試合レポート


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 大学対決を制し法政が5年ぶり2度目V
  2試合10ゴール、攻撃力が大爆発
第11回 東京都サッカートーナメント 決勝
(第86回天皇杯全日本サッカー選手権大会東京都代表決定戦)
法政大学 5-2 駒澤大学

8月26日、第11回東京都サッカートーナメント決勝が西が丘サッカー場で行われた。法政大学と駒澤大学による通算5度目となる「大学対決」は、法政が5-2で駒澤に圧勝し、5年ぶり2度目の優勝。東京都代表として第86回天皇杯全日本サッカー選手権大会に5年ぶり12回目の出場となった。

 

法政がロングボールを跳ね返し
カウンターから5ゴールを奪取

 第11回東京都サッカートーナメント決勝の顔合わせは法政大学(以下法政)と駒澤大学(以下駒澤)の大学対決。関東リーグ所属の青梅FCから5ゴールを奪った法政か、3連覇中の佐川急便SCに10人で勝った駒澤か-。駒澤応援団の大声援が鳴り響く中で、東京一を決める戦いの火蓋は切って落とされた。
 序盤は完全な駒澤ペースとなる。2トップの巻佑樹、原一樹を目掛けてロングボールを放り込み、敵のDFラインを押し下げ、ゴールになだれ込んでいく「駒澤のサッカー」(秋田浩一監督)を展開。1つ1つのプレーがゴールに直結してくるため、法政としては一瞬たりとも気が抜けない。
 駒澤が先制するのは時間の問題かと思われたが、しかし、先にゴールを奪ったのは法政だった。15分、カウンターから右サイド小助川慶太がセンタリング。これを向慎一が粘り強く折り返し、最後は井上平が体勢を崩しながらもゴールにねじ込んだ。24分には大学生で唯一U-21日本代表に選ばれている本田拓也のスーパーボレーシュートも炸裂し、法政が瞬く間に2ゴールを奪取。駒澤は39分に原が1点を返すも、前半終了間際の44分に本田のCKから雑賀友洋に決められ再び2点差と突き放されてしまう。
 後半16分、法政はFWの小助川に代えて「スピードのある」(照井監督)稲葉久人を投入。この交代がズバリ的中する。「次の1点が勝負だと思っていた」という稲葉は73分、味方GKのパントキックから抜け出すと、ペナルティーエリアで敵のタックルを鮮やかな切り返しでかわして決定的な4点目をゲット。2分後にも井上のクロスを押し込んで5-1。秋田監督が「完敗だと思う」と認めたように、駒澤は87分に小林竜樹のゴールで何とか3点差にするのが精一杯だった。
 この結果、法政は第86回天皇杯全日本サッカー選手権大会の出場権を獲得。準決勝、決勝の2試合で10ゴールという抜群の攻撃力を武器に大舞台に挑む。

2ゴールの法政・稲葉。66分にピッチに飛び出すとキレのあるドリブルで駒澤DFをかき回した
駒澤のFW原と法政のDF雑賀が競り合う。駒澤のロングボールに対しては「DFが良く跳ね返してくれた」(照井監督)
原と2トップを組む巻。前線で体を張ってポストになり、必死にボールを追い掛けたが勝利はつかめなかった



 第10回目を迎える親善サッカー定期戦
東京都とソウル特別市の友好親善を図る
東京-ソウル親善サッカー定期戦2006

8月22日、24日の2日間に渡って「東京-ソウル親善サッカー定期戦2006」が開催された。第10回を迎えた今年度はソウル特別市・木洞運動場で行われ、U-15、U-18共に2試合ずつを戦った。


東京都U-15選抜とソウル中学校選抜チーム

東京都U-18選抜と光云電子工業高校


1勝1分2敗と負け越すも
海外で貴重な経験を積む

 1996年より始められた、東京都とソウル特別市の友好親善を図ることを目的とする東京-ソウル親善サッカー定期戦。年ごとに開催地を交互に入れ替えて行われており、10回目となる今年度はソウル特別市・木洞運動場で開催された。
 東京トレセンから選抜された東京都U-15選抜のメンバーは、ソウル中学校選抜チームと対戦する。早稲田実業学校高等部の単独チームとして参加する、東京都U-18の対戦相手は光云電子工業高校。8月22日、24日と2試合を戦うため本当の実力が試されることになる。
 U-15の第1戦では東京の牛尾友郎が開始8分に幸先良く先制点を挙げるも、後半にミドルシュートを決められて同点とされる。それでも、試合終了間際に阿部巧が2点目を決めて先勝した。東京は特に前半は良くボールをキープしたが、ゴール前まで運べない場面が目立ち、その点は課題といえるだろう。続いての第2戦ではリベンジに燃えるソウルの精神的な強さが上回り、なかなかパスを思うようにつなぐことができず、0-2で負け、1勝1敗の成績に終わった。これまでの戦績は大きく勝ち越しているU-15だが、昨年も第1戦1-2、第2戦2-3で敗れており実力は拮抗してきている。
 U-18は第1戦、ソウルの高いヘディングに圧倒され前半だけで2失点。ハーフタイムに森泉武信監督から「もっと動こう。1人1人さぼらずに行こう!」と指示を受け、後半はいつもの自分たちのサッカーを少しずつ取り戻し角田雅樹が1点を返すものの、追い付くことはできずタイムアップ。
 第2戦では前日ミーティングで守備から攻撃への入念な話し合いが行われ、絶対に勝つという気持ちで臨んだ。前半に何度かピンチが訪れるがDFの好守備で無失点に防ぎ、後半、CKから見事に武田卓馬が先取点を奪う。しかし、残り2分でソウルにゴールを許し引き分け、1勝を飾ることはできなかった。
 また、ソウル特別市サッカー協会会長の「韓国の文化を体験して欲しい」という意向により、食事では韓国料理が振る舞われた。さらに23日の休息日には韓国のナショナルトレーニングセンターを訪問し、U-17韓国代表の練習を見学するなど、選手たちは色々な面で刺激を受けたことだろう。今回の経験が選手たちの今後の活躍につながることを期待したい。

U-18メンバー U-15メンバー



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