広報誌

Vol.23 2015年9月発行

第20回東京都サッカートーナメント/味の素フィールド西が丘 8月23日(日)18:00キックオフ(90分)

FC町田ゼルビアが東京の頂点に立つ!

第20回東京都サッカートーナメント 写真1FC町田ゼルビアの天皇杯出場は第92回(2012年)大会以来4回目

天皇杯の出場権をかけた「東京都サッカートーナメント」。東京23FCを下した早稲田大学と、東洋大学にPK 戦の末に勝利したFC 町田ゼルビアが頂点を目指して戦った。

途中交代の遠藤敬佑が値千金の決勝ゴール

 天皇杯優勝4回という成績を収めながら、1996年以来、天皇杯出場から遠ざかっている早稲田大学。関東大学リーグでも優勝争いを演じる大学の名門チームは、準決勝で社会人代表の東京23FCと対戦した。59分に平澤俊輔が先制すると、その後はカウンターから山内寛史、宮本拓弥が追加点を挙げて3-0で勝利し、決勝へ駒を進めた。
 J2に所属していた2012年以来となる天皇杯出場を目指す、J3のFC町田ゼルビア。相馬直樹監督就任2年目となる今シーズンは、J2昇格に向けて良い位置につけている。社会人系の部予選は横河武蔵野FCと共にシードされたが、準決勝では東洋大学に大苦戦。PK戦の末に何とか勝ち上がった。
 8月23日、味の素フィールド西が丘で行われた第20回東京都サッカートーナメントの決勝。果たして、東京都代表として天皇杯の出場権を勝ち取るのは、どちらのチームなのか。
 最初に決定機をつかんだのは早稲田大学だった。古賀聡監督が「ストロングポイント」という堀田稜が左サイドをドリブルで突破し、ニアサイドに早いクロスを入れる。これを山内がダイレクトで合わせるものの、シュートはポストに弾かれてしまう。こぼれ球を小林大地が打ったが枠の上に。

第20回東京都サッカートーナメント 写真2鈴木崇文は1点目のPKを決めるなど活躍した

 対するFC町田ゼルビアは「ボールは動かせていたけど、フィニッシュの精度が足りなかった」(相馬監督)が、40分に早稲田大学DFがペナルティエリア内でハンドのファウルをとられ、PKを獲得。このPKを鈴木崇文が冷静に左隅に決めて、1点リードで前半を折り返した。
 追いつきたい早稲田大学は、61分、1年生MFの相馬勇紀を投入。三菱養和SCユース出身の相馬は、2年前の東京国体に東京都代表の一員として出場。日本一になったメンバーでもある。切れ味鋭いドリブルと豊富なスタミナを持つ165センチのアタッカーが早稲田大学の攻撃を活性化させる。早稲田大学の同点弾は67分、堀田が左から入れたクロスがファーに流れると、そこに走り込んだ相馬が折り返し、山内が合わせたもの。
 「どこかで『1-0で終わらせよう』という気持ちがあって、動きが少なくなってしまった」と相馬監督が言うように、運動量が落ちたゼルビアは、早稲田大学に素早いカウンターを食らって何度もチャンスを作られてしまう。

第20回東京都サッカートーナメント 写真4早稲田大学の18年ぶりの天皇杯出場はならず

 チームのピンチを救ったのが、中村祐也、遠藤敬佑の途中出場コンビだった。88分、右サイドで得たフリーキックを鈴木がゴール前に入れる。早稲田大学DFに跳ね返されたが、浮き球を中村がゴールに背を向けたままバイシクルで狙う。これもDFに当たるが、ゴール前にこぼれたボールに遠藤が左足で素早く反応し、ゴールネットを揺らした。
 「学生相手でも楽な試合はないし、プロに勝ってやろうと臨んでくる。内容はどうあれ勝ち切ったのがうれしい」(FC町田ゼルビア鈴木)。Jクラブのプライドを見せたゼルビアが天皇杯・東京都代表の称号を勝ち取った。

第20回東京都サッカートーナメント 写真3

第20回東京都サッカートーナメント 写真5

I N T E R V I E W

FC 町田ゼルビア / MF 遠藤敬佑

FC 町田ゼルビア / MF 遠藤敬佑 写真

 途中出場したときは1-0だったので、バランスを崩さないようにしようと思っていた。でも、自分が入った直後に失点してしまって、申し訳ない気持ちがあった。得点シーンはチームメートが頑張ってくれたので、押し込むだけだった。

2015東京国際ユース(U-14)サッカー大会/駒沢オリンピック公園総合運動場 5月1日〜4日(グループリーグ40分 順位戦60分)

カイロ、初の頂点に!

2015東京国際ユース(U-14)サッカー大会 写真1優勝したカイロの選手が喜びを爆発させる

ゴールデンウィークに開催された「2015 東京国際ユース(U-14)サッカー大会」。国内外の16 チームによる14歳以下の国際大会では、エジプトのカイロが念願の初優勝を果たした。

南米の強豪を撃破して優勝

2015東京国際ユース(U-14)サッカー大会 写真2ゴール後、お祈りを捧げるカイロの選手たち

 「ブラジルとアルゼンチン、2つの強いチームに勝ててうれしいです」カイロのY・ハリル監督は表情をほころばせた。エジプトのカイロ市にあるサッカーチームの中から、優秀な選手を選抜し、「エジプトでもベストメンバー」を揃えたカイロ。東京国際ユースには2008年の第1回から参加しており、これまでは2010年の3位が最高位だった。
 カイロにとって大きな山場となったのが準決勝だった。大会3連覇を目指す"王者"ボカジュニアーズとの試合は、開始早々に先制ゴールを決められる苦しい展開となった。だが、主将のAr・ムハンマドを中心にゴールに迫ると、試合終了5分前の55分にPKを獲得。この好機はGKにはじかれてしまったが、こぼれ球をキッカーのR・アリが押し込んで、土壇場で同点に追いつく。PK戦ではキッカー全員が成功して、初の決勝進出を果たした。

2015東京国際ユース(U-14)サッカー大会 写真35・6位決定戦:FC東京vsチェルタノヴォ

2015東京国際ユース(U-14)サッカー大会 写真47・8位決定戦:東京都トレセン選抜vs東京ヴェルディ

 そして迎えた決勝戦、カイロはコリンチャンスを相手に序盤から圧倒する。前半2分、右サイドのフリーキックをA・アリが頭で合わせるが、惜しくもゴールならず。前半15分にはゴールまでの細かいパス回しから、M・トルバがクロスバー直撃のミドルシュートを放つ。
 試合が動いたのは前半18分、DFラインの背後を突いてスルーパスを受けたA・シャッハトが、GKとの1対1を落ち着いて流し込み、先制ゴールを挙げた。エジプトの名門アル・アハリの下部組織に所属しているストライカーは「エジプトのためにも勝ちたい」と強い気持ちで日本に乗り込んできていた。
 劣勢だったコリンチャンスは後半からFWがサイドに開く変則的な2トップにシステムを変更し、カイロを揺さぶろうとする。しかし、カイロは前線からのプレッシャーに連動し、DFラインを高い位置に保つことで、コリンチャンスに自由なスペースを与えない。1-0でカイロが前半の1点を守り切った
 これまで東京国際ユースで優勝したのは南米が4回、ヨーロッパが1回、日本が1回で、アフリカ勢としては初。「前回大会との最も大きな違いは、優勝を目指してきたこと。壁を乗り越えたかった」というように、今大会では準決勝でボカジュニアーズ、決勝でコリンチャンスと、南米のサッカー大国の名門を撃破しての、文句なしの優勝だった。
 世界各国からやってきたチームが、それぞれの国の誇りをかけて戦った東京国際ユース。サッカー界の未来を担う選手たちにとって、忘れられない経験になったに違いない。

2015東京国際ユース(U-14)サッカー大会 写真5

東京都トレセン選抜は8位

 東京からはFC東京、東京ヴェルディのJクラブの他、東京トレセンで活動する選手を中心に結成された「東京都トレセン選抜」の3チームが参加した。東京都トレセン選抜は1次ラウンドで2勝1敗、4チーム中2位となって第2トーナメントに進出。第2トーナメントではFC東京、東京ヴェルディに敗れて8位に終わったが、海外チームや強豪クラブとの真剣勝負で貴重な実戦経験を積んだ。

大会順位
優 勝カイロ
準優勝コリンチャンス(サンパウロ)
第3位ボカジュニアーズ(ブエノスアイレス)
第4位ソウル
第5位FC東京
第6位チェルタノヴォ(モスクワ)
第7位東京ヴェルディ
第8位東京都トレセン選抜
第9位ジャカルタ
第10位ニューサウスウェールズ
第11位ベルリン
第12位茨城県
第13位宮城県
第14位岩手県
第15位福島県
第16位八一中学(北京)
フェアプレー賞東京ヴェルディ