法政がロングボールを跳ね返し
カウンターから5ゴールを奪取
第11回東京都サッカートーナメント決勝の顔合わせは法政大学(以下法政)と駒澤大学(以下駒澤)の大学対決。関東リーグ所属の青梅FCから5ゴールを奪った法政か、3連覇中の佐川急便SCに10人で勝った駒澤か-。駒澤応援団の大声援が鳴り響く中で、東京一を決める戦いの火蓋は切って落とされた。
序盤は完全な駒澤ペースとなる。2トップの巻佑樹、原一樹を目掛けてロングボールを放り込み、敵のDFラインを押し下げ、ゴールになだれ込んでいく「駒澤のサッカー」(秋田浩一監督)を展開。1つ1つのプレーがゴールに直結してくるため、法政としては一瞬たりとも気が抜けない。
駒澤が先制するのは時間の問題かと思われたが、しかし、先にゴールを奪ったのは法政だった。15分、カウンターから右サイド小助川慶太がセンタリング。これを向慎一が粘り強く折り返し、最後は井上平が体勢を崩しながらもゴールにねじ込んだ。24分には大学生で唯一U-21日本代表に選ばれている本田拓也のスーパーボレーシュートも炸裂し、法政が瞬く間に2ゴールを奪取。駒澤は39分に原が1点を返すも、前半終了間際の44分に本田のCKから雑賀友洋に決められ再び2点差と突き放されてしまう。
後半16分、法政はFWの小助川に代えて「スピードのある」(照井監督)稲葉久人を投入。この交代がズバリ的中する。「次の1点が勝負だと思っていた」という稲葉は73分、味方GKのパントキックから抜け出すと、ペナルティーエリアで敵のタックルを鮮やかな切り返しでかわして決定的な4点目をゲット。2分後にも井上のクロスを押し込んで5-1。秋田監督が「完敗だと思う」と認めたように、駒澤は87分に小林竜樹のゴールで何とか3点差にするのが精一杯だった。
この結果、法政は第86回天皇杯全日本サッカー選手権大会の出場権を獲得。準決勝、決勝の2試合で10ゴールという抜群の攻撃力を武器に大舞台に挑む。
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