チーム作りのポイントとは?
|
――漆間監督は成年男子の監督は今年で4年目になります。これは国体監督としては異例とも言える長さです。
|
漆間 |
自分の中では2年間やったところで終わりだと思っていましたが、3年目、昨年ですね、「もう2年やってもらいたい」と。東京国体というイベントの大きさはわかっていますから、期待に応えなければいけないなと感じました。 |
――中野監督は昨年から女子の監督に就任しました。
|
中野 |
4年ほどコーチとして携わらせていただいて、昨年、「監督に」といわれたときは本当に自分でいいのかなというのが正直なところでしたね。ただやるからには結果を残していきたいと思いました。 |
――奥原監督は監督としては1年目になりますが、国体との関わりはどれぐらいですか?
|
奥原 |
実は長くてですね、僕は東京の出身なので高校3年生のとき少年男子の選手として出場しているんです。それから、2000年には成年男子として富山国体で優勝しました。そのあと、少年男子のコーチとして2007年の秋田国体で優勝しました。国体の中での経験をいろいろ積ませていただいたので、それを活かせればと思っています。 |
社会人はコンディションがポイント (漆間監督)
|
――チーム作りをするうえでのポイントはどこになるのでしょうか?
|
漆間 |
社会人の選手は練習量が選手によって違うのでコンディションを合わせるのが難しいですね。また、仕事の関係でトレーニングに選手が来れないこともあるので、そうしたところをクリアしなければなりません。今は全部で30人ぐらいのラージグループから4月、5月には22、23人に絞って行くつもりです。 |
――女子は例年は非常に若いメンバーですが。
|
中野 |
今まで女子に関しては大学生の参加がなかなか難しいという悩みがありました。インカレとの兼ね合いもあって、こちらがぜひ来てほしいという選手がいて、選手としても来たいと言ってくれても、チーム事情で断念せざるを得ないこともありました。そのため、過去4年間コーチのときは高校生中心の編成でした。ただ昨年からなでしこチャレンジリーグのスフィーダ世田谷から何人か入ってもらいましたし、今年はそれに加えて、できれば日本体育大学、早稲田大学から呼べればと考えています。 |
――少年男子は高校1年生を中心に、早生まれの高校2年生と中学3年生の選手で構成されます。
|
奥原 |
伸び盛りの年齢なので、期待通り伸びて来る選手と、意外なところから出てくる選手もいます。これまではミニ国(関東ブロック大会)で見極めていたのですが、今年はそれがないので、しっかり各大会にアンテナを張っておきながら、最強のメンバーをそろえられるようにしたいと思っています。 |
地元開催のメリットとデメリット
|
――今、奥原監督の言葉にもあったように、今年は地元開催ということで関東予選を戦う必要がありません。漆間さんは苦しんで勝ち上がったほうが良い結果が出ると話していたことがありますが。
|
漆間 |
おっしゃるように夏場の苦しいミニ国体を抜けて本大会に行くことで、チームとしてまとまって実力アップにつながっていました。それができないので、ミニ国の前後で4泊5日の合宿を考えています。また、社会人リーグの日程を調べて、リーグ戦が入っていないところで強化試合も組んでいきたいと思っています。 |
夏の合宿でリーダーが出てくるか (中野監督)
|
――女子は関東を勝ち抜くところがハードルになっていましたが。
|
中野 |
成年男子と同じように合宿をするのと、日テレ・ベレーザと強化試合ができないかこれから交渉していく予定です。昨年の大会前に合宿を行ったんですが、ちょっとしたきっかけがあれば女の子はまとまってくれるので、こっちが手を差し伸べなくてもリーダーが出て来てやってくれることがある。だから、夏の合宿が一つのキーポイントになると思います。 |
――少年男子はどうでしょうか。
|
奥原 |
合宿を組む予定ですが、クラブの日程がまちまちなので、早い段階で日程を調整できるかですね。あとは、本大会に出場するであろうメンバーが合宿にどれぐらい参加できるかですね。 |
優勝するために大事になること
|
――国体は35分ハーフの70分というレギュレーションで行います。普段の試合とは違いますが、この点について難しさを感じることはありますか?
|
漆間 |
本当に70分の戦いというのは難しいです。社会人は普段から90分でやっているので、戦い方は変えなければいけませんね。 |
中野 |
どちらが早く主導権を握れるかが大事ですね。女子も80分、90分ゲームが主流になってきているので。先制されると焦ってしまう。 |
奥原 |
少年もユースは90分ですし、U-15の関東リーグも80分でやっているので、別物で考えなければいけないなと個人的に考えています。他県だと単独チームの県もありますので、そういうチームに守備的に来られれば、35分ハーフは凌がれてしまう。いろいろなことを想定してやっていかなければいけません。 |
――大会に向けての目標を聞かせて下さい。
|
漆間 |
優勝という2文字を目標にベストを尽くすだけです。成年男子の東京が優勝したのは、奥原さんが選手だった2000年が最後なので13年前ですか。非常に難しいことはわかっていますが、チャレンジャー精神で一つ一つ大事にいきたい。1試合目から決勝戦のつもりで戦っていきます。 |
中野 |
来月から選手が集まって始動するんですが、日本一にチャレンジしようということをみんなが言っています。昨年悔しい思いをしたので、選手、スタッフともに日本一を目指して準備をしています。 |
奥原 |
優勝しか言えないですよね。やるからには優勝を目指してということで、スタッフを決めるときに以前(国体で)優勝を経験した人にも入ってもらいました。昨年悔しい思いをした選手も候補メンバーにはいて、いろいろな人の携わりがあってここまで来ているので、悔いが残らない準備をして本大会に臨みたいと思います。 |
将来有望な選手を見に来てほしい (奥原監督)
|
――最後に東京のサッカーファミリーに向けてメッセージを。
|
漆間 |
今回、東京国体という一大イベントでサッカーができるのは幸せなことですし、ぜひ応援に来ていただけたらと思います。 |
中野 |
昨年、千葉に負けた試合を観に来てくれた女の子が「東京みたいなサッカーをしたい」と言ってくれたそうです。今年もみんなに応援してもらえるチームを目指したいと思います。 |
奥原 |
少年の場合は、ここから上に羽ばたいていく選手がたくさんいるので、将来有望な選手をぜひ見に来て下さい。そして、東京のサッカーに関わる、たくさんの人たちの期待に応えられるような試合をしたいと思います。 |
――本大会での各チームの活躍を期待しています。
|