8月27〜30日、ヴェルディグラウンドと味の素スタジアム西競技場で「U-12ジュニアサッカー ワールドチャレンジ2013」が開催された。海外からはFCバルセロナ(スペイン)、リバプールFC(イングランド)、チョンブリFC(タイ)の下部組織が来日。東京都U-12選抜が海外クラブと戦った。
「大会参加の話をもらってから練習したのは5回ぐらいでした。このようなチャンスはなかなかありません。短い準備期間の中で少しでも良いチームを作ろうと思って臨みました」(井上雅志監督)
しかし、東京都U-12選抜は初戦でリバプールに1-4で大敗してしまう。この結果はリバプールの選手たちの球際の激しさや、ボールに対する執念に面食らってしまったところが大きいと井上監督は振り返る。
「ボール際で戦うところというのは厳しく指導してきたつもりでしたが、まだまだだったんだなと。それは選手が一番良くわかったんじゃないでしょうか」
グループリーグ初戦を落としたものの、東京都U-12選抜は第2戦で横浜F・マリノスプライマリー追浜に2-0、第3戦で川崎フロンターレU-12に4-1で2連勝。技術に優れたJクラブのチームを相手にも、高い位置からのプレス、スピードに乗った攻撃という良さを存分に発揮してみせた。
2勝1敗でグループCの2位となった東京都U-12選抜は、準々決勝でグループBをダントツの強さで勝ち上がったバルセロナと対戦することになった。グループリーグ3試合で17ゴールを挙げているバルセロナに対しては、守備的に戦うという選択肢もあったが、井上監督は「僕らの良さは攻撃にある」と、これまで通りの戦い方で真っ向勝負を挑んだ。
前半で0-3とされた東京都U-12選抜だったが、後半は積極的なディフェンスからのショートカウンターで何度もチャンスを作り出す。バルセロナがメンバーを入れ替えてきたとはいえ、後半は東京ペースといっていいぐらいの内容だった。
試合後、バルセロナのサンス監督は「東京都U-12選抜はこれまでに戦った他のチームとは違ったタイプ。前からプレスをかけてきて、ダイレクトで裏のスペースをとろうとしてきたので苦しめられた」とアグレッシブなスタイルに賞賛を惜しまなかった。
東京都U-12選抜は準々決勝で敗れたチーム同士による試合で大宮アルディージャジュニアに3-0で勝利。大会参加チームで唯一、普段は別々のチームで活動している選抜チームだったが、バルセロナに善戦し、Jクラブに全勝するというサプライズを起こしてみせた。
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