広報誌

Vol.22 2015年3月発行

FC町田ゼルビア 「

3シーズンぶりのJ2復帰を目指す

FC町田ゼルビア相馬直樹監督の下、J3優勝&J2昇格を目指す

 明治安田生命J3リーグを戦っているFC町田ゼルビアが、新たな試みを行っている。それが「高校生以下は年間1000円でホームゲーム見放題」というもの。オフィシャルファンクラブ「クラブゼルビスタ」の「ジュニアゼルビー」コースに申し込めば、ホームで行われるJ3リーグ全20試合を観戦できる。対象座席のホーム自由席が小中高生800円(前売り価格)ということを考えると、「破格の安さ」とも言えるが、どんな狙いがあるのだろうか。
 FC町田ゼルビアでプレーした元Jリーガーで、現在はフロントスタッフを務める星大輔さんが説明する。「ゼルビアは少年サッカーチームの『FC町田』が発展したJリーグクラブです。クラブとして『子供たちを大切にしたい』という思いがあって、それが今回の企画につながりました」
 FC町田は北澤豪さん、福永泰さん、林健太郎さんなど名選手を何人も生み出してきた、少年サッカーの名門チーム。FC町田ゼルビアは1989年に設立されたFC町田トップが前身となって、2008年にプロクラブ化されたという歴史を持つ。
 「僕自身もFC町田の出身ですが、当時はJクラブではなかったので他の街のチームを応援していたんです。だけど、今はJ3というカテゴリーではあるけども、町田にJクラブがある。そのことを子供たちに知ってほしいな と思っています」
 〝子供たちを大切にするクラブ〞の試みはシーズンチケットだけではない。3月15日に行われたJ3リーグのホームゲーム開幕戦では、小中高生を無料招待。開幕戦6試合の中で最多となる7803人の観客が集まって、大きな盛り上がりを見せた。
 「大事なのはゼルビアの試合会場に足を運んでもらうこと。サッカーって面白い、ゼルビアってかっこいい、と思ってもらえたら、次は新しい友達を誘ってきてくれるかもしれない。ちょっとずつでもゼルビアの輪を広げていければと思っています」
 ゼルビアが行っている普及活動の一つが「出前サッカー」だ。主に町田市内の小学校、幼稚園・保育園、少年サッカークラブなどへスタッフが訪問し、サッカー指導を行う。サッカーの楽しみに触れてもらい、ゼルビアというチームを知ってもらう。「出前サッカー」を含めたホームタウン活動は1年間で200回を越える。
 「Jリーグの平均観客層は40代がメインです。若い世代を取り込んでいくことはJリーグとしても、クラブとしても大事なテーマです。今後もさまざまなアプローチをしていくつもりです」
 ゼルビアは2012年に悲願のJ2参戦を果たしたものの、最下位でJFLに降格した。13年はJFLで4位。14年からは新たに設立されたJ3に参入し、相馬直樹監督の下でJ2復帰を目指したが3位という結果に終わった。今シーズンの目標はもちろんリーグ優勝だ。
 「相馬監督がテーマにしているのがリアクション型ではなく、自分たちからアクションを起こしていくサッカー。テンポの速いサッカーは見ていても面白いと思います。昨シーズンでベースができたので、今年は〝勝負の年〞と位置づけて、J3優勝、J2昇格を目指しています」
 星さんが注目選手として名前を挙げたのが昨シーズンのJ3で得点王に輝いたFWの鈴木孝司。鈴木の他にも、今季は元湘南ベルマーレの中村祐也、元FC東京の重松健太郎などが加入し、J2復帰に向けて戦力アップを図っている。
 ゼルビアには〝もう一つの目標〞がある。
 「まだホームで満員になったことがないので、今シーズン中に満員にしたい。そのためにはクラブ全体が一丸となって頑張っていきたいと思っています」

FC町田ゼルビア

星 大輔(ほし・だいすけ)

FC町田ゼルビア 星 大輔(ほし・だいすけ) 写真

1980年12月10日生まれ、東京都町田市出身。
FC町田から横浜マリノスユースに加入。99年にトップチーム昇格を果たす。その後、FC東京、大宮アルディージャ、モンテディオ山形、京都パープルサンガ、栃木SCを経て、2010年にFC町田ゼルビアに加入し、2011年末に現役を引退。12年よりゼルビアフロントスタッフとして働く。

高校生以下は1000円で
ホームゲーム全試合観戦

FC町田ゼルビアのオフィシャルファンクラブ「クラブゼルビスタ」。高校生以下を対象にした「ジュニアゼルビー」コースでは、年間1000円の会員登録料でホームゲーム全20試合を観戦することができます。