委員会インフォメーション

技術委員会
「東京トレセン」
第2、第3の”森本”を

 東京ヴェルディ1969のFW森本貴幸が15歳10ヶ月6日というJリーグ最年少出場記録を打ちたて、最年少得点記録をも塗り替えたことはまだ記憶に新しい。今でこそマスコミの注目の的となっている”怪物“も、かつては東京トレセンで汗を流していた。
 「体が大きくて、迫力があったことを覚えています。決定力もズバ抜けていましたね」まだそう遠くない過去を振り返り、東京都サッカー協会技術委員会育成部長大西正幸氏は語る。
 東京トレセンが正式に始動したのは'99年のことだ。それまでは東京都内の各7地域で個別にトレセンを行なっていた。だが地域によって強化に格差が生じてしまうため、その上にトップのトレセンを設置した。これが「東京トレセン」である。
 現在はカテゴリーをU-12、U-14、U-16と3つに分け、「それぞれその年代で必要とするベーシックな技術をより高いレベルで習得していく」と、大西氏は言う。「U-12はまだ若く可能性があるという観点から、人数を多く選んでいます。U-14は今年からFC東京やヴェルディというJチームのユースを除いて選抜し、これまで埋もれていたかもしれない選手の発掘に力を入れています。また技術委員会ではU-18の国体チームを毎年つくりますが、U-16はおもにその土台づくりの意味合いも兼ねています」
 東京トレセンでは各学年につき約20〜30名選出し、年約7回のトレーニングを実施している。そこで力のある選手は関東トレセン、さらにはナショナルトレセンへと進む仕組みだ。
 まだ立ち上げから5年、もちろん課題もある。大西氏は、「海外のレベルを肌で感じられる機会を彼らに与えたい」と語る。'99年当時から、つねにプランは練られていた。だがチームに所属している以上、練習との兼ね合いもあり、なかなか実現できないのが現状である。しかし、早い段階から世界基準を知ることも、今後、日本のサッカーを担うであろう若い選手たちの糧となることは言うまでもない。技術委員会では、まずはU-13のカテゴリーにおいて、韓国など近隣の国に遠征することを検討しているという。
 「いまのU-16世代は森本をはじめ、特徴のある選手が多い」と、大西氏は話す。「ただ、その下の世代、U-14については、技術的にはうまいものの、いわゆる”目立つ選手“がいませんね。もちろん、毎年それぞれに特徴はあります。技術委員会としては今後、森本のような日本代表クラスの選手を東京トレセンからひとりでも多く輩出したいと思っています」

 

interview 竹迫 祐亮くん 三菱養和サッカークラブジュニアユース

最高の環境で練習できることが、とても嬉しいです。
 目標を高く持った仲間たちと東京トレセンの練習に参加できることは、とても刺激的で励みになります。コーチは自分たちの弱点をよく理解してくれていて、弱点を克服しながら楽しくレベルアップできる練習が魅力だと思います。昨年の春にはナショナルトレセンに選ばれ、Jヴィレッジに行くことができました。全国から集まったレベルの高い選手とプレーできたことは、とても光栄でした。将来はドイツのオリバー・カーンのように、チームを引っ張っていける闘争心のあるキーパーになりたいと思っています。

 

 
審判委員会主催
「フットサル3級・4級審判員資格認定講習会」

7月4日(日)、早稲田大学高等学院においてフットサル3級・4級審判員資格認定講習会が行われ、3級33名、4級83名の受講生が競技規則・審判法に関する講義、実技講習、体力テスト等のメニューに臨んだ。近年その手軽さから急速に競技人口が増加しているフットサル。審判員育成の観点から、その現状と課題について審判委員会フットサル部長の山中正男氏にお話を伺った。

 フットサルはここ10年の間に急速に普及してきたスポーツで、サッカーと比べると歴史が浅いと言えます。ですから試行錯誤を繰り返し、少しずつ整備しながら進んでいるのが現状です。今後は、とくに審判員をいかに育成していくかが大きな課題でしょう。
 これまでフットサルの審判といえば、サッカーの審判資格を持つ方が代行していました。しかし近年、審判員の登録制度が見直され、サッカーとは別に「フットサル審判」というカテゴリーが設けられました。サッカー審判と同様に4級から始まり、上は国際ライセンスまであります。
 ただ現状では、やはりサッカーの審判を目指す方がほとんどのようです。もちろんフットサルの資格を取る方もいらっしゃいますが、おそらく所属するリーグや大会に出るために審判が必要となり、やむを得ず取得するという人がほとんどではないかと思われます。
 東京都審判委員会としては、サッカーとフットサル両方の審判をできる人材を育成していきたいと考えます。なぜなら、それぞれの技術は互いに補完しあうものだからです。とくにフットサルはスピーディーにゲームが展開されるので、そのファウルの見極めには瞬時の判断が求められます。このスキルはサッカーを裁くうえでも大切な要素と言えるでしょう。また歴史の浅いスポーツとはいえ、選手のレベルの向上には目を見張るものがあります。逆にいえば、ジャッジする側もよりハイレベルな審判が求められています。その意味でも、フットサルの競技規則を十分理解し技能に長けた審判員を数多く育成し、スキルアップのフォローをしていきたいと考えています。