TOKYO FA's Pick UP

2013 東京国体強化プロジェクト
4年後の2013年、多摩を中心に「東京国体」が開催される。
東京都サッカー協会では、「国体強化プロジェクト」を立ち上げた。 成年、少年、女子のそれぞれの種別で、地元開催の国体での好成績を目指し、チーム強化が始まっている。

「チーム東京」で総合優勝を目指す

 都道府県持ち回りで毎年開催される、国内最大の国民スポーツの祭典――それが「国体」こと国民体育大会である。4年後の2013年、55年ぶりに東京で国体が開催される(東京開催は3回目)。
 国体におけるサッカーのカテゴリーは、成年男子(17歳以上〜)、少年男子(16歳以下〜中学3年)、女子(中学3年以上〜)の3種別で行われる。東京は1955年、1997年、2000年、2005年と4度の総合優勝を達成している。とはいえ、2006年、2009年は全種別が関東ブロック予選で敗退するなど、「強い東京」を全国に発信できていないのも事実である。
 通常の国体は関東ブロック予選を勝ち抜いて出場権を獲得するが、地元開催時はブロック予選なしで本大会に出場することができる。地元開催では全種別での上位進出と総合優勝が目標になる。そのため、昨年11月、当協会では、2013年の東京国体に向けた「国体強化プロジェクト」を立ち上げた。
 各チームから優秀な選手を召集するための所属クラブとの交渉や、練習会の日程の調整など、チーム強化に関する作業は多岐に渡る。プロジェクトチームは上野二三一東京都協会副会長をリーダーに、小泉修技術委員長、山下正人強化部長ら、各種別の中心人物により編成したが、密な連携が必要不可欠である。
 1月19日、少年男子のカテゴリーでは4年後に少年男子チームの選手としての出場が期待される、U-12年代の選手を集めて5回目の強化練習会が行われた。この中から4年後の東京国体で羽ばたく選手は出てくるのだろうか。
 すでに、4年後に向けた「チーム東京」の戦いは始まっている。




東京国体・強化練習会
スタッフインタビュー


左から小野寺章コーチ
宮坂拓弥チーフコーチ
小金丸浩志GKコーチ

――この国体強化練習会が通常の東京トレセンと違うところはどこなのでしょうか?
宮坂 「東京国体」というわかりやすい目標が4年後にあることです。昨年9月16日に第1回の練習会を行った際には、上野副会長、山下強化部長、齋藤登ユースダイレクターに来ていただいて、お話をしてもらったんですが、和やかなムードが一気に引き締まった。大事な大会があるんだということは子供たちもわかったと思います。
小野寺 東京トレセンとの大きな違いはJクラブ(FC東京、東京ヴェルディ)の選手も参加していることです。東京トレセンには中学3年生まで参加しないのですが、国体強化練習会はJクラブの選手も一緒に練習を行っています。
――練習会のコンセプトはどのようなものでしょうか?
宮坂 人間性の部分はきっちりとやろうということは重要視しています。挨拶や言葉遣いがちゃんとできる、準備や片づけを率先してできる。ただサッカーがうまければいいのではなく、人間性を磨いてほしいと思っています。試合中の苦しい場面で頼りになるかならないかはそういうところで決まってくるもの。練習後には「振り返りシート」といって、5分間でその日の感想や課題などを書かせています。最初は全然書けなかった選手も、練習を重ねるごとに書けるようになっています。
小金丸 練習内容としては東京トレセンと同じベクトルを向いています。練習前には必ず3人のコーチで話し合いをしているのですが、今年度の練習会では「パス&コントロール」のトレーニングを重点的にしようということになりました。受け手の選手の動き出しや、出し手の選手のパスなど、細かい部分の意識付けをしています。
――この中から4年後の国体メンバーはどれぐらい入ってくるのでしょうか?
宮坂 それはわかりません。何人も入るかもしれないし、もしかしたらゼロかもしれない。だから、僕たちからは、今選ばれている選手には、「これで決まったわけではない」、今選ばれていない選手には「これからもチャンスはある」ということを言いたいです。これからの4年間でそれぞれが選手としても人間としてもレベルアップしていって、東京で行われる国体で活躍してもらえたらと思っています。