を僕の家に泊めたり。サッカーという共通の話題があるから気まずいとかはないし、僕は人見知りをしない性格だったので。ホームステイでは色々なところに行きましたね。富山、群馬……。ほとんど宿舎に泊まった記憶はありません。
――1人の時は?
中村 そういう時はリフティング。6年生で1000回できるようになりました。自分だけだと何回かわからなくなるから父親に数えてもらって。30分ぐらいかかったのかな。
――身長が低かったそうですが。
中村 小学校の卒業時点で136cm。ものすごい小さかったですよ。「前へ習え」でも前から2番目でしたから。大きくなり始めたのは高校生ぐらい。
――当時の選抜歴などは。
中村 小学校6年生の時に東京都選抜になったのが、プロになるまでの自分のピークです(笑)。ポジションは今よりも前で、よりFWに近いところ。本当に小学校の時が人生で一番上手かったかもしれない。思ったとおりに体が動くし、なんでもできちゃうみたいな感じだったから。小さくてすばしっこかったから、スルスルスルッとドリブルでかわすようなプレーをしていて。今とは真逆で超自己中(笑)。小学生の時はあんまりパスを出すタイプじゃなかったんです。
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