委員会インフォメーション


 フットサル委員会
第5回東京都ユース(U-18・15)大会
ガロFC U―15 念願の初優勝
 2月19日、筑波大付属高校で行われた第5回東京都ユース(U―15)フットサル大会2次ラウンド。4チーム5グループの1次ラウンドを勝ち上がった8チームによるトーナメント戦で中学生年代の東京一を決定する。
 昨年度の同大会を制している町田JFCは準々決勝でラルゴFC U―15に2―0、準決勝でFC駒沢U―15に4―1と決勝までの2試合を危なげなく勝利して、2年連続優勝に王手をかけた。少年サッカーの名門チームだけに、選手1人1人の個人技、身体能力は際立つ。後方からロングボールを蹴り込み、サイドではドリブルで突っ掛ける、いわゆる サッカースタイル のフットサルをする。
 町田JFCとは対照的なのが、反対側のトーナメントで準々決勝、準決勝のどちらも最小得点差で逃げ切ったガロFC U―15。トップチームは関東フットサルリーグに所属しており、監督もトップチームの選手が務めるため、フットサル独特のサインプレーを取り入れているのが特徴的だ。また、トップチームとも頻繁に練習試合を行っているのだという。
 決勝戦、前半はお互いに譲らず0―0で折り返す。そして後半1分、先手を取ったのはガロFC U―15の五十嵐稜。その2分後にはキャプテンの土師昂太がドリブルから左足シュートで追加点。タイムアップ10秒前には土師がゴール前に送り込んだボールを、西村幸貴が流し込み3点差で初優勝のタイムアップを迎える。
 ガロFCU―15は中学生年代では数少ないフットサルの専門的なトレーニングをしているチーム。サッカーのスキルでは上回る町田JFCに対して「フットサルで勝ったと感じています」という横江塁監督の言葉は、サッカーとフットサルの競技性の差異を表しているだろう。

interview
ガロFC U-15
監督 横江 塁

正直、嬉しいです。決勝戦では今大会のベストゲームができました。子供たちが向上心を持ってフットサルに取り組んでくれた成果だと思います。この年代ではフットサルのためのトレーニングをするチームは少ない。だからサッカーでは勝てない相手でもチャンスがあるのは面白い。




 フットサル委員会
第5回東京都ユース(U-18・15)大会
FC東京U―18 2年ぶり2度目の優勝
 U―15と同日に2次ラウンドが行われた東京都ユース(U―18)フットサル大会では、FC東京U―18が決勝戦でラルゴU―18とPK戦にまでもつれ込む大熱戦の末に、2年ぶり2度目の優勝を達成した。
 U―18のカテゴリーでは筑波大付属高、府中東高2nd、成立学園高など高校のチームの奮闘ぶりが印象的だった。準々決勝で筑波大付属高は2―5、成立学園高も0―5、準決勝で府中東高2ndは2―6といずれも3点差以上をつけられて敗退している。
 それでも、彼らの多くはサッカー部を引退した後も、「ボールを蹴りたい」という気持ちを持っている選手たちである。
 今大会のように高校生が卒業前にフットサルの面白さを体験することで大学生、社会人になってからも引き続きプレーするきっかけになれば、より一層の競技人口の拡大にもつながるだろう。
「ボールを蹴りたい」という気持ちでは優勝したFC東京U―18も同様である。「Jリーグ、プロを目指している環境下ではどうしても競技志向が強くなる。だからフットサルという違ったフットボールに触れることで『ボールを蹴るのは楽しい』というのを思い出してもらいたい」(長島裕明監督)。
 その一方でラルゴU―18のように本格的にフットサルに取り組んでいるチームもある。決勝戦、U―18サッカー日本代表候補のいるFC東京U―18に対して、ラルゴU―18が残り1分までリードしていたのは、今大会へのモチベーションで上回っていたからだろう。
 残り55秒でFC東京U―18が3―3に追いついてからのPK戦は、最終的に8人目まで蹴り合って、筑波大付属高のピッチを取り囲んだたくさんのギャラリーに肌寒さを忘れさせた。

interview
FC東京 U-18
監督 長島裕明

Jリーグ、プロを目指している環境下ではどうしても競技志向が強くなる。だからフットサルという違ったフットボールに触れることで「ボールを蹴るのは楽しい」というのを思い出してもらいたい。体育館の床でプレーするのも、ボールのサイズが違うのも新鮮に感じていました。




 技術委員会
2005年おかやま国体 東京都、総合優勝!!
5年ぶり4度目の総合優勝 各カテゴリーの努力の結実

 2005年9月9日から13日まで岡山県で開催された、第60回国民体育大会「晴れの国おかやま国体」夏季大会のサッカー競技において、東京都は総合優勝を成し遂げた。激戦区の関東ブロック大会、通称ミニ国を勝ち抜いた東京都代表は、本大会でも成年女子が優勝、成年男子がベスト8、少年男子が4位という堂々たる成績を収めた。年が明けて2月9日、5年ぶり4回目となる総合優勝を祝して、味の素スタジアム・レセプションホールでは選手、監督、スタッフが集まり祝賀会が賑々しく行われた。

 
2連覇、3連覇を目指していきたい
   2005年おかやま国体サッカー競技で総合優勝を果たせたことを、非常に喜ばしく思っています。私自身、各会場まで足を運んで皆さんのプレーに声援を送りました。
 成年女子は日テレ・ベレーザから全面的な協力を得られたので、順当に行けば優勝できるだろうと思っていました。1点を争うゲームとなった兵庫との決勝戦を観戦中、ハーフタイムに「こういうときは荒川(恵理子)選手が入れそうだな」というインスピレーションが浮かんだのです。そして、決勝点は予想通り荒川選手。荒川選手、ありがとうございます(笑)。
(財)東京都サッカー協会
会長
安田一男
 少年男子にもJリーグの下部組織、ヴェルディユース、FC東京U―18の選手がいるので4位は期待通りです。彼らは関東ブロック大会では苦戦していますが、少年男子は、毎年メンバーが大幅に入れ替わるので、苦戦したことにより、チームとしてまとまることができたのだと思います。
 成年女子、少年男子から成績的には見劣りするかもしれませんが、成年男子が1回戦で勝利しなければ総合優勝はありませんでした。2回戦で敗れはしましたが大健闘だといえます。
 東京の総合優勝は4回目ですが、これは埼玉(11回)、神奈川(8回)、茨城(6回)、大阪(5回)に次ぐ回数です。また、1996年からでは3回目となり、東京のサッカーは確実に力をつけています。これからも選手、スタッフが一丸となり2連覇、3連覇を目指したいと思っております。
 
痛感した国体を制する難しさ
   昨年は国体の優勝はもちろん、日テレ・ベレーザではL・リーグ、全日本女子選手権でも優勝して女子サッカーで3冠を達成できました。その上、1年間を無敗で乗り切れたのも嬉しいです。
 日本代表選手が何人もいることもあり、周囲からの「優勝するのは当然」というプレッシャーは感じました。それでも、国体で勝つには独特の難しさがあります。一つ目は炎天下の中での4連戦は体力的に厳しいこと。二つ目はL・リーグと異なる、朝早くのキックオフに慣れるまでに時間が掛かること。それだけにいわゆる楽に勝てる試合というのは、本当に1つもありませんでした。
成年女子
キャプテン
酒井與恵
実際に1回戦の新潟戦では先制点を奪われています。
 日テレ・ベレーザの単独チームとして国体に出場するのは初めてでしたが、コミュニケーションも取れているし、それぞれのプレーを分かり合えているのはアドバンテージです。また、大会前には自主的にミーティングを行って、「まずは国体で優勝して弾みをつけよう」とチーム内の国体に対する気持ちを確認しました。
 来年度の国体は兵庫で開催されるので、決勝で私たちに負けている兵庫は恐らくリベンジに燃えているはず。L・リーグ、日本代表との兼ね合いもあるので、現段階で出られるかどうかはわかりませんが、アウェーで兵庫に勝って2連覇をすることができたら最高ですね。

 

 

3冠のきっかけは国体優勝
   普段のL・リーグとは環境面で全く違うので、その中で戦うことの難しさを感じさせられました。1回戦では苦戦しながらも、準々決勝、準決勝と勝ち進むにつれて、ようやく本来の実力を出せるようになりました。
 L・リーグだと試合前に大体の力関係はわかります。しかし、国体では戦ってみるまで未知数の部分があるので、もしも試合中に油断や隙を見せると命取りになってしまいます。その点では緊張感を保ち続けることができて、貴重な実戦機会になりました。
成年女子
監督
松田岳夫
 私たちは単独チームなので国体のためのチーム作りをするのではなく、戦う上で重要視したのは「持っている力を全て出そう」ということです。日テレ・ベレーザは世界に目を向けているので、今年1年間はコンビネーションを高めることよりも、個人を高めてきた成果が国体の優勝につながったのだと思います。
 また、国体では澤(穂希)、川上(直子)がレギュレーションの関係で出られないので、逆に出場機会の少ない選手を試すことができました。そのチャンスをモノにしたのが岩清水(梓)。それまでは豊田(奈夕葉)のサブでしたが国体で見せたパフォーマンスが素晴らしく、その後のL・リーグでもレギュラーを奪い取って日本代表にも選出されました。彼女のような控え選手の台頭がなければ、その後の3冠もなかったと思います。
 
 

選手、スタッフのチームワークが勝因
   個人的には「2回戦で負けるとは思わなかった」というのが本音です。それでも国体ではベスト8以上がポイントに加算されるので、1回戦で勝ったことで少しでも貢献できたのは良かったと思います。
 成年男子は駒沢補助競技場で週1回の練習会を行ってきたのですが、トレーニングではオンとオフのメリハリがハッキリついています。また、国体の合宿期間中は選手同士でも積極的に話し合うようにしています。
成年男子
監督
嶺岸浩二
 例年は関東ブロック大会を勝ち上がれば、ある程度のところまでは行けるのですが、2回戦の兵庫戦で延長戦までもつれ込みながらも負けてしまったのが残念でなりません。
 東京の総合優勝に関しては選手、スタッフのチームワークが最大の勝因だと思います。また、私たちには社会人連盟からの心強いバックアップがあったのも忘れてはいけません。今回は成年女子、少年男子に引っ張ってもらうような感じになりましたが、これまで3度の総合優勝では成年男子が1位になっています。今後は成年男子の復活に向けて頑張ります。
 来年度に関しては、もう1度リセットして選手をピックアップすることになります。そして、兵庫での国体では絶対に勝ちたいと思います。
 

 

ミニ国で苦しみぬいたのが奏功した
   ミニ国(関東ブロック大会)でかなり苦しんだのが、本大会で4位になった要因だと思います。1回戦で千葉に手も足も出ずやられて、栃木戦で苦しみ抜いた末に本大会の出場権を獲得して、「みんなともう少し一緒にサッカーができる」という嬉しさを再確認することができました。
 少年男子の共通の課題点はクラブユースと高体連のバランスですが、東京はクラブユース9名、高体連が6名でバランスは取れている方です。実力的には高円宮杯でヴェルディユースが日本一になったように、高体連よりもクラブユースのチームが上回っているのは事実です。
少年男子
監督
竹原康夫
 確かに技術面ではクラブユースに軍配が上がりますが、精神的な部分で高校の選手の方が鍛えられている。クラブユースと高体連が融合することで両者の不足点を補い合い、より強固なチームになるはずです。
 ミニ国のときには「勝ちたい」という気持ちが希薄に感じられた彼らですが、国体では1試合1試合を戦うごとにチームとしても個人としても飛躍的に逞しくなったのはユース年代ならではだと思います。
 来年度から少年男子はU―18ではなくU―16年代になります。U―16ではU―18よりも東京が優位に立っているので優勝する可能性は高くなるはずです。