試合レポート

 平成16年度 第37回 関東大学サッカー大会 参入戦  千葉市稲毛海浜公園球技場
Bブロック 拓殖大学 1-0 國學院大學
地区予選を勝ち抜いたチームによるサバイバルレース。
拓殖大学が國學院大學を下して関東リーグ2部へ昇格

 11月7日、平成16年度第37回関東大学サッカー大会参入戦が千葉市稲毛海浜公園球技場で行われた。
 東京、神奈川、埼玉、千葉、北関東の地区予選を勝ち上がった16チームが4チームずつの4ブロックに分かれて戦い、各ブロックの上位2チームが関東リーグ2部へと自動昇格する。
 Bブロックの第2戦では、共に東京都リーグに所属する拓殖大学と國學院大學が対戦した。
第1戦に勝利した拓殖は、この試合に勝てば参入が決定する。すでに1敗している國學院は、負ければ昇格の可能性が絶たれてしまう。お互いの置かれた状況から、白熱した試合が予想された。
 試合開始から拓殖がボールを支配する展開となるが、なかなかシュートまで結び付けることができない。逆に、國學院は鋭いカウンターから何度かゴールを脅かす。一進一退の攻防が続くが、無得点のまま前半を終えた。
 後半、先に動いたのは拓殖だった。後半11分に「うちの絶対的なエース」(玉井朗監督)であるFW猿田浩得をMFに下げて、FWを2人同時に投入する。この交代で流れを引き寄せると、後半32分にクリアボールを拾った猿田のパスに浜崎真人が合わせて、待望の先制点を奪う。
 その後、國學院の反撃を凌いだ拓殖が1-0で勝利を収め、関東リーグ2部への切符を手にした。

interview 拓殖大学 監督 玉井 朗

2位以内を確保することができて嬉しい。大学サッカーは勝つことはもちろん大事だが、選手が自主的に考えることが必要。今年のチームは4年生が下級生のお手本になってくれて、非常にいい雰囲気を作っていた。こういったことを来年も継続していきたい。




 第1回 東京都マスターズリーグ(O―40)  府中の森公園サッカー場
第7節 高麗SC 0-0 アリアンサ
年齢を感じさせない若さ溢れるプレー
高麗SCが無敗で2年連続の優勝を決める

 第1回マスターズリーグの最終節が、府中の森公園サッカー場で行われ、高麗SCがアリアンサと0―0で引き分け無敗での優勝を決めた。
 35年前に東京朝鮮高校サッカー部のOBで結成した高麗SCに対し、これまでのサッカーで戦って来た各チームの有志がシニアになって改めて集まったアリアンサ。
 「これまでは一定の年齢を過ぎると、真剣勝負の場がなかった」と、東京都マスターズリーグの常任委員を務める林志寿雄氏がリーグの趣旨を話す。
 東京都シニアサッカー連盟は「生涯サッカーを楽しみましょう」をスローガンに掲げるだけあり、ルールにも工夫を凝らす。
 一つが、交代に制限がないという点。これにより体力の消耗を最大限に防ぎ、質の高い戦いが可能になる。そして、真剣勝負を戦い終えると20分のフレンドリーマッチを行う。多くの人にサッカーを楽しんでもらうための配慮である。
 来期より、東京都マスターズリーグ(TML)、東京都スーパーマスターズリーグ(SMSL)、三多摩シニアリーグ(SSL)の各リーグの上位に入賞した10チームによって、トップリーグが開催される。
「これからはJリーグなどを引退した選手がプレー出来る場としても発展していきたい」(林氏)
 今までにも増して、年齢を感じさせない真剣勝負が繰り広げられることは間違いないだろう。

interview 東京都シニアサッカー連盟 常任委員 林 志寿雄

40代ですが、今でも現役バリバリの選手ばかりです。楽しめるサッカーと、競い合うサッカー、両方の面を持った取り組みにしていきたいですね。昨年、東京都はシニアチームの登録数が全国で3位でしたが、今年から1位になりました。東京都が中心になってシニアサッカーを引っ張っていきたいと思います。




 第24回 さわやか杯 東京都少女サッカー大会  駒沢公園第二球技場
決勝 FC小川ドルチェ 0-1 バディフットボールクラブ
ロスタイムのゴールで白熱の戦いに決着
バディフットボールクラブが少女の頂点に立つ

 さわやか杯東京都少女サッカー大会は1981年から開催されている伝統ある大会で、今年で24回目を数える。過去には、なでしこJAPANの一員としてアテネ・オリンピックでも活躍した小林弥生(日テレベレーザ)も出場している。
 晴天に恵まれた12月26日、決勝へと勝ち進んだFC小川ドルチェとバディフットボールクラブが対戦した。
 開始30秒、小川ドルチェは後藤真唯がDFラインの裏に抜け出すが、このシュートはGKに弾かれて先制はならず。
 バディのチャンスは3分。コーナーキックに合わせた田中真理子のヘディングシュートはゴールマウスを僅かに逸れる。
 決勝らしい白熱した戦いは、0―0で前半を折り返す。
 後半7分には、小川ドルチェがピッチをワイドに使った素晴らしい攻撃を見せる。オーバーラップしたDF田口紗和子のパスを、小田部優里が左サイドで受けてセンタリング。しかし、決定的なチャンスもゴール前の武田華穂がミートしきれない。
 誰もがPK戦に突入すると思った終了間際の39分。跳ね返ったボールを拾ったバディの依田夏希が、ペナルティエリア外から思い切り良くミドルシュートを放つ。GKも必死に触るが、ポストに当たったボールはゴールへと吸い込まれた。
 間もなくタイムアップの笛が鳴り、バディが劇的な幕切れで第23回大会に続いての連覇を達成した。

interview バディフットボールクラブ 監督 太田 直子

 前日に6人の選手が体調を崩していました。今日は「どうしても出場したい」という選手の気合いで勝ったのかもしれません(笑)。普段の練習はフットサルコートで行っているので、試合では自由にプレーするように言っています。それぞれがドリブルで勝負できるようなテクニックを持ったチームが理想ですね。




 第13回 埼玉県・東京都社会人サッカー連盟選抜交流試合 西が丘サッカー場
決勝 東京都リーグ選抜 0-1 埼玉県リーグ選抜
リーグから選抜された選手たちによる高レベルな戦い
埼玉県リーグ選抜が通算成績で勝ち越すつ

 13回目(平成12年度は降雪のため中止)を数える埼玉県・東京都社会人サッカー連盟選抜交流試合。
 ここまでの通算成績は5勝5敗1分と全くのイーブンだが、過去3年間の成績では2勝1分と東京都が優位に立っている。
 東京都は前半を自分たちのペースで戦う。壇原亘と佐々木剛の2人がサイドにボールを散らして、オーバーラップしたDFが絡む攻撃が機能する。
 30分、竹中譲が落としたボールを壇原がダイレクトでDFラインの裏のスペースへ放り込む。だが、走り込んだ窪田慎吾の冷静にコースを狙ったシュートは、無情にもポストに阻まれる。
 後半に入ると、埼玉県はフレッシュな選手を次々と投入して、疲労から足が止まり始めた東京都を攻め立てる。
 その埼玉県の中でも突出した存在感を放っていたのが、後半からFWにポジションチェンジした杉尾浩平。爆発的なスピードに加えて、正確なボールコントロールは東京都にとって脅威だった。
 試合を決めたのはやはり杉尾。34分、ペナルティエリア付近でボールを受けると即座にミドルシュートを放つ。GKの指をかすめたボールは見事にサイドネットを揺らした。
 東京都の白石兼康コーチは「取られてもいいから攻めろ!」と激を飛ばすが届かず。東京都のホーム、西が丘サッカー場で勝利した埼玉県が通算成績でも勝ち越すことに成功した。

interview 東京都社会人 サッカー連盟 委員長 杉山 楊二

 東京都と埼玉県の交流を図ることが目的です。実力が拮抗しているのでいつも接戦になります。来年は絶対に勝ちたいですね(笑)。4年前から役員同士の試合も始まりました。会議で会うだけではなく、一緒にボールを蹴り合えるのは大きいと思います。




 平成16年度 新人選手権都大会 つばさ総合高校
実践学園高校 5-0 本郷高校
昨年度の覇者、実践学園が攻守に渡って本郷を圧倒
貫禄の5得点で連覇に向けて好調なスタート


 高校サッカーの新たなシーズンの到来を告げる新人選手権都大会。
 昨年の同大会を制した実践学園高校は1回戦で駒大高校を1-0で辛くも退けると、2回戦は本郷高校との試合に臨んだ。
 キックオフから実践学園が攻め立てる。試合が動いたのはのは7分、相手のゴールキックをハーフェーライン付近で跳ね返すと、そのボールを拾った柳川敦史の技巧的なシュートで先制する。
 18分には、右サイドからのアーリークロスを高橋拓也が左寄りのポジションで受けると、そこからドリブルで切れ込み右足一閃。これが左サイドネットに突き刺さった。
 実践学園・深町公一監督が「新チームになって期待している選手」に名前を挙げた2トップのゴールで、2-0として前半を終えた。
 後半に入ると、ビハインドを背負った本郷が果敢に攻めるが、実践学園の堅い守りを崩すことはできない。逆に50分、中央から高橋拓也がDF3人を引き連れながらドリブル。強引にシュートまで持っていき、その差を3点とする。
 決定的なリードを奪うと、実践学園は選手交代のカードを切ってくる。その中の一人、1年生の沼田隼努が起用に応える大活躍。登場から5分後の72分、右サイドからのクロスボールをボレーシュートすると、GKが弾いたところを自ら詰めて1点目。その直後にも、逆サイドからのセンタリングを頭で合わせて2点目を叩き出す。
実践学園が本郷を5-0の大差で下し、3回戦へと駒を進めた。

interview 実践学園高校 監督 深町 公一

 新しいチームになって3試合目なので、細かいことよりもシンプルにスペースを使うように指示を出しました。勝たないと自信になりませんから。目標は先輩ができなかった全国大会での1勝に設定しています。




 第14回 専門学校会長杯争奪戦 駒沢第一球技場
東京健康科学専門学校 0-1 東京リゾート&スポーツ専門学校
昨天皇杯へと道が続いていく重要な大会
1点を争う白熱の攻防は終盤までもつれる


 2月11日に行われた第14回会長杯争奪戦兼東京都トーナメント予選の2回戦。東京健康科学専門学校と東京リゾート&スポーツ専門学校が対戦した。
 試合開始からチャンスを作り出したのは健康科学。11分、カウンターから大貫正貴が鋭いシュートを放つが、僅かに逸れてサイドネット。この後も健康科学が何度かゴールを脅かすも、決められないうちに流れはリゾート&スポーツへと移っていく。
 リゾート&スポーツは際立つテクニックを持つボランチの小笠原雅英と、抜群のスピードを誇る右ウィングバック・福留浩一のコンビネーションで右サイドを制圧する。しかし、クロスボールが正確性を欠き、前半はシュートまで持って行けない場面が目立った。
 後半に入ると、リゾート&スポーツが攻めて健康科学が守るという構図が顕著になる。39分、FWにポジションチェンジした黒田豪に決定的なチャンスが訪れるが、シュートは枠を捉えられず。それでも、良質なイメージの攻撃を繰り返していたリゾート&スポーツにサッカーの女神は微笑んだ。
 60分、右サイドを黒田がドリブルで突破。その外側を駆け上がった福留にDFが気を取られたことで、黒田は余裕を持ってセンタリングを送る。これを逆サイドから走り込んできた樫村祐一が落ち着いて合わせて、待望の先制点を手に入れた。
 10分強の残り時間、健康科学はロングボールを多用して同点にしようと試みるが実らず、リゾート&スポーツが1-0で勝利した。


interview 東京リゾート&スポーツ専門学校 キャプテン 小柳 真祥

 今日は普段どおりの戦い方ができました。でも、ちょっと熱くなりすぎたのが反省材料です。専門学校の部活は、自分たちが主体で活動できるところが魅力ですね。この大会で引退なので、次の試合も思い切って戦います。



TOPICS

 2004Jリーグヤマザキナビスコカップ 11月3日 国立競技場
 FC東京 0―0 PK(4-2) 浦和レッズ
FC東京、悲願の初タイトル
 2004Jリーグヤマザキナビスコカップで勝ち進んだFC東京は浦和レッズとの決勝に臨んだ。29分に守備の要・ジャーンが退場するアクシデントに見舞われたが、残った10人で120分を守り抜くと、PK戦を4-2で制して悲願の初タイトルを獲得した。

 第84回 天皇杯全日本サッカー選手権大会 1月1日 国立競技場
 東京ヴェルディ1969 2-1 ジュビロ磐田
東京ヴェルディ1969が8年ぶりの歓喜
 東京ヴェルディ1969が8年ぶりに勝利の美酒を味わった。第84回天皇杯全日本サッカー選手権。強豪のジュビロ磐田に対し、退場者を出しながらも53分の平本一樹の決勝点で、前身の読売クラブ、ヴェルディ川崎時代を通じて5度目となる日本一を達成した。

 第26回 全日本女子サッカー選手権大会 1月1日 国立競技場
 日テレベレーザ 3-1 さいたまレイナスFC
女王に輝いたのは日テレベレーザ
 第26回全日本女子サッカー選手権大会は、日テレベレーザがさいたまレイナスFCを3-1で下して、兄貴分の東京ヴェルディ1969とのアベック優勝を果たした。2回戦からの4試合を全て2点差以上で勝つという、最強軍団の名に相応しい強さだった。

TFA Tリーグ U-18 2005
 平成17年度より東京都サッカー協会では2種チームによるリーグ戦を開催することになりました。このリーグは関東プリンスリーグで戦えるチームを高体連とクラブユース連盟の合同委員会で選出し、4月開催に向け準備を進めてきたものです。リーグは1部と2部の構成で、1部リーグで成績の良いチームが関東プリンスリーグに参入し、1部と2部の入れ替えも行われます。現在(1月末)のところ開幕戦に向け準備が進んでいますが、今年度は「リーグ戦を行う」ということを主とし、徐々に環境整備を行いたいと思います。
《1部チーム》帝京・東海大菅生・国学院久我山・国士舘・堀越・暁星・都立久留米・都立駒場・実践学園・修徳(以上高体連)
三菱養和・FC東京(以上クラブユース)
《2部チーム》保善・東亜学園・都立国分寺関東一・駒澤大学・都立三鷹・都立日野台
正則学園・成立学園・駒場学園・中央大学附属・東京朝鮮・駿台学園・東京・早稲田実業
城北・東海大高輪台(以上高体連)
杉並FC 横河武蔵野・トリプレッタ(以上クラブユース)