TOKYO FA's Pick UP

キャプテンズ・ミッション M9
地域/都道府県協会の活性化 チャレンジFA
「フットサル運営スタッフ登録制度」の活動をレポート
日本サッカー協会が日本サッカーの更なる普及・発展を目指して、都道府県協会と共に取り組んでいる「キャプテンズ・ミッション」。その中でも最も重要と位置づけられている「ミッション9.地域/都道府県の活性化」では、「チャレンジFA制度」として各都道府県協会の様々な活動をサポートしています。2006年度より東京都サッカー協会が取り組んでいるのが、「フットサル運営スタッフ登録制度の確立」。これまで未経験者がほとんどだった運営スタッフを整備化することで、マンパワーの確保、ノウハウの蓄積に努めています。現在、運営部会では一緒にフットサル大会を作り上げる運営スタッフが活動しています。
 

「フットサル運営スタッフ登録制度」の概要

運営スタッフは「主催者の顔」
 フットサル委員会は、「いつでも」「どこでも」「だれとでも」をコンセプトに、未経験者から愛好者まで、広く人々がプレーする機会、楽しむ機会を得られるよう1994年より活動して参りました。フットサルはユビキタスなフットボールとして、現在各所で多くの人々に楽しまれています。
 当協会では、1995年の第1回全日本フットサル選手権大会東京都大会を皮切りに、各種年代のフットサル大会を開催して参りました。フットサル大会を運営する場合、まず現場で動く運営スタッフの確保が大事なポイントとなります。運営の現場で出場チームや観戦者に対して「主催者の顔」となるのが、運営スタッフです。

専門知識・ノウハウの欠落
これまでは未経験者が、いきなり競技会運営の現場に放り込まれ、経験もノウハウもないまま、様々な作業やトラブルに直面していました。運営スタッフは、慣れるまで時間と経験が必要になります。これまでの形態は大会運営をしながらのOJT(On the Job Training)となっていましたが、当日現場での教育には限界があり、作業を応用する場面に直面してもほとんど対応することができず、出場チームや観客に迷惑がかかることもしばしばありました。

マンパワー確保の難しさ
 サッカーでは、各連盟に所属するチームによって大会運営部隊が組織されますが、チームが単発で参加するフットサル大会において、運営スタッフはフットサル委員会内の各種大会担当委員(実行部隊)が自分の身近な人々に声をかけ、人材を確保していました。ここで集まるスタッフの大半は、大会運営のノウハウを持ち合わせておらず、なんとなく興味がある程度で中にはプレー経験がない人や、ルールすら理解していない人も含まれていました。このような状況の中、年間を通じて活動できる、スタッフの確保が望まれるようになってきたのです。

運営スタッフの組織化
 スタッフ確保を目的に2005年4月、当協会フットサル委員会に「運営部会」を設置しました。委員会内の専門的セクションとして、運営スタッフのマンパワーの確保及び人材の専門知識教育に取組んでいます。2006年度からは運営スタッフ登録制度を開始し、各種大会にはこの運営部会に登録した運営スタッフが派遣され、大会運営を実施しています。
 この登録制度では、年度単位で活動してくれる運営スタッフを募集し、年度当初には説明会を開催、登録は随時受け付け、個人に頼らないマンパワーのネットワークを形成することを目標としています。
 また、課題であった各スタッフの専門知識・ノウハウの蓄積については、事前に運営に関する研修会を開催し、現場の作業やトラブルに耐えうるノウハウを学んでいくこととしました。この研修会では、「運営ハンドブック」を配布し、運営の意識をある一定のレベルに引き上げるよう取組んでいます。また、定期的にリフレッシュ研修会を開催し、より高レベルの知識・ノウハウを備えたスタッフを養成すべく、努力を続けて参ります。



 
フットサル日本一を決める第12回全日本フットサル選手権大会の競技運営を担当したのが、東京都フットサル運営スタッフ。 運営部長・青木伸彦氏が運営の現場について語る


 東京都では数多くのフットサルの全国大会が開催されています。全国大会ということは日本で一番レベルの高い試合。当然、運営でも一番でないといけない。運営がダメだと大会自体の印象も悪くなるわけですから。
 運営は1つの技術だと思っています。例えばゴール・タッチラインの引き方。ラインの外側がピッチのサイズになりますが、それを内側がピッチのサイズだと思って引くと数センチのズレが出る。些細なことかもしれませんが、トップレベルのゲームでは大きな差につながることもありますので、そのような専門知識を持っていなければなりません。
 運営の1日の流れを簡単に説明しますと、まず集合時間は試合開始の大体2時間前。集合後に「ブリーフィング」という当日の内容を説明するミーティング。各自で役割を分担して業務に移ります。最終ミーティングは片づけが終わってから。その日の反省会をすることで同じミスを減らすことを心がけています。
 現在、運営スタッフとして登録しているのは大半が学生です。もちろん、社会人、主婦、選手の方もいます。これまでスタッフは人づてに集めていましたが、大会を見に来て「ああいうことをやってみたい」と思う人を、オープンに受け入れられる体制になりつつあります。登録できるのは原則として高卒以上ですが、とにかく幅広く希望者を募っていければと思っています。
 運営スタッフは基本的には縁の下の力持ち。主役はもちろん選手です。ですが、選手だけでいい大会、いい試合はできません。観客が喜ぶ大会にするためには、運営スタッフの力は絶対に欠かせません。大会を無事にやり遂げたときには、運営の立場でしか感じられない充実感があります。興味がある方はぜひ登録していただき、フットサル大会を一緒に作り上げていければと思っています。

 

2006年度フットサル運営スタッフ活動概要

東京都サッカー協会フットサル委員会運営部会では「フットサル運営スタッフ」の登録を集い、登録されたスタッフにより活動を展開しています。活動概要は下記の通りです。

●活動内容
仕事内容
①会場の設営(ピッチ作成・ベンチ、オフィシャル席、得点盤の設置) ②会場受付(チーム・プレス受付・プログラム販売等)③公式記録作成 ④ボールボーイ&ガール ⑤撤収作業・ゴミ拾い ※上記以外にも場面に応じて様々な仕事があります。
主要大会
全日本フットサル選手権大会東京都大会 東京都フットサルチャレンジU-18 東京都ユース(U-18)フットサル大会 全日本ユース(U-15)フットサル大会東京都予選 東京都ユース(U-15)フットサル大会 全日本少年フットサル大会東京都大会 全日本女子フットサル選手権大会東京都大会 東京都レディース(O-30)フットサルフェスティバル JFAファミリーフットサルフェスティバル その他、 東京都サッカー協会が主催・主管する大会
主な活動場所
駒沢体育館 駒沢屋内球技場 府中市立総合体育館 小金井総合体育館 立川市泉市民体育館 江東区亀戸スポーツセンター その他、都内体育館での活動が中心です。

●登録資格
高卒以上の男女(高校生不可) インターネット(携帯電話含む)でこまめに連絡が取れること サッカー、フットサル、又はボランティアスタッフ等の経験は不問(未経験者大歓迎)

●待遇
日当支給(1日あたり3,000〜5,000円程度、金額は大会・イベントにより異なります) 弁当支給 登録証の支給 ユニフォーム(ポロシャツ)の支給 ハンドブックの発行 傷害保険への加入

●任期
登録有効期限は1年間(登録日〜年度末3月31日まで) 継続して活動される方は、年度毎の更新手続きが必要となります。

※東京都フットサル運営スタッフハンドブック2006より抜粋