協会羅針盤

 
東京都サッカー協会のポイントを整理!
 

■フットサル
 フットサルはチーム構成の自由度が高く、大会ごとに選手の入れ替わりが激しいこともあって、登録人数がまだ少ないというのが現状です。また、東京都サッカー協会が主催する、ひいてはJFAにつながる大会、たとえば「全日本フットサル選手権大会」や「バーモントカップ」などに参加するチーム自体も少ない。なぜなら協会に入っているチームはサッカーを中心にやっているため、試合スケジュールが合わないんです。私どもはもっと参加してほしいと思っています。今後、底辺拡大や普及活動に力を入れていくべき分野と言えるでしょう。

■東京トレセン
 東京都におけるエリートプログラムである「東京トレセン」は、技術向上事業や指導者養成事業、強化事業などを担う技術委員会の主導のもとに、選手の強化を進めています。したがって、トレセンは「選抜チーム」ではなく、あくまでも個々の選手の育成を目的としています。東京都では、都全域を7地域に分けて「地域トレセン」を実施し、さらに7地域から優秀な選手を集め「東京トレセン」を行なっています。なかにはその上の「関東トレセン」、そして「ナショナルトレセン」に進む選手もいますが、参加費用の問題もある。選手の親御さんの理解を深め、今後さらに強化を図り、東京都を強くしていきたいと考えています。

■指導者および審判の育成
 東京都サッカー協会は選手の育成だけでなく、指導者のレベルアップにも力を入れています。たとえば指導者を海外に派遣し、研修を行なうこともあります。C・D級指導者の養成講習会も行なっています。今夏も「東京都におけるサッカーの普及・発展を図るため、サッカー理論および実技指導に優れた指導者育成」をテーマに、コーチ養成講習会を開催しました。
 審判についても、人数は多いのですが、もっと質を上げなければなりません。そのためには、審判を育てる指導者の質も問われてくるでしょう。
 いずれにせよ、よい選手、よい審判を育てるためにはまず、資質の高い指導者の育成が必要だと考えています。

■東京都の課題
 人口に対するグラウンドの少なさ。グラウンドだけは協会の力だけではどうにもなりません。仮に空いている土地を購入したとしても、固定資産税を払うことができない。つまり維持することが困難なんです。
 問題を解決するために、私たちは行政に呼びかけています。先日も新宿区に対し、空き地に芝生のグラウンドをつくることを提案しました。サッカー専用だと利用法が限られてしまうので、多目的なコートをつくれば、きっとさまざまな場面で有効活用できると思います。もちろん各区市のサッカー協会とも連携をとり、すでにあるグラウンドも最大限に利用していきたい。
 グラウンド問題は、ひいては日本における一番の課題とも言えるでしょうね。

■その他の強化および普及について
 東京都は昨年の国体において、成年男子、成年女子、少年と、3チームとも関東大会を勝ち進み、全国大会に出場しました。そして成年男子が3位、成年女子と少年が5位、総合で2位という成績を収めています。これはトレセンに似たかたちでトレーニングを行ない、協会からも強化費を出すなどして、東京都代表の強化を図ってきた結果だと自負しています。
 女子については、日本代表のアテネオリンピック出場も手伝って、徐々に底辺拡大が成されてきました。協会としても積極的にフェスティバルや大会を開催することによって、よりいっそう多くの方々に、ボールに親しんでもらいたいと考えています。
 東京都サッカー協会としては各連盟と協力し、今後、根本的にあらゆる面でサッカーをもっと普及、浸透させることが大事だと考えています。