連盟ニュース

 
 東京都少年サッカー連盟
「サッカーの楽しさをより多くの人に」
東京都少年サッカー連盟
委員長
佐藤 祐治史

 技術を持つ子どもたちに国際経験をつませようと、昨年からドイツと交流を始めました。トレセンなど強化の中で優秀な選手をピックアップして8月の1週間、東京都は友好都市関係になる、ベルリン市に滞在して、現地で試合を行ったり、ホームステイをするなどして、サッカーの通じて交流を深めました。 
 今年は逆に日本に来てもらい、合同での練習や、試合、大会参加、そしてホームステイを行いました。
始めはとまどっていた子どもたちでしたが、一緒に行動するうちにすっかり仲良くなり、子どもたちの順応速さに驚かされました。少年たちによい環境で、よい経験をつませる。これは連盟だからこそできることだと思っています。

 「良い指導者が良い選手を育てる」という考えから指導者育成にも力を注いでいます。たとえば、FC東京や、ヴェルディの協力を得て、各チームに指導者を派遣してもらい、実際に子どもたちを教えてもらう。優秀な指導をじかに見せることによって各チームの指導者の研修にもなるわけです。又、2005年からは登録する全チームに指導者ライセンスが必要になります。できるだけ多くの人たちに資格を取得していただけるよう、年間を通して講習会などを行っています。
 東京都の課題としてはチーム数、選手の数は日本一多いのですが、総人口に対する割合から見てみると十分だとはいえません。練習場や、指導者、少子化など、いろいろ問題点は考えられますが、サッカーをやりたい子どもが、すぐ参加できるよう、チームの空白地帯をできるだけ無くするような方策をいろいろ考えています。
  少年連盟として1番のモットーは「サッカーの楽しさを多くの人に!」ということです。試合は子どもたちにとってとても楽しいことです。そのために各学年ごとに参加できる大会を主催しています。それだけでなく、サッカーの楽しさを広げるための行事も多く計画しています。たとえば数百チームを一堂に集めて、フェスティバルを開いたり、Jリーグの選手たちによるサッカー教室などです。うれしいことには、このような大会や、いろいろな行事には、多くの企業が協賛してくれていることです。中には30年に渡っているところもあります。多方面から応援を得られている点でも恵まれています。
 少年サッカーでは技術を教えることはもちろんですが、「心」を育てることがより大事と考えています。フェアプレーの精神はどんなときにも大切なことですし、これからの世界に飛び出す子どもたちにとって心の中心に位置するものと思います。
 サッカーと通じて、人間づくりを常に念頭に置く。そしてサッカーの楽しさをできるだけ多くの少年たち、その家族のみんなに、そして世間にも働きかけて行きたいと思っています。



 
 東京都女子サッカー連盟
「日本のサッカー文化向上のために、女性に楽しさを伝えたい」
東京都女子サッカー連盟
委員長
原田 洋安

 東京都の女子のチーム数は、都道府県のなかでもトップです。今年の登録は現段階で130チーム。内訳は、一般が約40、少女(U-12)が約50、中学高校年代(U-18)が残りを占めています。高校のチームは年々増え、25を超えました。
 課題となっているのが中学生年代です。現在、この年代だけはチーム数が1桁に止まっています。原因は高校受験や、公立中学に部活動がないということが挙げられます。しかしこのままでは、U-12の人数は多いのに中学年代でサッカー人口が減ってしまい、せっかくの経験がそこで途切れてしまう。FIFAが掲げている「女子のサッカー人口を男子の10分の1まで引き上げる」という目標もあり、東京都女子サッカー連盟では、とくに中学生年代の開拓に力を入れています。

  また、少子化等で、少女のチームの運営自体が厳しくなっているのも課題のひとつです。連盟ではチームの母体をなくさないために、合同チームでの参加を可能にすることで対処しています。ただし、広範囲にわたる地域内で選手をひとつにまとめてしまうと、上手な子だけがやればいいという傾向に陥ってしまいます。昔は友達付き合いでサッカーを始めたり、単純にユニフォームを着たいからと、動機が多様化していました。校区ごとにチームがあった頃は、そういう気軽さも手伝って、自然とサッカー人口も増えたんですね。
 連盟としては、上手下手には関係なく、まずはサッカーに触れてもらい、サッカーの楽しさを知って欲しい。昔は女子サッカーに対する風当たりが厳しかったものですが、いずれ母親となり子どもを育てる彼女たちがサッカーを理解してくれることは、日本のサッカー文化の向上にも密接に繋がってくるでしょう。さらに、将来的には全日本に選ばれる選手を育てたい。アテネ五輪代表の沢穂希選手や小林弥生選手のように、子どもの頃に東京都のチームで活躍していた選手が代表に入るのはうれしいことですね。