委員会インフォメーション

 審判委員会
1・2級審判員 トレーニングセンター
1級審判員のフィードバックを生かす
2級審判員の強化は東京都の最重要課題
 1・2級審判員トレーニングセンターが8月2日、駒沢公園第2球技場にて行われた。
 指導部員を指揮し、トレーニングを行わせているのは、1級審判員としてJリーグでも笛を吹いている牧野明久審判委員会育成部長だ。
「月に2回、基本的には三菱養和会スポーツセンターで行っています。1・2級となっていますが、実際には2級審判員の強化が目的です」
 トレーニングがスタートしてから1時間ほどはひたすら走りっぱなしである。だからといって、闇雲に走っているわけではない。走り方、スピードが小刻みに変わっている。
「試合で起こりうる場面を想定して走っています。サイドステップ、バックステップ、それからダッシュなど。ダッシュのスピードだけでも50%、70%、100%と何段階も変化を入れます。どういうときに全力で走るのか、試合のシチュエーションを頭でイメージすることが大切です」
 この日のトレーニングで特に重点的に行われたのが徐々に適用され始めているオフサイドの新ルールについて。従来の反則を取る判断基準である「積極的に関わっているかどうか」から、「味方が出したか触れたボールに触る」、「相手の視線を遮ったり惑わすような仕草で相手のプレーを妨げる」など具体的に定義付けしたのが主な変更点だ。新ルールに沿って様々なシチュエーションを実演すると、「これはオフサイドだろう」、「いや、オフサイドじゃない」など参加者の間でも積極的なディスカッションが交わされる。大体の意見が出揃ったあたりで、牧野部長ら1級審判員が判定する際の注意点をレクチャーする。
「すでに机上では確認しているのですが、ボールと人を使って実践的にやるのとはまた違うものです。ポイントである相手競技者に干渉しているのかどうかに関しては、非常に微妙なところなので色々な意見がありました」
 このように1・2級審判員トレーニングセンターではJリーグ、JFLなどで1級審判員が感じたものを2級審判員にフィードバックすることによって、判断基準の統一を計っている。
「判定の幅が広がりすぎて、ジャッジが人によって変わってしまうのは困りますからね。できるだけ幅を揃えるためには伝達することが欠かせません」
 東京都サッカー協会が主催する大会において2級審判員が担っている役割は極めて大きい。なぜなら、1級審判員は関東以上の大会を割り当てられるので、東京都では必然的に2級審判員がメインで活動するからだ。
「選手たちは真剣にトレーニングをして試合に臨んでいるわけですから、審判員にも2級審判員としての心構えをしっかりと持ってもらいたいですね」
   そして、今後は3級審判員の育成にも力を注いでいくのだという。
「今年から3級審判員トレーニングセンターも月に1回、カリキュラムを作成して進めています。これまでは指導部が3級審判員に実技を教える場面が少なかったのですが、これからは若手の育成も重要な役割になります」
 昨今、レフェリーの判定が議論の対象になることが目立っているだけに、より一層のレベルアップを期待したいところだ。
(財)東京都サッカー協会
審判委員会育成部長
1級審判員
牧野明久

 




 フットサル委員会
ティファールカップ
第2回 全日本女子フットサル選手権大会 東京都大会
女子フットサルの日本一を目指して
 7月24日、青梅市立総合体育館においてティファールカップ第2回全日本女子フットサル選手権大会東京都大会の1次ラウンドが開催された。
 18チームが6グループに分かれて戦い各グループ1位と、各グループ2位の中で上位2チームの計8チームが8月27日に東久留米スポーツセンターで行われるトーナメント方式の2次ラウンドへと駒を進める。
 東京都大会で優勝すると駒沢体育館で行われる11月5日、6日の決勝大会への出場権を獲得する。2位、3位は関東大会で出場権を争う。
 年を追うごとに競技レベルの向上、認知度のアップが見られるティファールカップ、そして女子フットサルの現状について、梶野政志フットサル委員長にお話を聞いた。

東京都が動かないと日本全体が動かない

   女子フットサルの日本一を決めるティファールカップは、00年の第1回のときには全国大会ではなく東京中心で8チーム、出場選手の最高齢が60歳ぐらいのいわゆる「ママさんチーム」による小規模の大会でした。
 それから01年の第2回では関東8都県予選が始まり、03年の第4回から全国大会となりました。本来なら第5回に当たる04年より、なでしこジャパンなど女子サッカーの盛り上がりも追い風となって、日本サッカー協会が主催する「第1回全国レディースフットサル大会」として本格的なスタートを切ったのです。
(財)東京都サッカー協会
フットサル委員長
梶野政志

 東京中心から関東へ、そして全国とティファールカップが着々とステップアップできた要因には、フットサルが女子に向いているスポーツだというのが挙げられます。フットサルはサッカーと違ってボディコンタクトが少ないですし、体育館か人工芝でプレーするのでユニフォームが泥だらけになる心配もない。そういった手軽さが女子にも受け入れられたのでしょう。
 前年度のティファールカップではパラレッズ フットサル 世田谷が優勝、全国選抜フットサル大会でもエキビションながら東京都選抜が優勝するなど、実力的には東京は突出しています。
 それだけに課題となるのは男子と同様にフットサルのできる体育館を増やすことです。フットサルが後発のスポーツであることは確かなので、既存のスポーツに加えて開放してもらえるように訴えていきたいと思います。
 フットサル委員会としては、今後は男子と女子が混合しているミックス大会の公式戦の開催を検討しています。バレーボールもバスケットボールも体格的なハンデがあるので男女混合は難しい。男子と一緒にプレーできるのはフットサルぐらいではないでしょうか。3年目を迎えた女子リーグでも、来年度からはチーム数が増えてきたこともあり2部リーグを設ける予定です。
我々が動かないと日本が動かない。そういう自覚を持って、これからも女子フットサルに対して取り組んでいきたいですね。