TOKYO FA's Pick UP

 
JFAキッズ(U-6)プログラム巡回指導
「ボールをることは楽しい」と知ってもらおう

未来のスーパースターはここから生まれる?
 晴天に恵まれた1月17日、富士見丘小学校のグランドに集まった昭島市昭和郷保育園の総勢47名の子供たち。
 日本サッカー協会の川淵三郎キャプテンが掲げたキャプテンズ・ミッションの一つであるJFAキッズ(U‐6)プログラムの巡回指導の光景である。2003年の10月から開始して、今回で11回目の開催となる。
(財)東京都サッカー協会
キッズプロジェクトリーダー
金澤 安昭
 東京都サッカー協会キッズプロジェクトリーダーを務める金澤安昭氏は語る。
「幼児年代からのサッカーの普及・浸透を目的としています。大切なのは、未体験の子供たちに『ボールを使って遊ぶことは楽しい』と感じてもらうことです」。
 運営は東京都サッカー協会で行っているが、実際の指導は東京都に本拠地を構えるFC東京と東京ヴェルディ1969から派遣されるコーチが行う。

「元プロの選手たちなので、子供たちの見本になる技術があります。それに、指導したJリーグのチームを覚えてもらえるというメリットもあります」。
 準備体操を終えると、緑の帽子の年長組(6歳児)と、青の帽子の年中組(5歳児)に分かれる。
「この年代における1年というのは神経系の発達が大きな差がありますよね。年長組と年中組では心身の発達に合わせて違うトレーニングを組んでいます」。
 年長組は最初からボールを使ってのトラップ、ドリブルなどから始める。年中組はコーンやマーカーを組み合わせた4通りのコースを横歩きやジャンプをしながら走る。
 トレーニングの合間に、コーチが「さすがは元プロ」という技術を披露すると、子供たちの目がキラキラと輝くのが見て取れる。
 巡回指導の最後には小さなコートを作ってゲームを行う。このゲームでは、いつもある現象が起きるのだという。
「最初は敵味方関係なくボールを追い掛け回していましたよね。でも、見てください。ゴールの前に立っている子供がいます。あれはGKです。ボールに群がる輪から離れて、ゴールの近くにいる子もいる。FWですよね。自然と『点を取られたくない』、『点を取りたい』という気持ちが芽生えるから、ああいう行動を取るんですね」。
 ボールを蹴り終えた後の、子供たちの笑顔が何よりも嬉しいと金澤氏は言う。そして、この日の1時間をどのように生かしていくかが重要である。
「子供たちがもちろん中心ですが、それを取り巻く保育園の保育士や、幼稚園の教諭、見学に来た保護者の方にも興味を持ってもらいたい。巡回指導をきっかけにして、引き続きボールと触れる機会を作って欲しいですね」。
 昨年度、西が丘サッカー場とアミノバイタルフィールドで開催されたJFAキッズフェスティバルには100チーム以上、述べ2000人近くが参加した。キッズからのサッカーへの関心は確実に高まっていると言えるだろう。
   
「サッカー」という括りではなく、あくまでも「ボール遊び」
コーチの面白いトークに子供たちから笑い声が起きる